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【J2日記】千葉:『敵将』が見ていた千葉の姿(14.07.04)

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(C)赤沼圭子

7月2日、就任記者会見での関塚隆監督。質疑応答では質問した記者の顔を見ながら答え、フォトセッションではカメラマンのリクエストに笑顔で応じた

クラブから関塚隆監督就任が発表された翌日の7月2日、千葉のクラブハウスで記者会見が行われた。鈴木淳前監督も、新潟を率いていた時はもちろん千葉にとって敵将ではあった。だが、関塚隆監督が率いていた時の川崎Fと千葉は1点を争う激戦を繰り広げたことが多いこともあって、正直、筆者には関塚監督は特に『敵将』という印象が強い一人だ。

千葉と川崎Fとの激戦の最たるものが2006年のヤマザキナビスコカップ準決勝だろう。川崎Fのホームゲームの9月3日の準決勝第1戦は、千葉が阿部勇樹、羽生直剛、川崎Fが我那覇和樹といった日本代表選手が不在の中での戦い。千葉が75分、79分の連続得点で2−1と逆転しながらも89分に失点して2−2の引き分け。
千葉のホームゲームの9月20日の準決勝第2戦は、攻守に気迫あふれるプレーを見せた千葉が前半に2点を奪って優位に立ったものの、後半の川崎Fの反撃を抑えきれずに2失点して90分では決着がつかなかった。延長戦でも川崎Fが押し気味だったが、延長後半アディショナルタイム突入寸前に川崎Fのハンドで得たPKを阿部が決めて千葉が勝利を収め、決勝で鹿島に2−0で勝った千葉はヤマザキナビスコカップ連覇を果たした。

ヤマザキナビスコカップ準決勝での関塚監督の千葉に対するコメントを振り返ると、第1戦終了後は先制した前半にチャンスを多く作りながらも追加点を取れなかったことについて「ジェフ(千葉)さんも最後まで頑張った。そこは見習って続けたいと思います」と話し、第2戦終了後の会見では「千葉も力のあるチームですから」「千葉は試合巧者というか、(そのせいで)我々が警戒していた以上に(川崎Fは)試合の入り方が悪くて浮き足立ったところもあると思います」という言葉が出ていた。最後まで体を張って頑張り、試合巧者のような戦い方もできる。それは当時の千葉の強みだった。

だが、近年の千葉は不格好でも泥臭く最後までボールに執着するプレーや、相手の勢いをうまくいなして自分たちに有利になるような賢い試合運びがなかなかできていないと思う。J2リーグの対戦相手からは「選手個々の能力が高くて技術のあるチーム」というような千葉への褒め言葉も聞かれるが、最近ではそれには『褒め殺し』のような意味合い、さらには千葉がなかなかJ1昇格を果たせていないことから皮肉交じりの意味合いさえも感じられてしまうのは、少し自虐的すぎるだろうか。
2009年、千葉のJ2降格が事実上決まった試合の対戦相手は、関塚監督が率いていた川崎Fだった。勝たなければ16位以下確定となる千葉は、前半に先制点を取ったが、後半に逆転された。88分に追いついたものの、89分の失点で2−3の敗戦。その試合後に関塚監督は「千葉は最後まで得点、勝ちにくる姿勢は素晴らしかったですし、J1で一緒に戦った仲間として、悔しいと思いますが、次に向かって進んでいってもらえればと思います」と話した。その関塚監督が指揮官として千葉の一員となり、J1昇格を目指すことになるのだから、サッカーの世界はおもしろい。

7月2日の記者会見で関塚隆監督は千葉の印象を聞かれ、あくまでも外部から見た印象として「J2でも技術の高いサッカーをやっていると思います」と話したあとで、川崎Fでの監督時代や鹿島でのコーチ時代の対戦時と比較して「(当時の千葉の)あのアグレッシブさと勝負強さが今、チームにはもう一つ欠けているんじゃないかなと思っています」と答えた。さらに今季ここまでの強みについて質問されると、「非常にボールを支配しながらゴール前までは行っていると思います。これは日本のサッカーの特徴と同じで、中盤戦では勝てても、結局ゴール前で守る・点を取るというところで、それがどう結果として表われているのか。そのへんのところはやはり上積みしなければいけない部分ではないかなと、大きなイメージとしてはそう思っています」と話した。
関塚監督との過去の対戦時と比べると、現在の千葉は選手がかなり入れ替わっている。だが、関塚監督には対戦時に感じていた千葉の長所を復活させ、対戦相手が嫌がる戦いができる手強いチームにしていただきたい。

以上

関塚監督就任会見レポート(千葉リリース)

2014.07.04 Reported by 赤沼圭子
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