●渡邉晋監督（仙台）：
「雨の中、台風が近づいている中、甲府まで足を運んでくれたサポーター、それからテレビで応援してくれたサポーターに感謝したい。アウェイですが、粘り強くしぶとく戦いながら勝点3を取るゲームプランでした。順位が近い甲府さんが相手ですし、我々も容易に相手に勝点3を与える訳にはいかないので粘り強く守りながら勝機を見出すというゲームプランでした。甲府さんがきちんと5−4−1のブロックを組んだときはなかなか隙がないので、その辺はある程度大味になってもシンプルに5バックの裏を取りに行くトレーニングを今週は積んできて、前半は甲府さんがそこを警戒して逆に5と4の間に徐々にスペースができてきた。そこに例の引き出しが赤嶺（真吾）、武藤（雄樹）といったところが徐々にできるようになったシーンがあったと思います。そこでもう一工夫、奇をてらうようなトリッキーなプレーを出せれば違った結果が出たかなぁと。そこは実際トレーニングを積んでいるところなので攻撃のところはアイディアを引き出すトレーニングをしていきたい。失点がしばらく多く続いていた中で、今週は守備のオーガナイズをしっかり整えようという話をしましたし、その中ではマッチアップ上、甲府さんが5枚張りだしたところでのスライドというところで少し割りきってサイドハーフは下がってもいいよと話をしながらそのバランスは崩さず、特に前半は流れの中でピンチらしいピンチはなかったかなぁと思います。ゲーム終盤になるにつれて我々も点を取りたいし、甲府さんもそうですし、そういった状況で少しオープンになった中で反省点修正点もありますが、（関）憲太郎を中心に粘り強く守りながらそれを凌いだ後、我々も同じかそれ以上のチャンスはあったと思います。リスタートがキーポイントになるという話をした中で数多くのリスタートがあったので決めることができればというゲームでした」

Q:後半、移籍後初出場となる野沢（拓也）、（ハモン）ロペスが出場したが2人のプレーの評価は？
「もう少し長い時間プレーさせてあげられれば彼らの特徴、ストロングポイントを出せたと思います。0−0の拮抗した状況でバランスを大きく崩したくないという思いもあったのであの時間の出場となりました。野沢はタメを作れる、時間を作れる、決定的な仕事をできる、短い時間でしたがそういうものを表現してくれたと思います。リスタートのボールも質が高い、時間を重ねるとコンビネーションもよくなると確信しました。ハモンのプレーは最近紅白戦でFWのポジションでも使っていたのですが、長いボールへの高さがなかったのでハモンを入れた。あとは仕掛けの中から彼のシュート力を期待したが最後のワンシーンくらいですかね。でも、それも彼が日本のDFとやってみて特徴を感じ取れればこれからもっと我々の力になってくれるだろうと思います」

Q:監督就任後初の甲府でのゲームですが、その思いは？
「小瀬に到着したときはいろいろな人に声をかけて貰い懐かしい思いもあったが、感傷に浸るつもりはなかった。我々は勝点3を取りに戦いに来たので、そういう意味ではやり残した部分があると思います。次に来る機会があれば勝点3を取って仙台に帰りたいです」

Q:野沢が出場してからセットプレーを蹴ったのはベンチからの指示なのか？
「トレーニングでは梁（勇基）も野沢も太田（吉彰）もトライしている。彼らの中でのフィーリングに任せています」

Q:前半ほとんど甲府に決定的な機会を作らせなかったが、前半の守備で機能した部分は？後半変わったところは？
「前半は、本来我々はより高いところでボールを奪いたいが、今週少し整理してある程度押し込まれる展開を覚悟しようというところでした。それを考えたときにマッチアップで我々のサイドハーフが下がるのか出ていくのかという判断のもとで下げられていた部分もあったが、下がった分、スペースを消して相手に決定的なシーンを与えることはなかったというのが前半だったと思います。後半は盛田（剛平）がトップに入り、クリスティアーノがシャドーに入って、クリスティアーノは攻め残るなかで起点が二つできた。そういったところでもう少し激しく寄せて前を向かれない状況を作り出せればよかったが、どうしても2つの起点のところで前を向かせるシーンが後半増えてしまった。全体の距離感は悪くなかったので、もう少し個人的に寄せることができたんじゃないかと、映像を見ながらトレーニングして修正していきたい」

以上