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【J2:第30節 栃木 vs 愛媛】レポート:想定外の乱打戦は決着が付かず。ゴールは3つ奪ったが、双方とも勝点3は得られなかった。(14.09.07)

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取られて、取って、取られて、取られて、取って、取って。玄人好みの展開が多いこのカードにしては、珍しくスコアが目まぐるしく動いた。栃木が3発打ち込めば、愛媛も負けまいと同じ手数だけ返した。激しい乱打戦は決着が付かずに3―3のドロー。栃木はリーグ後半戦初の連勝を逃し、愛媛は7試合ぶりのリーグ戦勝利を掴み損ねた。

クロスゲームが予想された試合は、開始早々に動いた。先にゴールをこじ開けたのは、オレンジ軍団だった。堀米勇輝がフリックしたボールをチャ・ヨンファンが空振り。ゴール前に転がったボールに三原向平が鋭く反応し、ワンツーのような形で堀米が難なく先制点をゲット。前節、名門・磐田に競り勝った栃木はその勢いを持ち込みたかったが、痛恨のミスで自らの首を締めた。先行した愛媛はボールに食い付いてくる栃木を嘲笑うかのようなパスワークを披露し、バイタルエリアへの縦パスをスイッチにテンポよくゴールに迫った。「回されるのは想定内」(赤井秀行)だったが、それにしても栃木は取り所が定まらずに後手を踏み続けた。

劣勢の栃木だったが、今度は愛媛のミスに救われる。相手ボランチの緩慢なパス交換の隙を突いて西澤代志也がボール奪取。奪ったボールをシンプルに杉本真にはたくと、背番号10は空いていたニアサイドを破った。同点とした栃木は一気呵成に攻め立てたかったが、5分と経たずに突き放される。河原和寿のスルーパスに三原が抜け出し、1度はGK鈴木智幸に進撃を阻まれるも、ルーズボールにしがみついてオウンゴールを誘った。あっさり試合を引っ繰り返された栃木は、ゴール前までボールを運ぶことはできたが、それ以降にミスが出たことでフィニッシュに至る回数は限られた。

ビハインドを背負って後半のピッチに立った栃木。早い段階で同点に追い付き、逆転まで持ち込みたかったが、河原の突破を赤井が阻止したとしてPKの判定が下る。これを河原にきっちり決められ、恩返し弾で逆に点差は開いた。開始4分の出来事だった。リスクを負わずに堅守速攻のプランを遂行しようとした愛媛に対し、栃木の阪倉裕二監督は大久保哲哉と湯澤洋介の同時投入、4―4―2から4―1―4―1へのシステム変更でカオス(混沌)を生み出した。この策がズバリ的中。62分にCKから大久保が2試合連続ゴールを、67分にはまたしてもCKから今度は荒堀謙次がヘディングシュートを叩き込んだ。3―3になってからは互いにチャンスとピンチが交互に訪れ、勝点3に片手は触れたものの、それをがっちりと掴み取るには至らなかった。

「今年リードしてからの試合展開が問題だったが、まだうまくいっていない」(石丸清隆監督)
逆転負けした前節の大分戦に引き続き、今節もリードを守れずに愛媛は勝点を取り損ねた。2点のリードを守り切れなかった原因として河原は、「相手が良くなったというよりも、僕たちのイージーミスが多かった」と振り返った。そのため、「僕たちがカウンターを受けるシーンが多かった」と続けた。つまり、カウンターを仕掛けるはずが、逆にカウンターを受ける羽目になり、それが体力のロスを招き、結果的にはアドバンテージの喪失につながったのだ。「リードした中で失点しないチームが上に上がっていく」(三原)ならば、そうなるように研鑽を積むしかない。

同点に持ち込んだことに一定の評価を下した阪倉監督だが、直近の2試合で計5失点には「最悪」と本音を吐露した。「2失点で抑えていれば、今は点が取れるので(勝てる)チャンスがあった」。そう悔やんだのは近藤祐介。ゴールが取れているのはプラス要素だが、あまりにも失点が多すぎる。「悔しいよりも情けない」。DF陣を代表して赤井は現状へのやるせない思いを口にした。磐田戦でも愛媛戦でも3ゴールを奪ったが、それほどゴールが期待できるチームではない。そうである以上、勝機を縮めないために、失点を減らしていくしかない。リーグ前半戦に見せた粘り強い守備を取り戻せるか。J1昇格プレーオフ圏内への再浮上の鍵は、きっとそこにあるはずだ。

以上

2014.09.07 Reported by 大塚秀毅
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