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【J2:第25節 栃木 vs 讃岐】レポート:悪夢を払しょくした讃岐。悪夢にうなされ続ける栃木。連敗は4にまで伸びた。(14.08.04)

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刺々しい言葉が胸に刺さった。9000人以上を飲み込んだスタジアムの大半は栃木のファン・サポーターで、連敗ストップに期待を抱いて足を運んだ人達だ。今日こそは。その気持ちに結果でも内容でも背いてしまった。少し時間を遡る。連敗の入り口となってしまった22節の千葉戦後、菅和範はファン・サポーターからの厳しい言葉をこう受け止めていた。
「ホームで人が入った中で勝ち切れなかったことはブーイングに値する。それを見返したいし、(ファン・サポーターも)そう望んでいるはず。目を逸らしてはいけない」
千葉戦以降、岡山、大分、そして今節の讃岐に挑んだが、愛のあるメッセージを力に変換できずに、ついに連敗は4にまで伸びた。リーグ前半戦は1度しか連敗しなかったことが嘘のように、栃木は連敗を重ねている。これが夢ならば早く覚めてほしい。誰もがそう願っているはずだ。

連敗ストップを懸けた一戦における栃木の立ち上がりは悪くなかった。ところが、「途中からミスが多くなり、自滅のような形になった」(GK鈴木智幸)。特にボールを奪った後の最初のパスの質が低すぎた。また、「ボールを奪った後、みんなの距離が遠すぎた」(廣瀬浩二)。この2つの現象が招いたのが、瀬沼優司の孤立だ。2トップを組んだ重松健太郎との距離間が悪く、常に苦しい状態でボールを受けざるを得なかった。讃岐の守備陣としては、瀬沼への手厚いサポートがなかったことから守りやすかったに違いない。栃木はボールロストを含め、自分達で相手に手綱を渡してしまったと言える。

エンジンの回転が上がらないまま試合は進み、迎えた41分。讃岐は古田寛幸、我那覇和樹の連続シュートがポストに嫌われるも、その流れから得たCKからルーズボールを岡村和哉が蹴り込んで先制に成功する。セットプレーからの失点がリーグワーストの讃岐が、不得手なパターンからゴールを挙げるのだからサッカーとは何が起こるか分からないし、面白い。

わずかにシュート1本。それもCBのドゥドゥのオーバーラップからのミドルシュート1本に終わった前半の栃木は、後半の頭に杉本真を投入する。果敢に杉本が仕掛けたことで躍動感が生まれ、それに呼応するようにスタジアムのボルテージも上昇。ようやくゴールの匂いが漂い始めるが、その矢先にドゥドゥのクリアミスを引き金にCKの流れから再び被弾してしまう。GK鈴木智、岡根直哉のブロックも空しく、最後は古田にこぼれ球を叩き込まれた。これで気持ちが切れたのか、栃木は意思統一して攻めなければいけないはずが、一体感に欠ける攻めを繰り返す。杉本のゴールシーンこそ湯澤洋介、廣瀬が絡んだものの、「あれ以外は攻め手がゼロだった」(湯澤)。

讃岐は8戦ぶりの勝利を苦手としていたセットプレーからの2ゴールで掴んだ。幾分かトラウマは払しょくされ、自信が芽生えたはずだ。2―0から2―1にされたものの、2―2に持ち込まれた21節・岡山戦の轍を踏まずに逃げ切ったことも小さくない。また早速、新加入の古田が結果を出していることから弱点を補填できている。先制点の岡村は「まだまだ(リーグ戦は)続く」と厳しい表情を見せ、この一勝に甘んじるつもりがないことを口にした。その思いを継続して共有できれば、J2・J3入れ替え戦圏内から脱出が図れるのではないだろうか。

負の螺旋階段を駆け上がれずにいる栃木。唯一の光明は、杉本真がコンディションを上げてきていること。骨折で長らく戦列を離れていたが、復帰戦となった天皇杯2回戦の対群馬戦からブランクを感じさせないプレーを披露。常にゴールに絡める位置に顔を出していたが、ついに目に見える結果を残した。ただ、本人は「ゴール自体に関しては、なんとも思わない」と素っ気なく、その代わり「勝利がほしい」と付け加えた言葉には熱がこもっていた。個人の結果よりも、今はチームが勝つことが最優先。その言葉からは10番の覚悟と責任感が感じ取れた。次は、勝利に直結する決定的な仕事を果たす。その思いを形にしたい。

以上

2014.08.04 Reported by 大塚秀毅
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