7月最後の試合となるこの第24節では、現在勝点34で6位につける札幌が、同26で18位の横浜FCを札幌ドームで迎え撃つ。今シーズンの前回対戦は、終了間際の同点弾で横浜FCがドローに持ち込んだカードだ。
札幌は前節、敵地で愛媛と対戦して3−2のスコアで勝利。開始2分に先制点を奪われたのを始め、気温の高いアウェイゲームで常に相手に先手を取られる展開だったが、後半アディショナルタイムに途中出場の都倉賢がパワーを生かして同点弾を決めると、その直後には左CKに櫛引一紀が見事に合わせて劇的な逆転勝利。「展開を考えれば引き分けでも御の字。大きな勝点3になった」と財前恵一監督も素直に喜びを口にした。前半戦はアウェイでの戦績が悪く(2勝2分6敗)、なかなか順位を上げられずにいた。それだけに後半戦最初のアウェイゲームでのこの劇的な勝利は大きな価値がありそうだ。
もともと愛媛とのアウェイゲームは相性も芳しくなく、ここでも落とすようであれば閉塞感が再び生まれかねなかった。実際に開始早々にイージーなプレーから失点をしてしまっている。しかし、最後の最後に途中投入の選手が得点してベンチワークが当たり、開始早々の失点に絡んでいた櫛引がプロ初ゴールを挙げて勝ったとあっては、一転、空気感は前向きになる。これで5戦無敗となり、順位もJ1昇格プレーオフ進出圏内の6位へと上げている。この試合に向けても勢いがつきそうだ。
一方、札幌ドームに乗り込む横浜FCの前節は、ホームで磐田を相手に、なんと4−0の大勝。前半の中頃に寺田紳一の得点で先制すると、後半早々に野崎陽介、野上結貴が加点し勝負を決め、アディショナルタイムには安英学がダメ押し。「しっかりとしたプレーを見せる、アグレッシブな戦いをする、粘り強く戦うというところを90分プラスアルファやってくれた」と強敵相手の快勝に山口素弘監督は選手を称えた。
こちらもまた価値の大きな勝利を得たと言えるだろう。第4節以来となるホームゲームでの勝利を挙げただけでなく、今シーズン2度目の連勝も達成。リーグ戦は6戦無敗とチームには間違いなく粘り強さが身に付き、同時に勢いも生まれていると言っていい。キングこと三浦知良が今シーズン初のベンチ入りを果たした試合で磐田に大勝したこともまた、大きな意味を持ちそうである。非常にいいムードでこの試合に入れることは間違いない。
この試合で焦点となりそうな部分には、あらためて守備の部分を挙げたい。前述した通り横浜FCは4得点の勢いそのままに敵地に乗り込むだろうし、よりアグレッシブに序盤から攻撃を仕掛けてくることが予想される。対して札幌は、前節は逆転勝利こそしたものの、「失点などの数字を見ると守備は安定しているように思われるかもしれないが、自分としてはイージーな失点が多いと感じている」との櫛引の言葉通り、前後半開始直後に簡単に失点をしてしまっている。この部分はチーム全体として危機感を持って修正をしていく必要があるだろう。
とはいえ、勝ち方こそ違えど、どちらも前節は大きな歓喜となる勝利を奪っている。通常、この試合のように中3日のスケジュールはハードなものとなってしまいがちだが、このカードばかりはともに前節の勢いそのままにキックオフを迎えられるポジティブな要素となりそうだ。アグレッシブな好ゲームが期待できそうである。
以上
2014.07.29 Reported by 斉藤宏則
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