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【ヤマザキナビスコカップ 徳島 vs 大宮】レポート:両者が意地を見せ、スタジアムも盛り上がった一戦。しかし成長へ繋がる戦いとしてはどちらも物足りなかった(14.05.29)

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勝負はドローに終わった。徳島が52分に濱田武の狙い澄ました直接FKで先制すれば、大宮も終了間際に菊地光将がCKからのこぼれ球を押し込む執念の同点弾。試合はどちらも意地を見せて譲らず、結局1-1のままタイムアップの笛を迎えることとなった。

また決着こそしなかったものの、このゲームはスタジアムを大いに盛り上げたと言えよう。ホーム徳島が先制したことに加え、終盤には大宮の仕掛ける猛攻を徳島が必死に耐えてギリギリのところで凌いでいく展開。結果的に追い付かれはしたが、GK川浪吾郎の連続ファインセーブ、ポストやバーに救われる場面などもあったことから徳島のホームサポーターは相当のハラハラドキドキ感を味わっていたし、あと一歩の場面が何度も続いたことで大宮サポーターたちもかなりの興奮を感じていたに違いない。

しかし、である。決して勝敗や熱い展開が二の次というわけではないが、徳島も大宮もこの一戦で重視していたのは今後の成長へ繋がる戦いが出来るかどうかではなかっただろうか。そしてその観点から見れば、両チームの見せた内容は少々首をひねらざるを得ないもの。その部分においては物足りなかったのが正直なところだ。

まず徳島に関して言うと、攻撃に仕上げの精度追求や積極的なチャレンジなどがほとんど見られなかった。事実、15分に宮崎光平がサイドでフリーになってボールを受けながら中央へのクロスを大宮守備陣に難なくクリアされてしまうと、続く24分にも今度は衛藤裕が同じようなシチュエーションからイージーに大宮DFへぶつけてしまう。さらに32分のカウンター場面では、ボールを奪ったところから斉藤大介がドリブルのスピードを上げて前進するも周囲はそれに反応せず。前方にいた高崎寛之らがスルーパスを受けようと位置取りした以外、思い切って後ろから追い越すような動きは残念ながらチームに出てこなかった。
そのうえ後半は守備にも甘さが垣間見えるようになる。相手を引き込んで守るというのが徳島のやり方ではあるが、持たせているとは言えボールへのアプローチには厳しさがあまり感じられなかったし、以前からの課題である全員がボールウォッチャーになってしまう悪い癖も再び発生。実際に失点場面では決められた菊地の周りに3人ほどがいたにもかかわらず、誰もその菊地へ付いていなかった。
衛藤が「例えば下のボールでくさびを入れるだとか、間に1回付けてサイドに広げるということは、この2試合で多く作ることが出来ていると思います」と話していたように、確かに前進を見せた部分はある。それに個人的なところで、GKの川浪が冒頭でも触れた通りファインセーブを何度も披露し進化の可能性を輝かせていたとも言えるだろう。
ただ、中断期間を挟んだ後に迎えるリーグ後半戦では、とにかく勝点を積み上げていかなければならない。そのことを思うと徳島にはもっともっと妥協なく成長を求める姿勢が必要だ。それだけにヤマザキナビスコカップ最終戦となる次の柏戦(6/1@柏)では、明るい兆しがハッキリ見て取れるようなプレーをチームにぜひ期待したい。

対して大宮についてだが、こちらもリーグ後半戦で巻き返すためにはまだまだ貪欲に向上を目指さなくてはならないはずである。
この一戦では何度もの簡単なパスミスを起こしていた上、徳島の敷いたブロックの中へなかなか入っていけずに攻めが停滞。後半途中に渡邉大剛が投入されてからはリズムに変化も付き始めていい形を作れるようになり、パワープレーに出た終盤には徳島ゴールを脅かす迫力も出せたが、それでもゲーム全体としては課題の方が多かったというのが正しい見方であろう。

いずれにしろ大宮も最終節の新潟戦(6/1@NACK)では、この一戦よりもしっかり今後へ繋がるゲームをしなければいけない。そこでの選手たちの変化に今から注目が集まる。

以上

2014.05.29 Reported by 松下英樹
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