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【J2:第15節 京都 vs 群馬】レポート:これまでの反省を生かした群馬が快勝。逆に京都はこれまでのサッカーが薄くなる(14.05.25)

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第15節、京都と群馬の一戦は、終盤に3点奪った群馬が快勝した。
群馬は、これまでの3バックだと両サイドが下がり中盤への圧力が弱くなると分析し4バックを採用。京都は、フォーメーションはそのままに横谷繁に代わり山瀬功治を起用した。立ち上がりに群馬がシュートを放つも、試合はなかなか動かなかった。しっかりと守る群馬に京都はボールを前に運べない。30分過ぎに山瀬がドリブルから、三平和司がミドルレンジからシュートを放つと、京都はボールが回り始める。

後半に入ると互いに攻撃姿勢が強くなる。後半早々に群馬が右からクロスを入れて裏で合わせようとするも京都・工藤浩平が阻止。京都は、わき腹を痛めて退場した三平に代わり入った駒井善成が相手の隙間に入り仕掛ける。49分にはドリブルから大黒将志のシュートをおぜん立て、53分にも石櫃洋祐のシュートを演出した。群馬も51分に野崎桂太が京都ゴール前でシュートを放つ。
互いにゴール前へ迫るシーンが増えた中、66分、群馬がスコアを動かす。右サイドで一旦押し込むと大きく左サイドへ。これを受けた瀬川和樹が一人かわし抜けだすと強烈シュート。京都GKが弾きだすも逆サイドにこぼれたボールは群馬・小林竜樹の足下へ。小林が中へ一つ持ちだしDFをかわすと、逆サイドへシュートを放つ。ボールはGKの手を弾き京都ゴールへ吸い込まれた。群馬が先制する。
その5分後、群馬が追加点。中盤でパスカットされた京都、群馬は前線の青木孝太へ送るもこぼれる。しかし、前線にいたもう一人、ダニエル ロビーニョがこれを持ち直しシュート。GKがはじいたところを青木が頭で押し込んで2点目。2−0とリードを広げる。
さらに3分後には群馬は右サイドのスローインから大津耀誠が持ち込み京都ゴールへと攻め立てる。そして77分、京都の最終ラインは、ダニエル ロビーニョをフリーにしてしまい、瀬川からパスを受けたダニエル ロビーニョにこれを難なく決められる。3点を許した京都、前節の大量失点の悪夢を振り払いたかったがまたも失点を重ねて敗戦となった。

試合後、群馬・秋葉忠宏監督は、これまでの逆転負けの反省を改善し、それを選手が理解して表現してくれたことを高く評価し、自信につなげたいと語った。守備意識の高さは前線のダニエル ロビーニョの粘り強い守備を見ても、浸透していると感じさせた。

京都は前節に続いて連続の大量失点となった。個人的には全体的な原点回帰は必要だと感じた。こちらが良いと思ったプレーを抜きだしてみる。手もとのメモなので細かな違いはあるかも知れないがご容赦を。27分、左サイド中山博貴がボール保持し、それを比嘉祐介が追い越し受ける。さらに山瀬がその前のスペースへ走り込む。ボールがスムーズに前に運ばれた。43分、左サイド比嘉のボール保持、山瀬が開いて下がり、その前のスペースへ大黒が走り出し、比嘉のパス。大黒が中へ落とすと前へ走り出した山瀬が受けてドリブル。45分、左サイド、比嘉が持つと山瀬がその前のスペースへ走り出す。山瀬の走り出しで出来た中央のスペースに中山が顔を出す。比嘉から中山へ、比嘉はそのまま前のスペースへ。中山から比嘉へ送られる。左サイドをメモしていたのはこのサイドでボールが前へ運ばれることがほとんどなかったので注意してみていたため。

後半、59分に相手陣内右サイドで工藤浩平が相手ボールを奪うと、大黒が走り出す。工藤は大黒へ出さず遅攻を選択。そして、自分の前のスペースへボールをちょっと送る。そこへ駒井が駆けつけてドリブルへ。61分、左サイドの山瀬が右サイドの駒井へ大きな展開。駒井へのパスが通りそうな時、工藤が駒井の中央側のスペースへ駈け出す。駒井はトラップからドリブルで仕掛ける。後半の工藤のスペースを見つける感覚とプレーは評価したい。

京都のハーフタイムコメントに「オーバーラップ」とあるが、それは有効だと思った。以前にもプレビューで「縦の走り出し」について言及したことがあったが、意図は同じ。要は、スペースを見つけての動き出し、或いは、相手のマークを引きつけてどうスペースを作るか、だろう。
これを実践しようと思ったら全体をコンパクトにする必要がある。だから、ラインが高くなる。でも、今は守備のためにラインを高くしている印象。他にも、少し前までは比嘉は大黒のすぐそばまで現れてプレーしていたが、今はその数が減った。開幕から2、3節後くらいには、相手ゴールライン際まで人が飛び出し、プレーすることで相手の注意がボールに集まり大黒のマークもずれてくる場面もあった。大黒に頼らず全員で攻撃しなくてはという雰囲気があった。でも今は、大黒に合わせることが最優先になったという感じだ。

勝利を増やし自信をつけていたと思うが、実は、ボールを運ぶためにどんな意図を持たなくてはならないか半解の状態だったのではないか。だから大黒が点を取れば大黒に合わせ、ラインも高くなって、それで相手を封じ込められれば、ラインコントロールに意識を集中する。決してそれらは悪いことではない、が、それが全てでも決してない。これを元に戻すために、もう一度原点回帰が必要では、ということだ。

一見遠回りのようだが、また元に戻れば、自分たちのサッカーの要点への理解が深まるのではないかと思っている。数節前はできていたことなのだから、出来るはずであるし、そう信じたい。

以上

2014.05.25 Reported by 武田賢宗
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