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【toto情報】コラム:いやあ、サッカーって本当に何が起きるかわかりませんなあ。(14.08.29)

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8月28日が日本代表の発表日であることは、知っていた。
だが正直、あまり興味はなかった。誤解してほしくはないのだが、日本代表への関心は強い。アギーレ監督のサッカーには、大きな期待がある。新しい日本の方向性を示してくれるのではないか。かつてイビツァ・オシムが呈示した「日本化」というテーゼを、もっともっと先鋭化してくれるのではないか。そんな期待感を、勝手に持っていた。
でも、残念ながら広島の選手たちは選ばれないとも思っていた。実力からすれば、選出されるべき選手はたくさんいる。だが現状は、チームとしてのコンディションが悪く、選手たちが本来もっている力を試合で発揮しているとは、いいがたい現状だ。

話は少しそれるが、実はサンフレッチェには現在、在広島のスポーツ新聞担当記者がいない。かつて存在した広島地方版が各紙ともなくなってしまい、現場戦力としての記者の数そのものが少なくなってしまったからだ。スポーツ紙の広島支局の存在はあるが、カープを追いかけるので精一杯なのが現状。関東や関西であればこういう代表発表の日は当然、練習場に詰めて取材するものだが、大阪にいるサンフレッチェ広島担当記者が交通費をかけて練習を取材することは、ほとんどない。優勝が近くなってようやく、という程度である。タイトルを争うチームとすれば寂しい限りではあるが、それが現実だ。
ただ、広島にはローカルテレビ局があるのが、一方の強みだ。彼らがこういう時はカメラを出して、広島から片道1時間30分かけて練習場のある安芸高田市に駆けつける。かつてある社では「出張扱い」されていたという距離でもあり、そんなに頻繁にテレビカメラが訪れるわけではないが、それでもこの日はさすがに注目されていたようだ。「初選出が有力」とされていたF東京の武藤嘉紀のような期待感があったわけではないのだが、それでも「何かあった時のために」と各社がカメラクルーを動かした。サプライズがあれば、ニュースは広島にとどまらず、全国に流れる可能性もある。

僕はといえば、この日はU-19日本代表である川辺駿のインタビューを行っていた。その取材が終わってクラブハウスの外に出ると、テレビクルーが慌ただしくインタビューの準備を進めている。地元新聞の記者も電話で何事かを報告している。
あれ、どうしたのかな。
不思議に思っていると、電話を終えた記者と目が合った。
そして、二本指を見せてきた。
「2人です」
えっ?まさか。
直感的に「水本だな」とは思った。だが、もうひとりがわからない。階段をおりると、広報が出てきていた。
「水本と皆川です」 
少し、声がうわずっていた。
えっ。えっ。えっ。
気持ちが整理できないままでいると、皆川が出てくる。いつもの笑顔はない。
「おめでとう」
声をかけると、うなづいた。でも、言葉が出てこない。いつも快活な彼なのに、初めてメンバー入りした時よりも緊張していた。テレビカメラの前に立ち、「えっと、今日はどういう取材で……」と聞いてくる。そんなの、代表発表以外にない。まさに、テンパっていた。後に本人がこの言葉を何度も繰り返すが、本当にテンパっていたのである。

ワールドカップの予備登録に入っていた水本裕貴の選出には納得で、彼の取材対応もさすがに堂々としていた。その水本から「ミナ(皆川)が相当緊張しているから、サポートしてあげたい」という言葉が出るほど、皆川は堅くなっていた。

それにしても、である。彼はまだリーグ戦の出場時間が238分のみで、天皇杯・ACLを合わせてもプロA契約締結規定の公式戦450分出場には届かない。リーグでは2得点3アシストを記録してはいるが、先発は先日のC大阪戦のみ。そういう選手が、まさか日本代表に選出されるなんて。大規模土砂災害で沈んだ広島の街で生まれた、久しぶりの明るいニュースであり、日本サッカー史にも刻まれるビッグサプライズだった。

おっと、totoのコラムだ。何が言いたいのかというと、要は「サッカーは何が起きるかわからない」ということだ。C契約の選手が代表に呼ばれるのである。そんなことを誰が予測できるというのか。まして、totoは勝敗予想。天皇杯の結果を見てもわかるように、番狂わせが起きやすいのがサッカーというスポーツ。結果の予測が全てにわたって論理的にできると考える方が、おかしい。

特に今回は、いつも予想外の結果が起きるさいたまダービーがある。首位・浦和と17位・大宮の対決とはいえ、この成績がそのまま素直に反映されないのがダービー。皆川佑介のサプライズ選出を頭に入れつつ、論理に感覚を加味して考えてみたい。

以上

2014.08.29 Reported by 中野和也(広島担当)

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