今季3度目の顔合わせとなったC大阪と川崎Fの一戦は、C大阪が1-3と敗北。ヤマザキナビスコカップ準々決勝の第1戦で、ホームアドバンテージを活かせず。アウェイゴールを大量に奪われたことで、6度目の挑戦となったベスト8突破の道は、今回も厳しくなった。
この一戦で、C大阪は日本代表MF扇原貴宏と韓国代表GKキム ジンヒョンが代表戦のために離脱していただけでなく、山口蛍、藤本康太、安藤淳といった後半戦の主軸をケガで欠き、さらには染谷悠太も扁桃炎のために試合出場できず。プレーできるフィールドプレーヤーは、ほぼ登録メンバー入りするような、総力戦の状況だった。そのなかで、J1第22節・神戸戦から、先発を5人変更。永井龍、キム ソンジュンのほか、ACLラウンド16第2戦以来、公式戦2度目の先発となる小谷祐喜や、2012年度のヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦の鹿島戦(8月8日)以来、約2年ぶり2度目のスターティングメンバー入りをした吉野峻光、そして、J1第11節名古屋戦以来、C大阪で5試合目の出場となった武田博行が、新たに名を連ねた。
「少し戦術を変えて、4-4-2でプレーした」(マルコ ペッツァイオリ監督)C大阪。だが、立ち上がりから、未成熟の連係のもろさをつかれる。7分、川崎Fにボールを回され、後手に回ると、ペナルティーエリア手前での相手への寄せが甘くなり、大島僚太にミドルシュートを打たれ、あっけなく失点。与えてはいけないアウェイゴールを早々に献上してしまった。
それでも、そこからは、南野拓実の突破や、吉野のゲームメイク、永井の前線での奮闘、長谷川アーリアジャスールの中盤での踏ん張りなどで、C大阪も反撃を仕掛け、33分、左サイドの吉野が右足で送ったクロスからファーサイドに詰めていた南野が右足ボレーシュートでゴール。前半は1-1で折り返し、後半に希望をつないだ。
後半早々、川崎Fの森谷賢太郎のスルーパスから、レナトに決定的な場面を作られたが、これがゴールポストに当たり難を逃れると、そこからは再びC大阪が押し気味に試合を展開。吉野が好機を数多く演出するなどで、「チームはまた試合を支配しはじめ、そのなかでいくつかいいゴールチャンスを作り出していた」(ペッツァイオリ監督)。
だがしかし、シュートが枠に飛ばないなど決めきれずにいると、選手交代でリズムを変えてきた川崎Fに、67分、再びリードを許す。自陣でのクリアからのパスミスを大島に奪われ、そこからボールを受けた森谷にミドルシュートを決められた。さらに、その4分後にはレナトにPKを決められ、勝負あり。C大阪はフォルラン、楠神順平、杉本健勇を投入して反撃に出るも、終盤は川崎Fにボールを支配され、交代3選手もシュートゼロ。為す術がなかった。
「今日は最後のほうもやられっぱなしで、ボールも回されて、やっていて悔しかった」というのは、GK武田。小谷も「負けたことが一番悔しいし、そのなかで3失点しているので、センターバックの役目を全然果たせなかった」と自らを責めた。ただ、その悔しさあふれる思い、勝ちたいというハングリーさは、次への希望として見出さなければいけない要素。このモチベーションを、第2戦にぶつけたいところだ。「ホームでこういうやられ方をしたので、アウェイでは勝つこともそうですが、点差もつけて勝つことが大事。戦うところをもっと前面に出してやらないといけない。そういうところが出せれば、リーグ戦にも絶対につながると思う」(武田)、「やるからには、3-0で勝ちに行きますし、サポーターも応援してくれると思うので、絶対に下を向かず、明日からまた前を向いてやっていきたい」(平野甲斐)と、桜色のイレブンは、逆襲への想いを、新たにしていた。
一方、川崎Fは、司令塔の中村憲剛をケガのために欠きながら、ダブルボランチの大島、森谷がともにゴールを記録。アウェイゴールを3点奪い、盤石の戦いでC大阪を寄せ付けなかった。「いる選手でやらなければならないですし、いつもは憲剛さんが引っ張ってくれるという試合が多いので、その分一人ひとりが責任をもってやれた」と森谷が言えば、風間八宏監督も「選手一人ひとりが、本当に、毎日自分を高めるために努力してくれている。そういうところが出た」とイレブンを称賛。ただし、大久保嘉人が「3点取れたのはすごく大きいが、油断してはダメ。この試合はもう終わったこと。すぐに試合がありますし、その一戦だけに賭けてやっていきたい」というように、チームは気を引き締め直すことも忘れず、ホームでの戦いに目を向けていた。
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