●梁勇基選手（仙台）
「結構人数をかけて守られた中で先制して、後半の頭にもカウンターからチャンスがあったのに、そういうところで決めないとこういう試合になってしまうと感じました。失点もミス絡みでやられて、本当にもったいないです。自分たちの隙が招いた結果だと思います。
中盤で人数が多い中で縦パスを通すには、そのための動きが必要になってきます。それがまだまだ足りないと思いました。ボールを回せてもどこかで縦パスが入らないと、攻撃のスイッチは入りません。ダイレクトで2本入れられれば崩すかたちも作りやすいのですが、今日はその形を作れませんでした」


●岡山一成選手（奈良）
「やりましたね！　持っている男とは言われるんですけれど、足で入れるとは自分でも想像していませんでした。
僕は浦項（スティーラーズ・韓国）や札幌にいた時にユアスタに来ているのですが、情けない俺しか見せられていないので…やっと、『ああ、岡山はサッカー選手なんやなあ』と思ってもらえるかな、と思います。
組み合わせを見た瞬間から、こういうシーンを何十回何百回と思い描いてきたのが、こうやってジャイアントキリングという形で起こせたので、すごく幸せです。
試合が終了した瞬間に涙があふれて、もうどの選手が握手してくれたのか覚えていません。やっぱり、仲の良いチームメートだったので。ただ僕たちは、その思いを背負って、トーナメントを…ベガルタに勝ったんだから、他のＪリーグのチームにもどんどん勝っていきますよ。

（Q: 決勝点の場面について）右足の回転をかけたシュートはけっこう得意なんですよ…信じなかったらいいんですよ。結構狙っていたので、打った瞬間に入ったと思いました。僕のサッカー人生で一番のゴールじゃないでしょうか。ヘディングは数知れないくらいゴールをしてきたのですが、足であんなビューティフルゴールを決められて興奮しています。
ホンマに、ベガルタ仙台のサポーターは、僕が苦しい時もいつも支えてくれました。サッカーを辞めようかなと思った時も、やっぱりサッカーをやりたいと思って、やってきたかいがありました。地域リーグですけれども、こうやってＪリーグのチームと対戦できて、しかも勝てた。しかも、ベガルタ仙台のサポーターにその姿を見せることができたというだけで、サッカーを続けて良かったです。
優勝を目指しています。ベガルタに勝ったということはどのチームにも勝てる可能性があるので、優勝してACLにまた出たいんですよ。本気ですからね！」

●シュナイダー潤之介選手（奈良）
「試合が終わって、自然と涙が出ました。勝った瞬間にオカ（岡山一成選手）が俺の所に来て、その喜んだ表情を見ていたらふたりで涙が出ていました。最高でしょうがないです。
（Q:味方のゴールには向こうのゴールまで走っていましたが？）むっちゃ疲れましたね（笑）。オカがベンチに走ってきてくれなくて、サポーターの方に行ったから、遠いのなんのって（笑）。でも、それくらい無心で…。それくらい素晴らしいゴールだったので、抱きつきに行ってしまいました。
（Q:守備で気をつけたことは？）正直、2トップが変わってくれていたので、鈴木君の左足と、柳沢選手の技術をキーパーとしては警戒していました。左サイドからのクロスには菅井が絶対に来るので、そこで逆サイドの中盤に声をかけるということです。
あとは僕たちのプレッシャーをどれだけかけられるのかという勝負でした。本当に今日は、この気候が味方をしてくれました。暑い中で、僕たちは体力勝負にかけていて、相手は『ばてるだろう』と予測していたとは思うのですが、僕たちは後半も走れるチームだったので、ああいう逆転劇につながったと思います。
前半は0-0でいきたいと思っていたので、与えたくない失点を与えてしまいました。キーパーとしては、0-2だと試合が終わってしまうので、なんとか0-1で耐えたいと、そうすれば岡山が入ってくれば、ウチの流れになるというサッカーがあるので、岡山を信じて0-1で耐えました。それが勝因だったと思います。
『仙台に勝ったのだから優勝を目指さないといけない』と岡山は言っていましたが…僕としては、まず目の前の試合に勝つこと。僕たちとしてはやりやすいですね。今まで僕はＪリーグのチームにいたので挑戦を受ける立場だったのですが、そういう側からは嫌でしょうね。4階級下の相手とやるというのは。こちらはただ全力で挑めばいいんです」

以上