またもシンプルに手数をかけず攻め込むタイプのチームに大量失点した。敗因も同じだ。決めるべき場面で得点できず勝機を逃す。開幕から抱える大分の課題は、いまだ改善できずにいる。ただ、得点にばかり目を向けるとネガティブにならざるを得ないが、シュートまでの形をみると「主導権を握って速攻と遅攻の使い分けができ成長を感じる。あとは、最後のパワー、踏ん張り」(田坂和昭監督)である。一夕一朝に解決できない問題ではあるが、地道に練習を続けていくしかない。
その平坦で長い道のりにアクセントを加えようと、今週火曜日に新たなフィジカルコーチを招いた。シーズン途中、しかも夏場を迎えようとするこの時期にルーティンワークを変えるメリットもあれば、デメリットもある。「個々のパワーを上げるために先を見据えてのこと。やるからには、みんなが同じ方向に向わなければならない」と田坂監督は前向きに捉えた。早速、新たな試みとして2部練を2日続けて敢行するなど新フィジカルコーチの色が出た。刺激となるか、疲労となるかは判断しかねるところだが、チームが変わろうとしていることは確かだ。さらに、金曜日には5年間チームに在籍していたチェ ジョンハンの退団が決まった。ここまでチームトップの得点を挙げ、前線のカンフル剤となっていただけに、戦力ダウンは免れない。チームに起きた2つの急激な変化が、いかなる化学反応をもたらすのか、楽しみであり、不安でもある。
ただ、今節はクラブの「20周年記念試合」であり大分県民DAYと多くの来場者が見込める試合だ。「どんな状況でも僕らは戦わなければいけない。多くの方がゴールシーンを見たいだろうし、失点シーンは見たくないと思う」と高木和道が全選手の思いを代弁したように、選手はピッチで勝利のためだけにプレーするはずだ。
対する愛媛は3連敗中ではあるが、攻守がかみ合いはじめている。チームとしての戦い方も明確で、最終ラインからしっかりビルドアップし、固定されつつある前線の河原和寿、西田剛、堀米勇輝の3人が連動して、攻撃を引っ張っている。「キレイなサッカーをするチーム」とは伊藤大介の愛媛の印象だが、確かに中盤を排除したプレーは少なく、ボールを大事に運ぶ。
しかし、このキレイさは諸刃の剣であることも確かだ。パスで崩すことに陶酔し、根本的な球際やルーズボールへの意識が薄れていることも確かだ。前節の岡山戦は前半で3点リードしたのは、まさにそれ。試合後の会見で石丸清隆監督は「僕は精神論があまり好きじゃない」と話した上で、「選手だけの問題でなく僕が勝つためのメンタリティを作らなければならないし、来週は戦えるメンバーで臨みたい。気持ちを出して、しっかり走れる、戦えるチームにもう一度していきたいと思う」と、今節を仕切り直しの試合として気持ちを前面に出してくるだろう。
ありきたりな言葉になってしまうが、勝ちたい思いの強いチームに勝利がやってくる。アグレッシブな姿勢がぶつかり合う試合が期待される。
以上
2014.06.20 Reported by 柚野真也
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