前節、首位を快調にひた走る湘南に善戦した(1●2)阪倉トチギが、ホームに戻りどんなサッカーを披露するのか。サポーターの期待は膨らみ過ぎるほど膨らんでいたが、岡山を迎えた今節の勝敗は開始19分でついてしまった。“ホームでも強い栃木”。前々節の札幌戦(2○1)でその足掛かりを掴んだはずが、この一戦でそれをあっさりと手放し、今季初となるまさかの連敗を喫した。その事実を受け入れるのに時間を要したことで、栃木側のスタンドは試合後、静寂に包まれた。
序盤こそ互いに長いボールを蹴り合う展開が続いたが、ややそれが収まり始めると栃木がボールを持つ時間が増えた。しかし、「相手にプレッシャーを掛けられた時に、裏に蹴るのか、足元に入れるのか、最終ラインとFWで意思疎通ができていなかった」とは赤井秀行。前と後ろの連係が図れなかったことが災いし、安易なボールロストから岡山にカウンターを食らうシーンが目に付くようになる。それにより、栃木はリズムが狂い、逆に岡山は波に乗った。
試合が動いたのは19分。自陣からのロングボールを最前線の清水慎太郎が競り落とし、その背後に構えていた片山瑛一が右足を振り抜き、岡山が先行した。前節の敗因がロングボールの対応だった栃木としては、またしても同じミスを繰り返してしまったことになる。この1点が後々まで重くのしかかる。失点後も目が醒めない栃木に対し、岡山は得意の堅守速攻の形を何度も繰り出す。DF陣が奮闘し、ポストにも助けられた栃木は、前半終了間際にようやく幾分か盛り返してハーフタイムを迎えた。
後半に向けてネジを巻き直して臨んだはずの栃木だが、自陣に引きこもった岡山は想像以上に堅固だった。西澤代志也、湯澤洋介の投入が奏功し、ゴールに迫る回数は格段に増したものの、78分にエース瀬沼優司に訪れた決定機は後藤圭太にブロックされ、90分に山形辰徳が放ったミドルはGK中林洋次にクリーンキャッチされた。ほぼ一方的に押し込みながらもゴールは遠く、守備の局面の集中力に定評のある岡山の牙城は崩せなかった。
カウンターチャンスがありながらも追加点を奪えなかったことを、岡山の影山雅永監督は改善点に挙げながらも、身長差で劣っても最後まで耐えたこと、「特にこぼれ球のところで集中してよく戦ってくれた」と、虎の子の1点を死守した選手を讃えた。3バックの奮闘はもちろん、その一つ前でボランチの島田譲が何度も何度もセカンドボールを拾ったことが、隠れた勝因だった。一時は出遅れたが、この連戦で3勝2分と挽回した岡山は追撃態勢を整え、上位戦線に殴り込みをかける。
前節は8分、今節は19分と、開始20分以内に先制点を喫している栃木。これが悪癖とならないうちに改善しないと、ズルズル連敗することになりかねない。試合に送り出す指揮官のマネジメントの問題なのか、それとも選手自身の心のスキがあるのか。この現象に関しては、徹底検証が必要だろう。
過密日程を最悪の形で終えたことで、キャプテンの廣瀬浩二は危機感を口にした。
「42試合の中には今日みたいな試合はある。ただ、(不甲斐ない試合は)1試合にしないといけない。そうしなければ、お客さんが観に来なくてもいい、と思ってしまう」
次節のアウェイ長崎戦で立て直しを図り、万全の態勢で熊本をホームで迎え撃ち、岡山戦で失望させたことに報いたい。これ以上、「ホームで勝てなくて悔しい」(西澤)思いはしたくない。
以上
2014.05.12 Reported by 大塚秀毅
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