●曹貴裁監督（湘南）：
「お疲れさまでした。遠い熊本の地にたくさんのサポーターに来ていただき、残念ながら来れなかったサポーターもテレビの前で応援してくださったと思うんですけど、勝点３を届けられて本当によかったと思います。今日は連戦の最後という位置づけで、九州、特に熊本は暑いということと湿度が高いということを聞いていたので、その事前準備も含めて、選手が我々の良さを出すために、回復の仕方も含めて、少し練習の量も今週はわざと上げました。前半、我々に対して真っ向勝負を仕掛けてくる熊本さんの気迫に少し押されて、０−１でスタートしたんですが、こういう言い方が正しいか分からないんですけど、０−０でやるよりも、１点先に食らって逆に割り切ってできたかなという風に思います。前半のうちにリズムを取り戻すための攻撃が必要だったんですけど、失点して10分経ったくらいから、選手が相手の出方を感じて、自分たちの形を変えながらボールを動かせるようになってきたんで、悪い流れじゃないなと思っていました。ただ前半は、ボックスの中での危険な動きが足りなかったので、後半、ペナルティエリアではパスじゃなくてシュートだ、突破だと。そこでやっぱり危険なこと、本当に“（点を）入れるんだ”という気持ちであそこに入って行かないと点なんて生まれないぞという話をしたんですけど、後半の立ち上がりに（菊池）大介がその通りのプレーで入れてくれて、あとはクロスから2点、いい形で取れたと思います。そういうところが変わったというか、前半の積み重ねにプラスαされたことで、３点取れたのかなと思いますし、我々は攻撃姿勢を強くすることで失点を減らしていくチームだと僕自身は思っているので、そういう意味では熊本さんの手強いディフェンスというか、球際の強さなんかも学びながら、次に向かっていけるんじゃないかと思います。試合はあと29試合続きますので、先の10試合目、20試合目を考えるんじゃなくて、次の試合、今度はホームで福岡さんとやりますけど、しっかり休んで、気持ちも身体もリフレッシュさせて、またそこで今日以上の試合ができるように準備していきたいと思います」

Ｑ：交代でどう流れを変えようとされたんでしょうか？
「（藤田）征也と宇佐美は、先発で出たり途中から出たりというスイッチの形が慣れているので、前半の流れでいうと宇佐美も悪くなかったんですけど、征也を入れてもう少し攻撃姿勢を高めたいなというのがありました。（岡田）翔平は点を取った後もベンチにおいて１分も出さないこととかもあって、そういうことも含めてエネルギーを溜めていることが分かっていたので、早めに選んで切ろうと思っていました。最後の島村も同じような理由で、決して守りに入るんではなくて、相手のストロングな所を抑えるのと、我々のストロングを出す、逆に言ったら、相手の後ろから上がってくる力が最後の15分で止まったなという感じだったので左に三竿を回して、シンプルにそこからクロスを入れていこうというゲームプランでした」

Ｑ：３得点で逆転ということについて、選手の評価をお願いします。
「間違いなくタフにはなっていると思います。結果を見てもそうですけど、じゃあどの程度タフになっているのか。昨日のJ1の試合を見て、例えば柏と新潟のナイトゲームは非常にタフなゲームでしたし、一瞬の隙を与えるとゲームを取れないという試合だったんですけど、じゃあそのレベルで我々がすぐ同じようにできるのかって言ったらまだまだ課題があると思います。さんざん言ってますけど、去年は本当にその隙を突かれて、今日以上の内容ができた試合でも勝てなかった。その経験は本当につい昨日のことのように僕の中では残ってるんで、その経験を選手が感じて、我々はどこに向かって行くんだと、J1昇格するっていうことではなくて、１試合１試合、やっぱり成長してパワーをつけて、日本のトップリーグ、もしくはその次ってところに、チームとしても選手としても行ってもらいたいだけなんで。タフになったと思いますけど、タフさの頂上はまだまだ先にあるかなと思います」

Ｑ：熊本で印象に残った選手、また想定と違った点があったら教えてください。
「球際の強さとか運動量というのは本当にビデオで見た通りでしたし、迷いのない攻撃というかね、全員が1つのコンセプトに向かってやってるなと思いました。あと、それを若い選手から、最後は藤本主税君とかのベテランというか年齢が上の選手まで、１つのコンセプトを浸透させて、信じてやらせている小野さんやスタッフ、そしてクラブ全体の力はすごいなと、今、正直思っています。最後に巻選手と齊藤選手を2人並べてくるかなというのは想定していました」

以上