結果は1−4で、スコア通り愛媛の完敗。松本がシュート数、コーナーキックの数でも大きく愛媛を上回り、それをゴールに結びつける勝負強さを見せた。松本はそのコーナーキックから2得点を奪うなど、自分たちのストロングポイントを出して勝点3を得たゲームだった。一方で愛媛にとっては3失点の後にリカルドロボのゴールで一矢報いたものの、パスをつないで主導権を握ることやフィニッシュにつなげるプレーは少なく、消化不良のゲームになってしまった。前節に続く4失点での敗戦という点でも、ショックは少なくないだろう。ただ、時間を追って試合を振り返れば終始松本が愛媛を圧倒したワンサイドゲームというわけでもなかった。
試合の序盤は松本が愛媛の河原和寿や堀米勇輝に仕事をさせず、攻撃に転じてはきっちりシュートで終わる形を作りリズムをつかんだ。しかし、前半16分に河原が強烈なミドルシュートを放つと、GK村山智彦に阻まれたものの愛媛がペースをつかみはじめる。その後も堀米が起点となりロボが河原にスルーパス。ここはシュートに至らなかったものの、カウンターから河原がつぶれて堀米もシュートを放つなど、河原と堀米の2シャドーがボールに絡みはじめると、少しずつ愛媛にもフィニッシュに持ち込む形が増えていた。
しかし前半32分、ワンプレーで松本が優位に立つ。サビアがペナルティエリア内で仕掛けて先制点を挙げると、そこからは一気に松本ペースに。37分に愛媛は自陣でボールを失うと、そのままクロスから船山貴之に押し込まれて追加点を奪われる。さらに、43分にはコーナーキックからオウンゴールで3失点目。第18節の岡山戦同様、立て続けの失点で前半の内に3点のビハインドを背負うことになってしまった。
こうして厳しい展開を強いられることになったが、愛媛は後半開始直後に1点を返す。河原のパスにロボが抜け出し、飛び出したGKをかわしてシュート。リーグ後半戦から加わった新戦力の2試合連続ゴールで、愛媛が息を吹き返すかに思われた。ただ、松本は慌てず前半同様にフィニッシュで終わる形で流れを引き戻す。60分にはカウンターからサビアが愛媛ゴールを脅かすと、77分に4点目を奪って試合を決める。得点を上げたのは途中出場の山本大貴。コーナーキックから犬飼智也のヘディングが愛媛のGK児玉剛に阻まれたが、こぼれ球を山本が押し込み勝負が決した。こうしてやるべきことを着実にこなし勝点3を積み重ねた松本は、新戦力のイジュンヒョブをピッチに送り込むなど収穫の多いゲームになった。J1のF東京に挑む水曜の天皇杯(8/20@味スタ)も厳しい日程ではあるが、楽しみな挑戦になった。
これに対して愛媛は厳しい結果を突きつけられた。ただ、この試合の流れを追ってみても、限られた時間ではあったが攻撃面でらしさは見えた。繰り返してしまった連続失点など、課題も明白。「もっと団結をしたチームにならないといけないし、よくない状況だからこそ、それが大事になる」というのはロボの表現だが、耐えるべき時間帯にどういうプレーをするのか、どう守って失点を回避するのか、そこはチームとして改めて整理すべきことだろう。ただ、河原が「ミスがあってもいいから恐れずに、自分たちのやりたいことを思い切りやらなければならない」と指摘するように、消極的な姿勢が勝ってくると負の循環に入りかねない。次の天皇杯、川崎F戦は(8/20@等々力)は今日以上に厳しい展開が予想される。しかし格上が相手だからこそ、まずは結果を恐れず攻守とも果敢に挑み、リーグ戦で再び前向きになれる内容になるようチャレンジすることが第一だ。
以上
2014.08.18 Reported by 近藤義博
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