今日の試合速報

ACLE
ACLE

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第14節 F東京 vs G大阪】レポート:F東京がG大阪に3発快勝。その陰に隠れたある一場面(14.05.18)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
勝敗は、開始3分で決した。唖然とするG大阪の選手たちを横目に、F東京はわずかな時間で歓喜の輪を2度つくることに成功した。

キックオフ直後、電光掲示板の時計は、まだ30秒を刻もうとしていたあたりだ。F東京はスローインをつなぎ、武藤嘉紀が河野広貴へとパスを送る。ボールを受けた河野は、ペナルティーエリア内へと侵入。相手DFを引きつけて中央へとパスを出すと、走り込んだエドゥーが右足で合わせて先制点を挙げた。
だが、これで終わらない。左サイドのタッチライン際で武藤と河野がパス交換でG大阪を出し抜く。河野のヒールパスに抜け出した武藤は、中央へとカットイン。「フリーのエドゥーは見えていた」が、迷わず右足を振った。そのシュートは、ニアサイドを抜いてリードを広げた。

G大阪はその後、平静を取り戻したが、遠藤保仁は「初めから2点をプレゼントしている状態だった」と唇を噛んだ。長谷川健太監督も「立ち上がりの2失点がすべてだった」と敗因に挙げている。
G大阪はワンタッチ、ツータッチの細かなパス回しで1枚1枚DFを剥がす展開に持ち込んだ。だが、このビルドアップに対して、F東京もすぐに手を打った。中盤の形を3枚から4枚に変化させる。武藤を左サイド、米本拓司を右サイドに配置し、高橋秀人、三田啓貴をドイスボランチに。システムを4−4−1−1にし、中盤の横幅を4人でカバーさせ、スペースを消した。攻撃力は落ちるものの、守備はより強固になり、試合を膠着させることに成功す る。G大阪はパスをつなぐものの、互いにフィニッシュの形を見出せないまま時間が刻々と進んだ。
G大阪の最大の好機は30分、右CKを西野貴治が頭で合わせる。ボールはゴールへと向かったが、ラインを割る寸前で太田宏介が頭でクリアした。

後半に入り、G大阪は二川孝広を入れ、反撃に出る。しかし、F東京は52分、G大阪の攻め気を削ぐように高い位置からプレスを仕掛けてボールを奪うと、エドゥーにボールを預けた。すると、エドゥーはエリア外から左足を振り抜き、ゴールネットを豪快に揺らした。3点差をつけたF東京は、G大阪の攻撃を防ぎ、試合をクローズさせた。そのまま3−0と危なげない勝利を収めた。

権田修一は「ボールを保持するチームが嫌がることができた。常にファーストDFがボールホルダーにアプローチして、ゴール前では身体を張ることができた。先にリードを奪うと、なりがちな展開にはならなかった」と言う。
試合後、マッシモ・フィッカデンティ監督は、この試合の重要な場面としてあるワンシーンを切り取った。それがG大阪の最大の好機であったCKの場面だ。
チームの成長を語る上で指揮官は今季、何度も使い続けている言葉がある。イタリア語で「上達、改善」を指す「Migliorare」という単語だ。まさに、それが結果に反映された形だ。太田は4月29日の名古屋戦で相手CKの際、ゴールのカバーを離れ、そこを抜かれた。その反省を生かし、この日はゴールライン際で太田がしっかりとカバーしていたのだ。無得点が続いたここ4戦の反省を生かして決定機を確実に得点に結びつけた点も同様だ。指揮官は頬を緩めて言った。
「ミスは起こりえる。だが、その反省を生かして選手は成長していく。コースケ(太田)はまさに、そうした過去のミスを改善し、成長を示してくれた」

ブラジルW杯に出場する日本代表4選手が耳目を集めた一方で、そうした小さなエピソードが存在した。そして、そうした物語の集合が、大きなエピソードを形作っていくのだろう。この日の勝利はF東京の成長記録をうかがい知る上でも重要な勝利だと言って良いはずだ。

以上

2014.05.18 Reported by 馬場康平
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/11/25(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J3リーグ全ゴールまとめ【1124】