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【ヤマザキナビスコカップ 鹿島 vs 神戸】レポート:全員が一致団結して戦った神戸が会心の勝利!2連敗からの3連勝で決勝トーナメント進出へ望みを繋ぐ!(14.05.29)

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シュート17本を放っても神戸のゴールネットが揺れることは一度もなかった。会心のゴールが決まるたびに派手なガッツポーズを繰り返す安達亮監督と、シュートが外れるあとにガックリ膝をつくトニーニョ・セレーゾ監督の姿はとても対照的だった。

神戸にとっては会心の勝利と言えるだろう。リーグ序盤の快進撃を支えたマルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、シンプリシオのブラジル人トリオを欠き、さらには小川慶治朗もいない布陣。厳しい戦いも予想されたなかでチーム全員が一致団結して戦い、勝利をもぎ取った。
試合は序盤から神戸のペースだった。鹿島は「今日は立ち上がりの20分で圧力をかけて1点を取りにいこうと指示を出しました」というセレーゾ監督の指示を受け、勢いよく攻撃に出ていたがバランスを保っていたのは神戸。相手のボールを奪うとすばやく速攻を繰り出し、森岡亮太、杉浦恭平が立て続けに決定機を迎える。
すると9分、植田直通が小笠原満男に不用意に預けたパスを複数人で囲んで奪い返し、逆サイドへフリーで走り込んでいた杉浦に展開すると、これを杉浦が落ち着いて流し込み、鹿島の出鼻をくじく先制点を奪った。

その後は鹿島が猛攻を仕掛ける。「先制したあとは、前半はかなり鹿島にボールを動かされてほとんど自陣で守備で耐えるだけの時間帯が長かった」と神戸の安達監督が振り返るとおり、神戸は自陣に釘付けになった。しかし、序盤に2度も遠藤康のシュートを阻んだ山本海人を中心とした神戸守備陣の集中力は高く、鹿島の攻撃もワンパターンになりがちで神戸のゴール前を崩すまでには至らなかった。

後半、鹿島は遠藤とカイオに代えて豊川雄太と野沢拓也を投入し、攻撃の活性化をはかる。サイドに開きがちな前者と違い、互いに近い距離でプレーする2人はいきなりチャンスをつくった。しかし57分、ドリブルでつっかけた野沢が倒されるもファウルを取ってもらえず、逆にカウンターを受けたところであっさり2点目を神戸に許し、スタジアムには冷たい空気が漂うようになった。
その後、75分にも橋本英郎にフリーでシュートを許し、曽ヶ端準の手を弾いたボールがゴールに吸い込まれ神戸が3点目。思わぬ大差が付く試合となった。

これまで出場機会に恵まれなかった選手が「いままでの自分たちが試合に出られなかった鬱憤を晴らすかのように活躍してくれた」(安達監督)という神戸。チームには良いサイクルが生まれている。ヤマザキナビスコカップは2連敗からのスタートだったが、これで3連勝。最終節、清水の結果次第では、勝利すれば決勝トーナメント進出も夢ではない。仙台とのホームゲーム(6/1@ノエスタ)にすべてを賭けることになる。

鹿島はこれで3敗目。なんとか突破の可能性は残しているが、大量得点を奪って清水を下し、さらに神戸が敗れ、F東京が引き分け以下、鳥栖が勝った場合はそれを上回る得失点差、といういくつもの条件をクリアしなければいけない。05年以来の予選リーグ敗退が近づいてしまった。

以上

2014.05.29 Reported by 田中滋
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