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【第94回天皇杯 2回戦 鳥栖 vs 徳山大】プレビュー:「何とか一点を取りたい」と中村重治監督が語る天皇杯2回戦。サガン鳥栖が徳山大学の挑戦を受ける。ならばこそ、内容にこだわって3回戦にコマを進めなければならない。(14.07.13)

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「何点取られてもいい。しかし、一点は取りたい」
サガン鳥栖に胸を借りることになった徳山大学の中村重和監督は、一回戦の終了後に語った。
謙遜でもなく偽らざる心境だろう。
「2回戦では、胸を借りることになるので…」と、この言葉の前についた。
相手指揮官が認めるほどの実力差があるのは明白。
ならばこそ、受けて立つサガン鳥栖の戦い方に注目せねばなるまい。

世間では、2014FIFAワールドカップブラジル大会で盛り上がっている。
GKの積極的な攻守にかかわるプレーに、目が釘付けになっているサッカーファンも多いだろう。
しかし、ワールドクラスのサッカーに負けらず劣らず、サガン鳥栖のサポーターが注目する天皇杯2回戦となる。
ワールドカップの中断期に鳥栖のサポーターは“おらがチーム”の試合に飢えている。
ワールドクラスの試合も面白いが、やはりサガン鳥栖の試合を観たいと思うのがサポーター心理。
そんな大きな期待を持った試合でもある。

徳山大学は、年に数回ほどサガン鳥栖とトレーニングマッチを行う相手である。
プレースタイルは、積極的に前線からボールを奪いに来て、奪ったボールは素早く前線に送る。奪えないとみると、しっかりとしたブロックを引いて相手の隙をうかがう器用さを持つ。
全員が、状況に応じた戦術を共有し、全員で攻守を行うチームである。
徳山大学のプレースタイルを紹介すると、サガン鳥栖のファンやサポーターはあることにお気づきになるだろう。サガン鳥栖との戦い方に共通している部分が多いことに。
だからこそ、冒頭の中村監督(徳山大)の言葉につながっているのである。
単なるカテゴリーや実績、経験値の違いだけで胸を借りるつもりではないということが、あの短い言葉の中に含まれているのである。
繰り返しになるが、だからこそ受けて立つサガン鳥栖の戦い方に注目せねばなるまい。

約一か月半の中断期の間にサガン鳥栖は、2週間のオフを入れて心身ともにリフレッシュを図った。
明けて、鳥栖でのコンディショニング調整と韓国済州島でキャンプを張って残りのシーズンに備える体制を整えた。
済州島でのキャンプでは、「特別なことをやるわけではない」と尹晶煥監督は多くは語らなかったが、選手たちのモチベーションは明らかに高まっていた。
「(これから戦う)相手も研究してくるだろう。これを上回る何かを出さないといけないし、出すために済州島に来ている」とDF安田理大は語っていた。
彼だけではなく、全ての選手が同じ思いでキャンプを送ったに違いない。その思いが、激しいぶつかり合いや声掛けに表れていた。
高まったモチベーションをどのようなプレーで魅せてくれるのだろうか。
スタジアムで確かめたい。

同じような戦術を用いる対戦相手、約一か月半ぶりの公式戦、上位につけているリーグ戦の残り試合…。
内容にこだわる理由はいくらでもある。
ピッチに立った選手たちから、それらを感じてみたい。
キックオフは13時である。

サッカーに絶対はない。
強豪と言われたチームでも7失点を喫することもある。
でも、求めるものが結果以外にあることも真剣勝負だからこそあるのも事実。
立場によって試合に求めるものは千差万別ではあるが、プレー一つひとつに一喜一憂するのは同じである。
選手もサポーターも同じプレーをしているのである。
サッカーは、いかなる人をも感動させる魅力があるスポーツなのである。

以上

2014.07.12 Reported by サカクラゲン
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