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【J2日記】熊本:赤のれん(14.06.10)

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(C)井芹貴志

クロスバーにセットされた「赤のれん」

(C)井芹貴志

近い場所から狙う際に、このゾーンをイメージ。GKにとっては「ここ狙ってくる」とわかっていても難しいコースですよね?

いきなり何のことかと思われるかもしれませんが、今季から練習で使われている秘密兵器のこと。
クラブ発足から10年目を迎え、クラブハウスとして使える施設(スポーツ交流館)が建てられたり、県民総合運動公園のサッカー場を優先的に使えるようになったり(なので、あくまで“専用練習場”ではありません)、と練習環境はずいぶん改善されました。しかし、それでも潤沢な資金を持つクラブではないわけで、現場では様々な工夫が取り入れられています。
たとえば、密集からのシュートを受ける場面に備え、予めブラインドを作って突然ボールが視界に入ってくるように、ポールと黒いゴミ袋を使って加藤竜二GKコーチらが製作した「見えない君」(命名:松本純一フィジカルコーチ)もその1つ。そして今回紹介する「赤のれん」も、そうしたスタッフ陣の手によるもの。その名の通りの、のれん状の赤いシートです。

使い方は至って簡単。ゴールマウスの角に巻き付けるだけ。ただ、普通ののれんと違うのは、ポスト側の方が長く、クロスバーの中程へいくに従って短くなるよう、段差が設けてあること。つまりゴールの上隅に三角形のゾーンができることになります。
狙いとしてはGKの守備範囲を広げるため、ではなく、シュートを打つ選手にこのゾーンを狙うことを意識させるため。しかし、ボックス外の遠目からのシュートや中央付近からあえてこのゾーンを狙うことを奨励しているわけではなく、5.5mのゴールエリア付近まで持ち込んだケースに限って、ゴールの上隅、つまりニア上を狙うことを意図している様子。
シュートのイメージを数多くインプットして選択の引き出しを増やすのは、得点の可能性を高めることに繋がります。このほかにも、シュート精度の向上に関しては小野剛監督がいろいろなシチュエーションを作って取り組む時間を設けていて、選手たちの中にも複数のシュートパターンが蓄積されていることは確かなようです。

ミニゲームやセットプレーのトレーニングでも、6〜7人のチーム分けをして常に得点を競わせるのも小野監督の練習の特徴。攻守の切り替えをテーマにしたシュートゲームでは、片方のゴールにこの「赤のれん」をセットし、「このゾーンに入ったら2点」「GKまで崩したら2点」といったローカルルールを設けていることもあって(そして負けたチームにはささやかな罰ゲームが用意されていることもあって)、練習も必然的に盛り上がる、というサイクルができているわけですね。

今のところ、この形で決まった得点はまだありませんが、ニア上ずどん!のシュートが決まったら、間違いなくこのトレーニングの成果だと思っていいでしょう。

以上

2014.06.10 Reported by 井芹貴志
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