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【第94回天皇杯 2回戦 長崎 vs 岐阜】レポート:「立ち上がりから積極的なプレーを見せた長崎が岐阜を圧倒。ゴールへの意識で自信を取り戻す」(14.07.13)

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「のーり のーり のり ながさーき♪」
CMソングの替え歌にあわせて選手とサポーターが両手を交互にあげて喜びを分かち合う長崎の勝利の儀式。この日試合が行われた長崎県立総合運動公園陸上競技場は長崎のホームスタジアム。2574人と普段のリーグ戦よりは観客数は少なかったが、試合後のスタジアムには喜びの雰囲気が満ち溢れた。それもそのはず、リーグ戦をあわせて考えればサポーターがホームで最後に至福の時間を味わったのはなんと2ヶ月以上も前。4月20日の愛媛戦が最後だった。当然、5月末に途中加入してきた深井正樹にとっては初体験の時間。他の選手にとっても久しぶりのダンス。どこかはにかんだような、少しぎこちなさも感じられた。

この日、長崎は若手主体の走れる岐阜相手に対しても立ち上がりから積極的なプレーを見せて主導権を掴む。出足が早くボールへのアプローチで勝ると、ミスを恐れずに自分たちでアクションを起こし、DFラインは恐れずに繋ぐ勇気を持った。またボランチからも何度も鋭い楔が前線に入る。前線の3人も強くゴールを意識することでスペースを生かす。コンビネーションプレーが連動した。

その長崎が待望した先制点は15分。東浩史のドリブルから奥埜博亮にパスが入ると、東があけたスペースに入った佐藤洸一がフリーでボールを受けてシュート。チーム全員の気持ちが入ったボールが岐阜のネットを揺らした。エースの得点にチームメイトが駆け寄る。これで気持ちが楽になった。

ただし、25分以降は岐阜の高地系治が自由に動き回り、中盤に下がってボールを受けることで岐阜がペースを掴み始める。高木琢也監督が試合後の会見で「得点をとった後にペースダウンしてしてしまう。流れを呼んだプレーをすることが課題」というように岐阜のシュートこそ1本に抑えたが、中盤の老練な指揮者によってペースを握られてしまった。

後半、岐阜は高地をそのままボランチに下げ、トップに中村裕輝を張らせる。岐阜のペースで進むかと思われたが、「立ち上がりでそのプランは崩れてしまった」(ラモス瑠偉)。長崎は48分に長崎の真骨頂であるワンタッチプレーで中央から崩し、井上裕大のパスを受けた東がダイレクトで2点目をゴールに突き刺した。

その後、長崎は中盤のスペースでボールを繋ぎ、52分にはサイドから質の高いクロスを神崎大輔があげると奥埜が飛び込んで3点目。リーグ戦では5試合勝ちが無く、ここ10試合で7得点と奮わなかった長崎だったが、”ケチャップがドバドバ出る試合”となった。東は「やっぱりみんながゴールを意識したことが大きい」と話す。

ただし岐阜もこのままでは終わらない。88分には岐阜が遠藤純輝がクロスを入れると難波宏明が折り返し、最後は上がってきていた関田寛士が左足ダイレクト。なんとか1点を返した。

ラモス監督は試合後、「ボランチのプレスが遅く、相手に自由を与えました。予測が甘い。なかなか自分たちのリズムにできなかった。高地を下げて、中村(祐輝)を入れてポストプレーにしましたが、2点目が早すぎたかな。時間はあったが自分たちのリズムで今日はできなかった」と悔しさをにじませた。

一方、より負けることが許されない状況の中にあった長崎は勇気を持ってプレーし、リーグ後半戦に弾みをつけた。試合後、高木監督は笑顔を見せ、「ずいぶんと久しぶり(のホームでの勝利)ですね(笑)。応援してくださっている皆さんは、いかなるゲームに関しても勝利の瞬間を望んでるはずですので、それが我々の役割だと思います。(勝利まで)長かったので申し訳ない気持ちでいっぱいです。我々も皆さんと一緒にもっと味わうことができるようにやっていきたいと思います」とサポーターに対して感謝の気持ちを伝えた。

ゴールへの意識がこれまでとは違った長崎は勇気あるプレーで自信を取り戻し、リーグ後半戦へ繋がる試合となった。一方、岐阜は前節のリーグ戦(熊本戦)と同様に若手主体で望んだが、結果は続かなかった。上り調子なだけに切り替えてリーグ後半戦に臨みたい。

以上

2014.07.13 Reported by 植木修平
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