最終ラインを高く設定したコンパクトな守備と、前線からのプレスで主導権を握るというアグレッシブなサッカーを目指す大分。田坂体制4年目を迎え、成熟度は高まっているかに思われたが、攻守の歯車が噛み合わず、上位進出のきっかけをつかめないでいる。
今節の千葉戦も、早い時間帯に失点する負けパターンが出た。高木和道が「どこかで、これでいいという思いがあるのかもしれない」と振り返ったように、前線からのプレスに鋭さも怖さもなく、相手に簡単にパスを回された。開始4分に田中佑昌の右クロスを森本貴幸に合わされ先制点を許す。ゴール欠乏症の大分にとって先制点は痛手で、前半のうちに何とか同点に追い付こうとパスをつなぎ好機を作ろうとするが、パスミスで攻守が入れ替わり全くリズムが生まれなかった。
ハーフタイムに田坂和昭監督が、「攻撃はもっと強気に後ろより前、横より縦にパスを入れよう」と送り出すも、またも開始早々の2分に失点しリードが広がった。もともと攻め勝つというチームではないだけに、2点リードは致命的。56分に風間宏矢の得点で点差を縮めるも、前掛かりになったところをカウンターでつかれ点差は広がった。
「自分たちからバランスを崩し、防げる場面も失点している」。
高木の言葉通り、得点力不足を補おうと攻撃ばかり目が行き、生命線であった守備に綻びが生じ攻守でバランスを崩した。得点が奪えず、失点するから試合運びも安定しない。勝てないことでプレーが萎縮し、積極的な動き出しが減り、攻め手が単調になるという負の連鎖。この試合を含め、未勝利が続いた4試合はそんな状況だ。「得点力不足と言われているのに失点が多いのは問題。守備の建て直しが必要」と田坂監督。まずは失点を抑えることが、今のチームに必要と言える。
4得点で連敗を止めた千葉は、いい雰囲気で関塚隆新監督にバトンを渡すことになった。監督交代がカンフル剤となり、切り替えや球際に対する意識の高さが顕著に出たのが66分の得点。自陣でボールを奪った山中亮輔が素早くサイドに展開し、田中のパスをケンペスが流し込んだ。斉藤和夫監督代行は「後半戦に向けて選手が相手より、ひとつふたつ先を考えてプレーできるようになると攻守の切り替えなど言われなくてもできると思う」と手応えを口にした。
今節は9試合ぶりに先発した森本が2得点と結果を出し、怪我の谷澤達也に代わって先発した田中も3得点に絡む活躍をみせた。新監督の下ではじまるチーム内の先発争いも高いレベルのものとなりそうだ。個々の責任感や球際の厳しさを土台に後半戦は巻き返しを期す。
以上
2014.07.06 Reported by 柚野真也
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