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【J1:第20節 鹿島 vs 甲府】トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(14.08.16)

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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:先制したあとの攻撃がうまくいかなかった要因は?
「単純に自分たちで難しい試合をしてしまったと思います。前半に関してはそれほど悪いという評価はしていません。ただ、後半に関しては忘れるべき後半だったと思います。自分たちで自分たちの首を絞めていったパスミスだったり、判断ミスだったりがありました。現代サッカーというのは、止めて蹴るというのはまず確実にできなければならないし、それをスピーディにやらなければいけません。そこで判断の速さというものが求められるわけで、のんびりやっているプレーは現代では好ましくありません。もうひとつは、スリッピーなグラウンドであれば2タッチで足下に速いボールを入れてあげれば、速い展開ができますが、ダイレクトプレーをすればミスする確率が高まっていきます。3つめは、連勝したり勝ったことで、数名の選手には慢心というか謙虚さが薄れてしまったところがその要因になったと思います。サッカーというのはシンプルなスポーツです。止めて蹴るということを速くやっていけば、良い形が作れるのに、今日はサイドチェンジの数は今までの試合のなかでは非常に低いと思いますし、持って持って持って取られた回数は今日に関しては多いのではないかと思います。そういうことをやり続ければ、当然ながら後ろの方に負担がかかります。要は前の方でボールが収まらなくなれば、相手に流れやリズムを渡してしまいます。今日に関しては、相手は相手のサッカーをやるわけで、彼らは勝点を引き分けであっても取らなければなりません。しかし、僕らは優勝するためには勝点3を取らなければなりません。それができたことが今日の試合の唯一の救いだったと思います。我々のすべてが悪いところもありましたが、相手も我々を侵入させない作業を徹底してきました。それは評価しないといけないと思います。自分たちから流れを失って、流れを与えながらも助かったのは、相手の決定力というかその精度が今日に関しては低かったので、うまく失点せずに終えることができました。しかし、うちはパスを主体としたサッカーをしているので、選手がしっかりと積極的にパスを受ける、止めて蹴るということを速く、シンプルにやるということを心がけなければ、自分たちで苦しい展開になり、CBだったりボランチだったり、守備の選手を投入せざるを得ないという状況を自分たちで作り出してしまいます。そういう意味では、謙虚さを全員が持ち続けなければいけないと思います」

Q:植田(直通)選手がベンチ外だった理由を教えて欲しい。あと、年代別代表に選ばれた植田選手のいまの評価をお願いします。
「あくまでも僕の観察から判断したことです。前節で後半になってパワーダウンし、運動量が落ちて消極的になりました。それがひとつと、もう一つは代表に行って、確か水曜か火曜に練習試合をしているので、その負担が大きいので外した方がいいと判断しました」

Q:立ち上がりの柴崎(岳)選手のゴールはすばらしかったと思います。このところ良いパフォーマンスを続けていると思いますが、監督から見てどう映っていますか?
「サッカーは勝つ、負ける、引き分けるという3つの選択肢しかありません。では勝つためになにをするかというと点を取らなくちゃいけない。じゃあ、点を取るために何をしなければいけないかというとシュートを打たなければいけない。その前提で、シュートを打つために何をしなければいけないかというと、シュート練習をしなければならない。シュート練習をして、シュート精度、決定力を高めなければならない。そのプロセスということはごく当たり前のことであって、他チームのことはわかりませんが、僕はごく当たり前にずーっと1週間のなかでシュート練習をずーっとやっています。今度、シュート練習をやりました。試合になりました。シュートを打たない。シュートを打たない。5分経っても、10分経っても、15分経っても、20分経っても、シュートを打たない。なんのために練習をしているんですか。若い選手を含めて何のために練習しているのか、試合でその動作をするため、シュートをするということを意識しないといけない。若い選手は吸収が速いので、その部分の意識改革をしています。一時期、柴崎選手にそのことをずっと求めていったら、あまり理解できていなくて、消化しきれなかったところもあったのですが、最近では僕が伝えようとした意味を理解できてると思います。ボランチが自分の持ち場を離れて、前の方に行って、相手のペナルティエリアに入ってそこでパスを選択して、それがミスになった場合はカウンターになり、自分のいるべきゾーンを使われて失点します。そこまで行ったらシュートを打つ。今日に関しては前半だけでもそういう場面が2回あり、1回はシュートを打って得点になり、2回目はどうしてもまだ迷ってしまって違う展開を作り出そうとするところがありました。ただ、彼はそういう意識改革を自分で取り組んでいます。僕が言い続けたことに、こういうことなんだろうと自分で取り組んでいますし、自分でシュート練習に関しても目的意識を持ってやっているようにいます。ただ、練習の一環として取り組んでいる人と、意識を持って取り組んでいる選手とでは成長度が変わってきます。ただ、誰かがシュートを強く打っているから自分も強く打たなきゃいけない、世界の誰かが強く打ってるから強く打たないといけない、という感じで打っている人と、精度を自分で高めようと枠に行くようにしようとするとき、足の関節を曲げられる角度はそれぞれ違うので、ミートの仕方はそれぞれ違います。自分の当て所を探し、取り組んでいる人と、ただとりあえず入れば良いという人では、その先が違ってきます。例えば、FWで試合の90分が終わったとき、シュートを何本打ったのか、そのうち枠に何本行ったのか、セカンドストライカーの土居(聖真)選手にもずっと言い続けているんですけど、少しずつですけど彼は改善してきているし、成長を一番し始めている選手です。ただ、もっともっとできる選手ですし、僕はもっと厳しい要求や高い要求をしていこうと思います。彼に要求すると、人によっては要求しすぎと言うかもしれませんが、できる者にしか要求しないのであって、できない者にはあれやれ、これやれと言うほど愚かではありません。セカンドストライカーで、20分経ってもシュートがない、あるいは90分のなかで何回シュートを打ったのか、あるいはハーフの選手でも20分、30分経って、急にボールを触らなくなった。ハーフというのはゲームを組み立てたり、あるいはリズムをつくる役割なのに、それはありえません。サッカーというのは昔と今もセオリーというのは、変わらないんです。ただ、動作の速さやスピードの部分では、昔と今ではだいぶ違っているので、速い動作が求められます。サイドからクロスが入ったときに、逆サイドのサイドハーフがボックス内にいない、あるいは同サイドのハーフがいない。どこに行ってるんだ、と。攻撃陣というのは両SHやセカンドストライカーやFWのことですが、彼らがフィニッシュする状況にいない、というのはあってはならないことです。そういう意味で、意識改革して成長するために一個ずつ要求しています。選手が意識を変えていけば、チームはまた強くなるだろうし、個が強くなればチームは強くなるのでそういうところを高めていきたいと思っています。シュート練習を、ただのシュート練習と思っている人と、シュート練習を自分が持っているいろんな能力を高めるためにやっている人とでは、もし皆さんが練習を見る機会があれば明らかに伝わってくるものが違うものがあると思います。
柴崎の得点についてですが、ペナルティエリアの手前に入っていったところで、ゴール全体を見渡せる状況でした。そうしたら、もうシュートを打たなければいけません。逆にCBとSBの間に侵入していったら、逆サイドには誰がいるんだろうと見なければいけないのは、いま僕が急に開発したことではなく、昔から言われていることです。昔から言われているセオリーというのは変わりません。サイドに流れたときには、ペナルティエリアの内側に横から入ったときは、どうしてもゴール全体を見渡すことはできないし、角度がないので、そういうときはまわりを見ないといけません。今日は勝点3を取ったことが良かったと思います」

以上
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