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【ヤマザキナビスコカップ 鹿島 vs 清水】プレビュー:他会場の動向で様々な思惑が交錯する大混戦GROUP Aの最終節。順当に清水が勝ち抜けるか、それとも鹿島が大逆転で決勝トーナメント進出を決めるか?(14.06.01)

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GROUP Aが大混戦だ。現在、首位なのはG大阪(勝点12)。清水、神戸がそれに続き、F東京、鳥栖、鹿島と、最終節を残して7チーム中6チームに予選突破の可能性が残されている。他会場の行方も含め、様々な思惑が交錯する90分となりそうだ。

突破の条件を整理しよう。まず、現在2位の清水は2点差以上で勝利すれば試合のないG大阪を上まわることができるため、他チームの動向に関係なく決勝トーナメント進出を決めることができる。しかし、1点差勝利の場合、神戸が4点差以上の大勝を収めると、勝点12で並ぶものの得失点差で下回るため3位に転落してしまう。引き分けのときは4位のF東京まで、負けのときは6位の鹿島まで順位が入れ替わる可能性があるため、なんとしてでも勝利が欲しいところだ。

それに比べると、現在6位の鹿島はかなり厳しい条件をクリアしなければならない。まず、この試合を3点差以上で勝利することが必須だ。さらに、神戸対仙台で仙台が勝利、F東京対鳥栖が引き分け、もしくは鳥栖が勝利した場合、鳥栖よりも2点多く得点を決めて勝利することで、ようやく2位に滑り込むことができる。5月の公式戦6試合で4点しか奪えていないチームにとっては、本当に厳しい条件が突きつけられた。

3点以上というゴール数をクリアするには、早い時間での得点があれば大きな助けとなるだろう。しかし、前節は先制点を狙いにいったことで序盤から打ち合いとなり、先に失点したことで試合展開を難しくしてしまった。中3日の連戦では、前節の問題点を消化する時間もない。同じような戦い方はリスクが大きいと思われる。
今季、両チームはリーグ第10節で対戦済み。そのときも、お互いのゴール前を激しく行き交う展開となり、結果的には鹿島が勝利したものの、どちらに転んでもおかしくない内容だった。
これまで鹿島は、技術に長けた選手が多いだけでなく、試合のペースを見極めながらチーム全体が同じ意図を持って戦うことで、相手を上まわってきた。しかし、急激な若返りによって勢いはついたが、その長所が薄れつつある。両SBの攻めあがりを基本とする鹿島は、ワイドのポジションに選手を配置する清水との相性は悪く、速い展開の試合を得意とするのも清水。ゲームプランの検討には慎重を期する必要があるだろう。

しかし、5月の公式戦を1勝5敗で終えたことに選手は屈辱を感じている。前半戦最後の試合を勝利で終え、後半戦に繋げたいという思いは強い。
「あと1試合、個人的には良い意味で自分勝手にやれればと思う」
そう息巻いたのは土居聖真。毎試合のように監督から強い口調で奮起を促される28番だったが、今回ばかりは何も言われなかったそうだ。「怒りを通り越しているのかもしれません」と危機感は強い。
「繋ぎ役として、後ろに下がって前線にパスを供給しても取られてしまうなら、自分でドリブルで突っ込んでいこうと思う。そこが足りないから監督にも言われるんだと思います」
土居以外の選手も、それぞれに胸に秘めた思いがあるはずだ。

以上

2014.05.31 Reported by 田中滋
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