F東京は2日、ホーム味の素スタジアムで清水と対戦し、4−0で大勝した。真夏のゴールショーはエドゥーの得点で幕開け。前半15分、出場停止明けのチーム得点王はゴール前のこぼれ球に素早く反応。左足のボレーでネットを揺らし、東京の攻撃に火を点けた。さらに、武藤嘉紀が42分、55分に2得点を奪い、太田宏介も前半終了間際に得意の今季リーグ初のFK弾で続いて4発快勝。守備陣も踏ん張り、無失点で今季初の3連勝を飾ってJ1リーグ5位に浮上した。
清水は、大榎克己新監督の初陣を飾れず、準備期間の短さも影響した。また、試合終了直後、アウェイゴール裏から「新生清水 大榎さんと共に闘おう」の横断幕が掲げられた。黒星スタートとなってしまったが、新体制はまだ始まったばかりだ。
この試合で最も印象的だったのは、両クラブの監督の会見で発した対照的なフレーズだった。清水の大榎監督は「自分がもっとこうしたいということを言い過ぎると、選手を混乱させてしまうと思ったので、今のところは得策ではないと思った。今までと同じ流れの中で、メンバーもこの前のメンバーから代えませんでした。守備の確認はしたつもりでしたが、失点が多かったのは残念」と言葉にしている。
一方で、F東京のマッシモ・フィッカデンティ監督は「清水のセンターバックの2人は、よく1対1の状況になる。そこが今回の狙いでした。もちろん相手の監督が変わって何をしてくるかは分からなかったが、選手の特長は同じ。3日、4日で何か新しい提案をすることは難しいと思った。選手の特長に絞って対策を練りました」と語っているのだ。
イタリア人指揮官が狙ったのは、短い準備期間では修正しきれない抜本的な清水の穴だった。それが明らかとなったのが、武藤が奪った2得点。そこに、フィッカデンティ監督の意図が集約されていた。
前半43分、右サイドで太田がボールを持つと、武藤が相手最終ラインと同列に並んでボールを呼び込む。「良い動き出しをすれば、良いボールがくると分かっていた」という武藤。そこに、ピンポイントのクロスが届き、頭で合わせて追加点を挙げた。
さらに、58分には、エドゥーと武藤が縦への推進力を生かして縦へとボールを進めていく。だが、清水の選手の戻りが遅く、武藤はゴール前まで一気に侵入してヤコヴィッチを手玉に取る鮮やかな切り返しから右足でニアサイドを射抜いた。
まさに、一体感のある守備が勝敗を分けたと言っても良いだろう。F東京は試合終了まで足が止まらず、途中交代で入ってきた選手が周囲をカバーする献身性も発揮していた。後半20分、周囲がボールウォッチャー気味になる中、東慶悟が体を張ってゴール前でヤコヴィッチのシュートブロックに入った場面はまさにその象徴的な場面だった。ミステルは明確な勝因をこう語った。
「FW、中盤、最終ラインがコンパクトになり、チーム単位で動くことで暑い中でもエネルギーの無駄な消費を無くせる。日本のサッカーの特長として相手チームは試合終盤に、どんどん前線に人を送り込んでくる。数的不利な状況をつくらせないように、献身的な動きが不可欠になってくる」
気がつくと、知りたかった強さの形は見えてきた。3連勝には、理由があったのだ。毛穴が開きっぱなしの暑い夏に、当たり前のことを当たり前にやる。その上に、戦術、戦略を加える。見ている方も熱くなる、東京の夏が面白くなってきた。
以上
2014.08.03 Reported by 馬場康平
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