青赤の公式戦負けなしの記録は「10」で止まった。F東京は7日、天皇杯4回戦で清水に1-2で敗れ、準々決勝進出を逃した。清水は3大会ぶりの準々決勝進出となり、F東京は今季のカップ戦すべての敗退が決まった。
清水は1点を争うゲームを仕掛けてきた。前半から、最終ラインに5枚が並び、中盤の選手も下がってF東京が攻めるスペースを消した。そして、奪ったボールを素早く前線につなぎ、一枚残したFWがサイドで起点をつくると、一気にゴールへと迫った。それを繰り返した。大榎克己監督は試合後、この試合のゲームマネジメントについてこう言及した。
「F東京はサイドにスペースが空くので、そこを2トップがどう使えるかが鍵だった。カウンター気味に、そこを使いながら、ワイドのキジェと、吉田のところで、サイドチェンジも有効だと思っていた」
F東京は、その結果、3つの決定機をつくられてしまう。マッシモフィッカデンティ監督は「権田は一度、素晴らしいセービングをしてくれましたが、2度、ゴールの中のボールを拾い上げることしかできなかった。決定機の3本中2本を決められてしまった」と言う。
前半14分、ロングボールに抜け出した清水FW高木俊幸とGK権田修一が1対1の場面を迎えた。しかし、ここは権田のビッグセーブで免れた。しかし、後半に招いた2度の決定機はいずれも失点に結びついてしまった。69分、大前元紀が前線でボールを収めると、マークについた吉本一謙の股を抜くシュートでゴールネットを揺らした。さらに、76分には左サイド深くに侵入した高木にカニーニが寄せきれず、中央に折り返されると、混戦からイ・キジェに勝ち越しのゴールを許してしまった。
もちろん3分の2の確率でゴールへと昇華させた清水の決定力も褒めなければいけない。ただし、この失点には、奪われた時間と、人数に大きな問題があった。F東京は後半の57分あたりから4−4−2の形にした。これはフィッカデンティ監督の常套策で守備のバランスを整備させるためだ。だが、このシステム変更は、守備の機能を思ったほど高めることができなかった。攻め気が勝ってサイドの選手の攻め上がるタイミングが早くなっていたからだろう。サイドが高い位置を取っている場面では、ビルドアップでミスは許されないが、安易なボールロストが目立った。背走が続く場面が目立つようになると、そこを清水につけ込まれて失点を許した。さらに、75分に河野広貴のゴールで同点に追いついた直後、もう一度守備意識を高めなければいけない場面のはずが、直後に失点した。そして、人数だ。失点の場面は、人数こそそろっているが、適正なカバーのポジションがとれていなかった。そのため、ところどころ寄せが甘くなっていた。権田は、ため息を押し込め、言葉を並べる。
「中断明けから負けなしを続けてきた。その時できていたことができなくなると、やはりこうなるという経験をした。過去に戻そうというのではなく、今日犯した過ちをもっともっと堅い守備を築くために生かさなければいけない」
残念だが、敗者は負けるべくして敗れ、勝者は勝つべくして勝った。AFCチャンピオンズリーグにつながる道のひとつが断たれた。この苦い経験は、権田の言うようにリーグ戦へと生かさなければいけない。後戻りなどしてはいけないのだ。
以上
2014.09.08 Reported by 馬場康平
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