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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 浦和】プレビュー:積み重なった屈辱の歴史を晴らすため、広島は勝利を求める。強い気持ちで特別な戦いを仕掛けることで、浦和は勝ちに行く。(14.09.02)

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公式戦6連敗。それが、広島の対浦和戦における戦績である。J1での通算対戦戦績も、16勝3分26敗、49得点71失点。他にも鹿島や横浜FMに対しても通算の対戦成績では差をつけられているが、横浜FMにはFUJI XEROX SUPER CUPで勝利しているし、昨年は鹿島に勝利して優勝を決めている。だが、浦和に対してだけは、完敗が続いているイメージしかない。
それはもちろん、ペトロヴィッチ監督が浦和の指揮をとって以降の戦績(公式戦1勝6敗)もあるが、彼の就任以前も浦和には負け続けていた。1999年3月27日に4−1と勝利して以降、広島は対浦和との公式戦で15戦連続勝利なし(2分13敗)。2009年3月25日のJリーグヤマザキナビスコカップで1−0と勝利して対浦和戦の連敗を7で止めるまで、丸10年間も浦和に勝つことができなかった。広島にとって天敵中の天敵。それが浦和レッズなのである。

しかも最近の対戦では、浦和は特別な集中力で広島に挑んでくる。マンツーマンディフェンスで紫の自由を奪い、ショートカウンターとセットプレーで抜け目なくゴールを狙う。対広島戦に限っては、ペトロヴィッチ監督は「美しく勝つ」ことにこだわらない。実際、6連敗を喫しているとはいえ、広島の守備が浦和のコンビネーションではがされたシーンは思い出せない。失点はことごとく広島側のミスからであり、それを誘う浦和の強烈な守備の存在が際立っている。

おそらく浦和は、今回も同じような戦いを仕掛けてくるだろう。単純なマンマークであれば対処のしようもあるが、その質や強度が全く違う。かつて槙野智章に「広島戦のようなサッカーが常にできれば、浦和はダントツで優勝だろう」と聞いて苦笑されたことがあるのだが、それほど対広島戦における浦和の選手たちの集中は研ぎ澄まされ、運動量も驚くほど多い。広島戦勝利後の公式戦戦績は1勝1分4敗。いかに広島との戦いで浦和の選手たちが消耗しているか、この数字が如実に示しているだろう。
逆にいえば、その強い気持ちを上回るだけの闘志を見せつけないと、勝利は難しい。浦和は気持ちの強さだけでなく、クオリティも高い。闇雲に走っても勝利はおぼつかないが、少なくとも球際の戦いで後手を踏むようでは、結果は見えている。運動量も含め、サッカーの基本的な部分で五分以上に戦うこと。それができて初めて、勝負の土俵にあがれると言っていい。

その視点で考えれば、闘将・青山敏弘の復帰がチームに与える影響は計り知れない。森保一監督は「メンバー入りの可能性はある」と語るにとどまり、彼の起用に対する明言は避けた。青山自身も「まだ(ベンチに入るかどうかも)決まっていない」と語ったが、昨日の練習試合でさすがの存在感を見せつけ、今日のトレーニングでも質の高いプレーで周りを唸らせた。「縦に入れる勇気を持てる選手。状況が決して楽ではない中で、(青山)トシが戻ってきてくれたことは、チームにとっても自分にとっても大きなこと」と佐藤寿人も語る。もちろん、まだ100%の状態ではないが、「あとは公式戦の中でプレーすることであげていけばいい」と森保監督は言う。圧倒的な運動量と強烈なリーダーシップ、ダイレクトパスやサイドチェンジを繰り返せるクオリティ。他に替えが利かないキャプテンの復活劇が、かつての師・ペトロヴィッチ監督が率いる浦和になりそう。それもまた、神様が創り上げた宿命なのだろう。
「腰に不安はない。楽しみしかない」
力強く言い切った6番の表情に、リハビリ中に見せていた柔らかさは微塵もない。臨戦態勢。いつでもいくという決意。広島の至宝・青山敏弘が、いよいよ戻ってくる。

浦和は西川周作、広島は水本裕貴・皆川佑介を日本代表招集のために欠いているが、両チームとも選手層は分厚い。浦和はマルシオ リシャルデスがケガからの復帰をすでに果たしており、ゴールマウスを守るであろう加藤順大も経験のあるGK。広島のFWには言うまでもなく佐藤寿人が存在し、DFラインには成長著しい宮原和也が自らの武器を研いでいる。ホーム&アウェイの初戦であり、アウェイゴールをめぐる駆け引きなども存在するが、森保監督は「明日は我々のホームゲーム。勝利するために戦う」と迷いはない。広島にとっての明日は、「180分の試合の前半」ではなく、これまで何度も味わい続けた屈辱を払拭し、ホームのサポーターと共に「浦和撃破」の歓喜を叫ぶ決戦の場である。

以上

2014.09.02 Reported by 中野和也
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