●ペトロヴィッチ監督(浦和):
「今日のゲームは両チームの非常に素晴らしいプレーが見られたゲームだと思っています。日本でこれだけのゲームを見られる機会は稀だと思います。それくらい両チームとも素晴らしいプレーをしていたと思います。両チームとも、最後まで勝利を目指して戦ったゲームでした。2つのチームが、違うやり方で勝利を目指していました。鹿島はしっかりと自陣でブロックを作ってカウンター狙っていましたし、そういった形で彼らが同点ゴールを決めたシーンが象徴しているように、彼らはカウンター狙いで勝利を目指していました。
相手が自陣に引いてブロックを作って守ってくるなかでも、我々は落ち着いてボールを動かしながら、後ろから数的優位を作りながら、非常にいい攻撃の形が作れたと思っています。相手がカウンター狙いで、前線にスピードのある選手を並べていました。そういった意味で、我々にとって1つのミスが命取りになりかねない、非常に難しいゲームでした。そうしたなかでも、自分たちの攻撃の形は出せたと思っています。この夏場の連戦、一週間で3試合目ということで、最後は体力的に厳しい部分があって、選手たちが最後のところでもう少し頑張れたら、2点目が取れたらという思いもありましたが、選手たちが見せてくれたパフォーマンスは非常によかったと思っていますし、こういったゲームをできたことに関して幸せであると感じています。2点目が取れていれば、もう少し違った展開になったかもしれませんし、あるいはもう少し選手がフレッシュな状態で試合に臨めていれば、勝利できたかもしれませんが、最終的に今日のような素晴らしいゲームをできたことに関しては、選手たちによくやったと言ってあげたい。
やはり仕掛けていくチームの方がこういった気温のなか、疲れている状況のなかでは難しいものだと思います。チーム全体がしっかりと連動して攻撃の時も動かなければ、相手の守備を崩すことはできない。ただ、そういう状況のなかでも、自分たちの狙いとするところは十分に出せたと思います。相手は守備をしたところから前線の選手がスペースに飛び出していくというところで、前線の選手は相当キツかったとは思います。我々は仕掛けていく、あるいはチーム全体で連動して動いていかなければいけない、それを90分間やり切るというのはなかなか簡単ではありませんでした。柏木、梅崎、関口と決定機は何度かありましたが、そういったシーンで決め切れていればというゲームではあったと思いますが、全体を通して自分たちの狙いとするサッカーができたいいゲームだったと思います」
Q:失点についてはどこに問題があった?
「ミーティングでも、ああいったゾーンでボールを失うとカウンターが危険だという話をしていました。陽介のリスキーなパスが奪われてカウンターを食らいましたが、奪われたなかでも、那須が非常に質の高い予測で相手のパスを予測していました。ただ、アンラッキーなことに伸ばした足の下をボールがすり抜けてしまいました。予測はできていたシーンだったので、もしかしたらあそこでボールは止まっていたかもしれません。那須の足の下を抜けたことは不運だと思っていますし、彼がああいう状況でもしっかりと予測をして対応したことに関してはよかったと思います。
主観になりますが、非常に良い浦和のサッカーができていると思っていますし、選手が見せてくれるパフォーマンスを非常に楽しく味わっています。我々のチームからは原口選手という非常に質の高い選手が移籍してしまいましたが、その分、我々はチームとしてバリエーション、コンビネーションの多いサッカーがよりできていると思っています。それをみなさんがどう思われるかは分かりませんが、私自身はそう思います。
1つ足りない部分がありますが、それは私がここで言うべきことではありません。私自身は分かっていますし、私がそれをどういう風に打開するか、その1つのポイントが打開できれば、我々はもっとパーフェクトに近い形になれるのではないかと思います」
Q:ほとんどのチームが守ってカウンターを狙ってくるなか、うまくカウンターを抑える試合が多いが、これから絶対に勝たないといけない試合が出てくると思う。その時に今の攻撃的なサッカーを続けられるか?
「1-0でリードしている状況のなか、その後の展開をどう考えるかということですが、私自身は攻撃的なサッカーを志向するタイプの監督ですが、、私自身もキャリアのなかで学んでいき、変化していくこともあります。我々が攻撃を仕掛けない、相手も出てこないという状況になると、今日は4万人近くの人がスタジアムに入りましたが、そういう状況で見るものがあるのかどうか、そうした疑問がわいてきます。勝っているから仕掛けない、GKまで下げる、相手もリスクを負いたくないから出てこないとなったときに、その試合に見るべきものがあるのか。
昨年は攻撃的になりすぎるがゆえにバランスを失って失点することが多かった、そのなかで我々は今シーズン、攻撃と守備のバランスを非常に上手く取りながら戦ってきました。それが今、勝点36を取れて首位に立っていることにつながっていると思います。ただ、基本的に我々は攻撃的なチームです。これだけのスタジアム、これだけのサポーターがいるチームなので、その人たちが見て面白い、攻撃的なサッカーを提供しなければいけないと感じています。
我々のサッカーはチーム全体がしっかりと連動して動くことによって成り立つ、それで相手の守備を崩していく。それには運動量が非常に求められます。簡単なサッカーではないですが、それがうまくいったとき、崩れたときは非常に見ていて面白いものがあると思います。私自身も、ベンチの前に立って指示をしているとき、ある攻撃の形のなかでサポーターの歓声がわいたときは私もまたうれしいです」
Q:今の浦和は強い鹿島や強い川崎F相手に自分たちのサッカーができるので問題ないが、絶対に勝たないといけない試合で相手のエースにオールコートマンマークをつけるとか、そういうことをやるのか?
「私が現役でプレーしている時代は、マンマークの指示が出たら、相手選手がベンチ前までいったらベンチ前までいくようなことが普通に行われていました。2004年の欧州選手権ではギリシャがそういうサッカーで優勝しました。1つのアイデアとしてはいいと思います。相手の特別な選手にマンマークをつけるのは1つのやり方だと思います」
以上
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