F東京は2日、味の素スタジアムで清水と対戦する。今週、両チームには動きがあった。3連勝を狙うF東京は、元U−21イタリア代表DFカニーニを獲得。清水は、アフシン ゴトビ監督を解任し、大榎克己監督の就任を発表した。
F東京に新加入したカニーニはカリアリ時代に、マッシモ フィッカデンティ監督のもとでプレーしており、その戦術理解度も高い。ただし、欧州各国のクラブは、オフシーズン中で新シーズンに向けて動き出したばかり。懸念されるコンディションが整えば、早期のデビューも考えられるだろう。
今節は、エドゥーが出場停止から復帰する。だが、前節仙台戦では代わりに出場した平山相太が得点を挙げており、指揮官はどのメンバーを前線に並べるか。また、中盤のメンバー選考も興味深い。フィッカデンティ監督は「完璧な準備と、コンディション調整が重要になる」と言い、体調の良い選手が今節のピッチに送り出されることになるだろう。
そして、大榎体制の初陣となる清水だが、短い準備期間で自らの色をどこまで出せるかに注目が集まる。早稲田大学時代に、その指導を受けたF東京DF徳永悠平は「パスで動かすスタイルやヴィジョンが明確だった。選手に親身になってくれるし、大学で頑張ることができたのも克己さんのおかげ」と言う。ただし、恩師との対戦に、複雑な胸中もこう語った。
「正直、このタイミング(初陣)で当たりたくなかった。尊敬しているし、お世話になったからこそ、監督として成功してほしい。だけど、戦いだから、全力で勝ちにいかなければいけない」。
かつて名門復活を誓い、早稲田大を関東1部リーグに復帰させた主将と、監督がプロの舞台で再会を果たす。
F東京は、清水に対してリーグでは4戦負けなしを続ける。清水がボールを細かくつなぐサッカーへとシフトするならば、プレッシングスタイルの色を強めるマッシモ東京にとっては格好の的になるかもしれない。そこを清水がくぐり抜けられるかが試合の勝敗にも直結する見所だ。
連勝中のF東京だが、フィッカデンティ監督の戦術浸透は着実に進んでいる。前線からのプレス、戦術移行など、細かな約束事もしっかりと守られている。現在、リーグ戦は5戦負けなしを続けているのも、そのためだろう。高橋秀人は「チームも、個人も勝っているという慢心を払拭できるかが重要になる。ミスが続いても守り切る能力は上がっている。プレー判断も含めて突き詰めていきたい。勝ちにいく雰囲気をつくっていきたい」と言葉にし、今季初の3連勝を目指す。
現在12位に沈む清水は大榎新監督の初陣を飾れるか。F東京は連勝を伸ばし、上位に肉薄できるか。J1後半戦の始まりを告げる試合は、18時半にキックオフする。
以上
2014.08.01 Reported by 馬場康平
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