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【第94回天皇杯 3回戦 名古屋 vs 京都】プレビュー:真夏の連戦を左右するのは疲労を跳ね返す強いメンタル。名古屋と京都の対戦は、特に控え選手の奮起がカギとなる。(14.08.19)

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試合に対するモチベーションの強さが、勝敗を左右する要素になりそうだ。盛夏の最中、リーグ戦の合間に組み込まれた天皇杯3回戦は、J1、J2を問わずリーグ戦との兼ね合いをどう計算するかが難しいゲームであることは間違いない。ましてや4日前に降格圏を抜け出したばかりのJ1名古屋と、昇格圏内の上位6位を目指す京都の対戦となれば、週末にそれぞれのリーグ戦を見据えたメンバー構成は考慮せざるを得ない。しかしタイトルがかかったトーナメントにもできる限りの力は注ぎたい。そこで重要となってくるのが、意欲の力である。

まず名古屋の西野朗監督は久々の勝利となったリーグ第20節G大阪戦の翌日、京都との天皇杯3回戦でのメンバー入れ替えを示唆している。
「メンバーを考慮する余地は十分にありますね。まず登録上、レアンドロ(ドミンゲス)、川又(堅碁)、大武(峻)は使えない。昨日の試合でダニルソン、ケネディ、本多(勇喜)も少しダメージを負ったようですし。できればターンオーバーしたいところで、フレッシュな選手たちにチャンスを与えることも考えています。勝ち抜きたいゲームですからね。週末もにらみつつ、時間制限なども使いながら選手を使っていこうと思う」。

これに同意するのは小川佳純だ。自身もこのところ思うようなプレーが見せられておらず、途中出場やベンチを温めることも増えた中、この天皇杯を復権へのステップとしたい気持ちを見せた。
「自分やリキ(松田力)とか、試合に出たくてウズウズしているメンバーがいます。チーム内の競争も激しくなってきたし、チームもようやく勝てた。ここから誰が出ても良いパフォーマンスを見せられるようにしたい。京都はビツ(石櫃洋祐)は出場停止だけど、バキ(バヤリッツァ)もいるし、楽しみですよ。でも、下剋上させるわけにはいかない」。
レアンドロ不在の攻撃陣を引っ張る経験者として、背番号10の奮起は必須事項だ。

名古屋にはさらに、この京都戦でのハイパフォーマンスを誓う選手がいる。ベテランの玉田圭司と、新人の矢田旭だ。玉田は負傷の影響も考慮されてのこととはいえ、リーグ戦ここ2試合で出番なし。前節などは遠征メンバーからも外れた。「やれる状態だから、ストレスは溜まってるよ。でもそれを発散させるのは、オレにとってはサッカーだから。どんな試合にも出たいし、その中で自分を出したい」と復権への思いをたぎらせた。一方の矢田も着実に出場機会は増やしているが、持ち味は出し切れていない印象。「もっとボールに絡んでいけと監督から言われています。下がってもいいからボールを触って、ボールと一緒に上がっていけばいい。今は良さが出せていませんし、チャレンジする姿勢が一番足りていないところなので、試合に出られたらもっと自由にプレーしたい」。ともにテクニシャンで感覚も合う二人だけに、同時出場となればヤマザキナビスコカップ第5節・徳島戦のような美しい連係とゴールのイメージも膨らむ。

川勝新体制発足から約2ヵ月が経過した京都もまた、控え組の奮起が問われるところだ。まず大きいのが右サイドバックの石櫃の不在。名古屋から移籍し完全復活を遂げた感のあるパワフルなサイドバックは、京都の右サイドの攻撃を一手に担う重要人物と言える。彼の鋭いクロスはDFにとって厄介なもので、この武器がないことはチームにとっては痛手だろう。だが週末のリーグ戦の相手は現在21位の讃岐とあって、名古屋ほどのターンオーバーは予定していないかもしれない。日曜日開催で回復期間も名古屋より1日多く、より戦力をつぎ込みやすい状況ではある。その上で名古屋の西野監督は「京都もメンバーをいじってくるでしょうし、監督も変わっている。あとは大黒(将志)が出るか出ないかで違ってくる。大黒はJ2の中でもちょっと違う(レベル)。飛び出しの質と得点能力はやはり高いと感じるし、ウチのDFラインが苦手なタイプですから」とかつての教え子を警戒。大黒だけでなく山瀬功治や工藤浩平、中山博貴に田中英雄など実力者は多い。ここに前節2ゴールの新人・石田雅俊などがどう絡んでくるか。川勝良一監督のメンバー選考やいかに。

試合展開に目を移せば、ポゼッション重視の京都に対し、ボール奪取位置を高く保ちたい名古屋の守備がどれだけハマるかが一つの焦点になる。ここ数試合でコンディションを上げてきた永井謙佑の鬼気迫るチェイシングがあれば名古屋は一気にペースをつかみそうだが、「(G大阪戦で)あれだけ走るとリバウンドもけっこうキツイですね」と漏らしていただけに、どのような起用になるかは不透明。ロングボールが少なくつなぐ傾向の強い京都だけに、彼の出場の有無は試合の流れを大きく変える。逆に京都はポゼッション時の単純なミスなどを減らすことが、そのままリスクマネジメントにもつながることになる。フィニッシュワークの点で物足りなさを感じることも多々ある中で、ゴール前での脅威をどれだけ出していけるかも、重要課題だ。名古屋は今や攻撃の中心人物となったレアンドロの不在が、攻撃の構築にどう影響するかも気になるところではある。

真夏の連戦はどのチームにとっても負担を強いる。厳しい状況と環境を克服するのは体力よりもメンタルである。名古屋と京都、カテゴリーの差はほぼないに等しい対戦の中で、より強い気持ちを見せるのはどちらか。まだまだ暑い名古屋の夜に、選手たちの激しいマッチアップを期待したい。

以上

2014.08.19 Reported by 今井雄一朗
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