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【J1:第13節 大宮 vs 浦和】プレビュー:シミュレーション万全のオレンジと赤。守りきるか、攻めきるか?(14.05.10)

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16位の大宮に対し、浦和は2位。既にリーグも1/3を消化した段階であってみれば、この順位はそのまま実力差を表しているといってもいいだろう。試合の構図は明確であり、攻める浦和と守る大宮。布陣を5-4-1に変更し、ここ3試合を1勝2分、前節では完封を記録した大宮にとって、真価を試される試合となる。

互いに前節はダービーのシミュレーションのような内容の試合だった。大宮はF東京に90分を通じて押し込まれながらも、終了間際に相手のミスから1点をもぎ取って勝利。圧倒的に押し込まれる状況をチームとしていかに耐えるか、コンビネーションで中に入ってくる攻撃にどう対応するか、ボールを奪ってからいかに前に出て行くかなど、多くの教訓を得られたことは好材料になりそうだ。

浦和は甲府に対して90分間攻めたてたが、最後までゴールを割ることができなかった。大宮も甲府も、守備時は同じ5-4-1の布陣になる。しかも大宮の渋谷洋樹コーチは昨年の甲府でコーチを務めていることから、目指す守り方のディテールも似ている。浦和にしてみれば、甲府を崩すには何が足りなかったかを振り返ることが、自然と大宮攻略につながるはずだ。

大宮は前節にズラタンが負傷し、全治4週間で離脱したことが大きな痛点だ。「せっかくズラがセンターFWらしくなってきたところで……」と、大熊清監督も無念さを隠さない。現在の大宮の5-4-1では、最前線で体を張り、相手を背負ってキープして時間を作れる存在が絶対に必要で、前節の長谷川悠は殊勲のゴールを挙げたにしても、多くの時間で前線で収めてキープしきれず、それが守勢に回った一因でもあった。ダービーでも長谷川が代役を務めることになりそうだが、前々日の練習では家長昭博をそこに配置する布陣もテストした。家長は攻撃に欠かせないピースではあるが、一方で守備の意識は低く、F東京戦でもボランチを自由にして攻撃の起点を作られていたことを考えれば、守備を強化する意味でも『家長1トップ』は十分に現実味がある。

大宮は試合前日の練習を非公開としたが、「ダービーに特別な策を準備しているのか?」との質問に指揮官は、「一人のポジションで(すべてが)変わる怖さがサッカーにはある」と、不敵にニヤリと笑って答えた。もちろんそれが誰を指すものか分からない。チョ ヨンチョルも練習試合で1トップを務めたことを挙げ、さらには「同時にリスクもあるから、そこも考えないと」と予防線を張ることも忘れなかったが、彼我の実力差、チームの完成度を考えれば、奇襲で挑むことも十分にあり得る。まずはキックオフ2時間前のスタメン発表に注目だ。

浦和は槙野智章が前節にケガから復帰したのに加え、前節は疲労から温存した宇賀神友弥も戻り、ほぼベストの布陣で大宮に乗り込んでくる。浦和の不安材料は、ここ3試合で2得点、それもコーナーキックからの得点しか挙げられていないことだろう(もちろんコーナーキックを得られるというのは、それだけ良い攻撃ができている証ではある)。連戦の中、仕掛けの部分で「判断の遅れや精度やプレーの精度が落ちていた」(ペトロヴィッチ監督)ことが甲府戦で勝点2を落とした主要因であれば、ダービーでも同様の苦戦が予想される。

ただ、大宮の守備は「人数が余っているのに、入ってきた人やボールに対して厳しく行けていないところがある」(横山知伸)ため、甲府ほど堅くはない。もちろん大宮もそこは練習で、特に相手シャドーに対するマークの受け渡し、最終ラインから飛び出してのチャレンジとカバーを入念に確認していた。「連戦で戦術練習の時間も十分に取れない中で選手はよくやっている」(渋谷コーチ)とはいえ、発展途上の守備が浦和に通用するか否か。大宮としてはF東京戦のように、なるべく0-0の時間を長くすることだ。「浦和はDFと前線の距離が空いてくるし、攻から守の切り替えが速くない時間帯がある」と、中盤でチームをコントロールする増田誓志は見ている。我慢強く守って、相手の焦りを誘い、富山貴光の裏への飛び出しや、ヨンチョルのスピードを生かしたカウンターで「1チャンスか2チャンスをモノにしたい」(家長)。

チケットは完売し、オレンジと赤に染まるスタンドに選手たちも「気持ちが自然と高ぶってくる」(菊地光将)、それがダービーだ。浦和は美しい連動したパスサッカーを貫き、大宮は泥臭くゴールを死守しながら隙を待つ。焦れる戦いに持ち込めば大宮に勝機があり、浦和は力で圧倒したい。順位や実力差、チームの完成度に関係なく、何が起こるか分からないさいたまダービー、熱戦の行方が楽しみだ。

以上

2014.05.09 Reported by 芥川和久
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