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【J1:第18節 柏 vs 川崎F】レポート:怒涛のサイドアタックで柏がリーグ戦今季最多の4ゴール、連敗を止める。川崎Fは本来のパスワークを発揮し切れず、連勝は4でストップ。(14.08.03)

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プレビューでは、「柏が自陣に引いてスペースを消し、そこからのカウンターを狙う方が得策」と試合の展開予想を書いてしまったが、そんな安直な考えを見透かされ、ダメ出しをするかのようにネルシーニョ監督は会見の場でこう語っている。
「Jリーグの試合を見ていると、こういうパス回しのうまいチームに対し、相手チームは諦めてGKからとか、ゴールキックの時に、先に引いてしまうというのが目に付いたので、私は逆に蹴らせる形に持っていきたいと思っていた」

引いて陣形を作ることは、確かに自陣のスペースを消せるかもしれないが、それでは川崎Fの攻撃を組み立てる中村憲剛、大島僚太のダブルボランチが降りた時、難なくパスが入り、そこから展開されてしまう。
そこで柏は、レアンドロ、工藤壮人、高山薫の前線3枚が川崎FのGKや最終ラインにプレッシャーを掛け続けることで、ボランチへ入るパスを極力減らすか、大きなボールを蹴らせる。彼らにパスが入った時は、大谷秀和、栗澤僚一が高い位置に出て潰しに行く。そのプレスが相手のパスに微妙なズレを生じさせ、川崎Fの本来のパスワークを出させなかった。

そんな前から奪いに行く意識が先制点を呼び込んだ。前半アディショナルタイム、登里享平と谷口彰悟の連携がもたつく間に、藤田優人がプレスをかけ、ショートカウンターに転じた柏。レアンドロのグラウンダーのパスをファーサイドの高山が決めて、ネットを揺らした。

ただ、この直後に川崎Fは、中村の鮮やかなミドルシュートで同点に追い付き、チームもサポーターも沸き上がった。
良い形で折り返したこと、そして後半開始から金久保順に代えてレナトを投入したことで、川崎Fの攻撃にかかる重心が、さらに前へと傾いた感があった。前半は柏の前からのプレスに押され気味で、ミスパスによるイージーな奪われ方も目立っていたが、後半は前への意識が強く、前半のようなパスだけのテンポから、柏のディフェンスラインの裏を狙う動きも織り交ぜる。何度かオフサイドになる場面はあったが、攻撃のギアを明らかに上げた。

押し込まれた柏だが、最終ラインはペナルティーエリアのライン付近でコントロール。5バックと中盤の4枚がわずか10数メートル間隔でブロックを作り、「食い付く場面と、行かない場面のメリハリはしっかり作ろうという話はしていた」(大谷)と、サイドではある程度持たせても中央のゾーンではチャレンジに行き、クサビの縦パスが入った時に3バックがタイトに奪いにいく。
それでも、さすがは川崎Fである。50分の小林の落としから放った大久保嘉人のコントロールシュートはバーを直撃。65分にも小林が柏のディフェンスラインの背後を取る決定的なシーンを作り出す。ここは増嶋の体を張ったブロックによって、絶好機は阻止された。

柏はレアンドロのボールの収まりが非常に良く、奪った後に橋本、藤田、両サイドのウイングバックが攻め上がれる時間を作れたのは効果的だった。しかも2シャドーに入ったのがスピードとスタミナに優れる高山。守から攻へ切り替わると、高山が猛然と前へ出ていく。
川崎Fにとって不運だったのは、ここまで無失点に貢献してきた實藤友紀が14分に負傷交代となり、しばらく試合から遠ざかっていたジェシが入ったため、守備のバランスや距離感が「この4試合の距離感じゃなくなってしまった」(中村)ということ。その影響で右サイドの守備がハマらず、柏の左サイドの高山、橋本を捕まえ切れずに、マークの受け渡しが微妙にずれたところを突かれてしまった。

サイドを制した柏が、62分の藤田、68分の高山、70分のレアンドロと、いずれもサイドアタックからゴールを生み出し、リーグ戦では第13節の新潟戦以来となる5試合ぶりの勝利を挙げる。4ゴールは今季リーグ戦最多の数字だ。

敗れた川崎Fは、首位との勝点差は4に広がったとはいえ、まだまだ鳥栖と浦和を射程に捉える。何より、川崎Fのサッカーにはぶれがない。後半の決定機を先に決められていたら、結局この試合もどう転ぶか分からなかった。結果的には3点差の敗戦も、勝敗は紙一重だった。
しかし、そこでツキを呼び込んだのは、柏が“戦う姿勢”を取り戻したからだと思っている。ヤマザキナビスコカップ決勝で負った怪我からの復帰戦となった藤田のファイト溢れるプレー、中盤で果敢に、泥臭く相手を潰しに行った栗澤、体を張って守り抜いた増嶋をはじめ、ピッチ上の全選手から「この流れを変えたい」という気持ちの感じられた試合だった。

だがこれが本来の柏の姿である。この試合の内容をスタンダードにして、ここから上へ昇り続ける。

以上

2014.08.03 Reported by 鈴木潤
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