●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:今日の試合は両方にチャンスがあったが、どうしたら勝ち切れたと思うか?
「前半の守備のパフォーマンスをよくすることはできたと思います。でもやむを得ないところがあって、センターバックの2人は19歳と21歳で経験があまりないので、興梠選手のような経験値の高い選手を抑えるのはなかなか難しい。真ん中に勇敢に出て行くのは経験があっても時々できないことだし、もう少し時間がかかると思います。ハーフタイムに少し指示を出して、少し改善できましたが、前半は興梠選手に収められたり、ダイレクトプレーでいつもやっている、サイドから斜めに入れてシャドー2枚がサポートに入ったり、ウィングバックが入ったりするところで前半は抑えきれませんでした。それは残念でした。
前半は拮抗したなかで1−1というスコアは妥当だったと思います。後半は鹿島の内容が非常によかったと思いますが、サイドの崩しまではいいけどクロスの精度がまだ欠けていたり、前半で起きていたのはダヴィ選手が大外のセンターバックの後ろに入ってしまっていた。ハーフタイムで僕が要求したのはペナルティアークの辺りに入ってくれということでした。そうするとニアでもファーでも対応できるようになってくるので、ポジション取りを要求しました。前半の消耗度、後半の消耗度を考えた上で、アントラーズが見せたパフォーマンスは規律の部分を含めて、よかったと思いますし、特に対戦相手の質、能力を考えると素晴らしい試合ができたと思います」
Q:この緊迫感ある試合で杉本選手を使ったが、評価は?
「今いる選手たちが僕が使えると思う戦力であって、杉本選手はチームのために練習に取り組み、そしてチームの一員になるために練習に取り組む意識を持っている選手です。それは、チームが苦しいときにこそ一番必要なことであって、それを彼がやり続けていることを僕は見ていましたし、彼が変わろうとしている、成長しようとする努力を見ていました。まだ足りないところは多くありますけど、弱い相手に対して活躍するのはどの選手でもできますが、強い選手に対してどれくらいできるかというところで、その選手がどのレベルにあるのかが分かってきます。それを僕は彼らにはずっと言い続けていますし、彼はそれを勇敢に示したと思います。今日のパフォーマンスは、僕が求めたことに関しては全力で犠牲心を持って、勇敢に戦ったと評価しています。
ユースに4人ほど面白い選手がいますが、僕は使いたいのですけど登録上できないと言われているので、もうちょっと待ちたいと思います。若い選手というのは意欲があって、願望があって、ハングリーさがあります。彼らを使って失敗した方が明るい未来になると思います。ベテランや中堅の選手で欲がなくなった者は、前に進むことができなくなりますから、それを失った者を使うよりは、若い選手で戦った方がクラブにとっても、サポーターにとっても明るい未来につながっていくのではないかなと思います。それがチーム再建するための血の部分だと思います」
Q:監督は精神的なものを大事にされているというのはハーフタイムのコメントからも感じられますが、ご自身の経験から世界でそういったものはどれくらい大事なものか語ってください。
「メンタルコンディションは専門分野ではないので知識を持っていませんし、どの効果はよく分かりません。実の息子が10年くらい精神科医に通ってセラピーを受けていますが、いつよくなるのかなという思いでいるので、その意味はサッカーにおいては何も言うことはできません。ただ、選手たちは水曜日、土曜日という試合の流れが当たり前になっていて、水曜に試合をした後に土曜までメンタルトレーナーだったり、精神科医の専門家にメンタルのネガティブな部分をどうにかできるかと言えば、どうかなと思う。もしかしたらそういう専門知識のある方はできるのかもしれませんが、僕自身の経験から言えば、ミスや過去のことを引きずっても、土曜に試合があるので自分で切り替えるしかないし、自分で前に向かっていくしかない。ブラジルで言われていることですが、ボールは止まりません。人生同様、常に生きながら学んでいく。試合中でも、落ち込んでいる間に前に行かれてしまいますし、頭を抱えている選手がいますが、その間にサッカーの人生は進んでいます。自分でどうにかするしかないと思いますし、そういう話を選手たちにしたことがあります。落ち込んでいる暇があったら、次に切り替えた方がいいと思います」
以上
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