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【J2:第25節 栃木 vs 讃岐】プレビュー:勝利への渇望を、もう一度思い出す。栃木が4試合ぶりに勝利を掴むには、原点回帰が必須。(14.08.03)

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拠り所をひとつ失ってしまった。先制すれば負けない。今季、積み上げてきた実績は、ピッチに立つ選手はもちろん、ファン・サポーターにとっても安心感を得るに十分な要素だった。しかし、大分に先制しながらも逆転負けを喫したことで、前節それを喪失してしまった。リーグ後半戦を連敗スタートした栃木にとって、連戦中に引っ繰り返されて勝点3を落としたダメージは小さくない。3連敗から這い上がるのは、並大抵のことではないだろう。だが、今のままでは例年のように「夏に弱い栃木」という汚名を受け入れることになる。それを回避し、ここから盛り返して行くためにも、今節の讃岐戦は極めて重要な意味を持つはずだ。

大分戦でスタメンに戻ってきた菅和範はベンチに控えていたとき、こんなことを感じていた。
「相手以上にハングリーになれるかどうか。そういう気持ちを、もっともっと出して行くべきだなと。そこの部分の差が(順位で)上に行くか、下に行くかを決めると思う」
果てることのない勝利への渇望。開幕当初、それが栃木の最大の持ち味だった。低い下馬評を覆したい。俺たちはもっとやれる。強い思いが開幕ダッシュにつながり、若いチームを前進させた。多少のリスクを冒してでもゴールを目指す姿勢を、阪倉裕二監督は何度も繰り返し強調し、今でもその方針にブレはない。

ところが、ここにきてダイナミックさが薄まってきている。そのため、攻撃ではカウンターに関与する人数が減り、相手に与える脅威と迫力が希薄になった。守備でも粘り強く体を寄せるシーンがあまり見られなくなり、安易にゴールを割られることが多くなった。昨季までは「ボールを中心としたゾーンディフェンス」という立ち返る場所があった。今季のそれは、「ハイプレスからのショートカウンター」に他ならない。今一度、前から連動して相手に重圧を掛ける作業を惜しみなくやりきり、攻守両面でアグレッシブさを打ち出したい。

幸いなことに、讃岐は最終ラインから丁寧にビルドアップしてくる。それに対して栃木は受けに回らずに能動的に立ち向かい、高い位置でボール奪取し、複数の選手が関わりながらスピーディーなカウンターを撃ち込みたい。ビルドアップが未整備な相手に対し、前から追い込むことで自分たちの原点を取り戻せるか。それができる絶好の機会を、みすみす逃すわけにはいかない。

3連敗中の栃木と同様、讃岐も7戦未勝利と不振に喘いでいる。前節の磐田戦では2点を奪うも、課題のリスタートからの2失点を含む4失点で涙を呑んだ。栃木も前節までセットプレーからの失点が続いていたが、マンツーマンとゾーンの併用などの策を講じたことで修正を図れた。阪倉監督と親交の厚い北野誠監督も、なんらかの手を打ってくるはずだ。夏場はセットプレーが雌雄を決する割合が増す。それだけに、苦手とする形から先手を取られないようにしたい。

讃岐のキーマンは、7月に札幌から期限付き移籍で加入した古田寛幸。讃岐デビューとなった前々節に引き続き、前節もゴールに絡んだ。救世主としての期待は日増しに高まっている。今節も持ち前の攻撃センスを発揮したいところだ。また、忘れてはならないのが、昨季まで栃木で10番を背負っていた高木和正。前回の対戦では怪我の影響もあり出場できなかった悔しさを抱えており、さらに前節は失点の遠因となっているだけに、失地回復と古巣への恩返しに鼻息は荒いはず。今年もメラニン色素の働きが活発な、いい具合に焼けている高木には注意が必要だ。

前節は逆転負けの悪夢を見た栃木だが、久しぶりに前半をゼロで折り返すことができた。少なくない好材料だ。0―0で後半を迎えるゲームプランを遂行できたからこそ、先行する展開に持ち込むことができたのだ。加点、あるいは逃げ切りには失敗したが、大分戦の試合の進め方自体は悪くなかった。苦境にあっても指揮官のマインドはポジティブで、「こういう状況をみんなで突破できたら楽しいよね、やりがいを感じるよね」と、選手に話したという。その言葉を受け取った選手たちが、どれだけこの逆境を楽しめるか。そこにも勝敗の鍵は潜んでいる。

以上

2014.08.02 Reported by 大塚秀毅
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