京都と鳥取の天皇杯２回戦は、京都が競り勝ち、３回戦へ駒を進めることとなった。
メンバーは、鳥取が倉貫一毅、森英次郎でダブルボランチを組み、トップ下に石輪聖人を起用。京都は両翼に三平和司、伊藤優汰を配置し、トップ下に有田光希を置いた。
ゲームは早々に動く。右サイドの有田から中寄りにいた三平へ送られると、これを中央の大黒将志へ。鳥取ＤＦが処理しきれずこぼれたボールを、大黒が体で相手をブロックしながら反転しシュート。これが決まり、京都が先制する。
これで落ち着いた京都だったが、やや消極的な雰囲気が出ると、鳥取がリズムを掴む。鳥取ボランチの森と倉貫が京都のプレスを巧みにかいくぐると、サイドに展開し京都を押し込む。下がった京都は最後のところをやらせずエリア内でシュートは打たせないが、38分、鳥取の右サイド・柳川雅樹のロングボールが駆け上がった馬渡和彰へ。馬渡がトラップ一本で京都の選手をかわすとエリア内へ侵入。ブロックに来たＤＦもかわしてシュート。これを決めて鳥取が１−１の同点に持ち込む。

後半、京都は三平に代えて山瀬功治を投入。しかし後半早々から流れは鳥取へ。後半8分に石輪がＦＫのこぼれ球を拾いシュートまで持ち込むと、同9分には右からのクロスを逆サイドでさらに折り返し、中央でシュート。これは京都ＤＦがブロック。さらに後半16分にも右クロスから鳥取が決定機を作る。京都ＧＫオスンフンのビッグセーブで耐え抜く京都。
しかし後半22分、京都は右ＣＫからバヤリッツァが頭で叩きつけたボールをゴール前で、途中出場の中山博貴がコースを変えてゴールを決める。２−１とした京都。さらに中山博貴は何度も動き出しボールを受けると判断良くちらし京都のリズムを作る。
そして後半40分、京都は右サイドでのボールの奪い合いから、鳥取側ゴールライン際で、石櫃洋祐が粘って奪うと、鳥取のペナルティエリア内に侵入。マイナスの大黒へ。これを大黒が収めることが出来ずこぼれると、そこには山瀬功治が。落ち着いて持ち直すと右足を振り抜きゴールに突き刺した。京都が３−１とリードを広げる。
その後石櫃の2枚目の警告により退場というアクシデントが発生するも、京都が逃げ切って勝利し、3回戦へ駒を進めた。

試合後、鳥取・松波正信監督は、「ここ（昇格してＪ２）で戦おうという気持ちを押し出して」選手を送り出したことを明かし、「やろうとしていたことは出来たと思う」とした。中盤でボールの扱いと判断に長けたボランチを置き、ボールを動かしていくサッカーは意図を感じさせるものだったのではないか。
京都も川勝良一監督が「（選手たちの個性を）自分の目で観たいということで普段よりも前の方で人を入れ替えてスタートした」ことを明かし、選手の見極めと結果の両面を出したこと、さらに「課題と収穫を自分の目で観てわかってきた」ことなど、この試合の意義を挙げた。

それぞれに課題もあったが、両監督は収穫があったことを強調。負けられない公式戦の中ではあるが、しっかりと段階を踏んでいることを周囲に印象づけられた試合となったのではないか。

以上

2014.07.14 Reported by 武田賢宗