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【J2:第18節 東京V vs 福岡】レポート:セットプレーだけで4失点の東京V。最後までアグレッシブにゴール目指した福岡に大敗(14.06.15)

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あまりにも衝撃的だった。東京Vは、第5節・長崎戦で5失点を喫して以後、12試合は、失点したとしても1点以下に抑えてきた。しかし、13試合目にして喫した複数失点は、今季2度目の5失点。着実に自信をつけつつあった守備力に、再び強烈な形で問題を突きつけられたのだった。

「入りは、よかった」(鈴木惇)。ここ3試合無得点が続いていることもあり、チーム全体がとにかく「先制点」を重要視する中、これまでボランチとして起用されていたニウドが、その攻撃性をより生かすため右サイドで初の先発となり、存在感を示した。また、FW菅嶋弘希、ボランチの田村直也のミドルなど、積極的にシュートを放ち、得点意欲を示していた。攻撃をシュートで終わらせることで、少しずつ流れを手繰り寄せつつあるかにも思えた。
だが、こうした雰囲気を一変させてしまう力を持っているのがセットプレーである。前半19分、痛恨の場面が待っていた。福岡・武田英二郎からのCKに対し、GK佐藤優也とDFが重なってしまい、GKがキャッチしきれず弾いたボールを、最後は城後寿が右足で押し込んだ。「シーズンの最初の頃は、セットプレーからの失点がすごく多かったけど、最近はほとんどなかった」(田中貴大)はずが、1本目のCKから失点を喫してしまった。

チームの現状を考えると、2点を取らなければ勝利できない展開は非常に厳しいとはいえ、この試合からベンチにはFW平本一樹が復帰していた。得点力が増す可能性は十分あっただけに、この1失点で意気消沈することはなかった。実際、平本も、「1点取られたあとから、メラメラした気持ちで試合を見ていた」。出場意欲を一層増し、気合いを高めていたと語っている。その意味でも、最も痛かったのが2失点目ではないだろうか。
前半22分、東京VのDFのパスミスを奪っての、城後からのカウンターだった。パスを受けた金森健志がキープしながらペナルティエリア中央へ侵入し、DF3人を引きつけ、おかげでフリーになっていた酒井宣福へパス。これを右足できっちりと決めた。1点目からわずか3分後という時間的にも、セットプレーからではなく流れからという形的にも、東京Vが受けたダメージは実に大きかったはずだ。逆に、福岡にとっても相手のミスを見逃さず「隙を突けたことがよかった」(堤俊輔)。また、1点目の自身のゴールと合わせ、3試合ぶりの出場となった城後が起点となったということで、チームが盛り上がる価値ある得点だったに違いない。

さらに同37分には、中原秀人の直接FKから金森のヘッド、そして同39分オウンゴール、後半5分の酒井のヘッドはいずれもCKからと、東京Vにとってはセットプレーを与えるごとに次々と失点を重ね、気づけば今季最多タイの5失点の苦杯をなめることとなってしまった。

全5失点中4点がセットプレーということを、いかに受け止めるか。「失点の数は多くてはいけない」と平本が語るように、「5失点」という数の多さは言うまでもまく問題だ。ただ、あえてプラスに捉えるとすれば、これまで1失点以下を続けてきた守備網が、すべて崩れたわけではないということではないだろうか。「やられたのがセットプレーだから、何を修正すべきかははっきりしている」と、田村直也は前を向く。もちろん、セットプレーの守備そのものの再確認は最も早急に着手しなければならない重要な課題である。同時に、「相手にセットプレーを与える場面を減らせばいいところもある」とも田村は力説する。多角度から改善方法を探り、二度と同じ轍は踏まないようにしていければ、この大敗も未来への成長の糧となるはずだ。

福岡も、得点力を1つの課題としていただけに、この5得点大勝は今後への大きな弾みとなっただろう。複数得点は5試合ぶり、3得点以上となると第4節・磐田戦以来。日頃の練習からセットプレーを人一倍重要視しているプシュニク監督にとっては、セットプレーでの4ゴールは手応えを感じたに違いない。「本当にうれしい」と、素直に喜んだ。
「攻撃的なサッカーを持ち味にしている」と酒井が示すように、早い時間に先制しても決して引くことなく、「チーム全体が落ち着いてプレーし、2点目、3点目を取りに行ってくれたことが、この結果となった(堤俊輔)」ことは間違いない。もっと言えば、5点リードしても、石津大介、平井将生、森村昂太という交代で入った選手たちを筆頭に、最後の最後まで次の1点を追い求めていた。

「チームの戦術、個人の技術、メンタル、11人のまとまり、全てで相手を下回っていたと思います」と、東京V・鈴木惇が唇を噛み締めた一方で、プシュニク監督が語った「ハードにプレッシングをかけ、シンプルにボールを回し、後ろで回しながらもサイドチェンジをしたり、シンプルにクロスを上げられた。セットプレーは素晴らしいの一言。我々は、今日の試合に勝つべくして勝った」との言葉を聞けば、点差はともかく、この勝敗は結果通りだったことは明確だろう。

以上


2014.06.15 Reported by 上岡真里江
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