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【J2:第12節 群馬 vs 山形】レポート:救世主はC大阪U-18出身の雑草ストライカー! ルーキー大津のアデョショナルタイム弾で群馬が同点に追いつき連敗ストップ。山形は残り1分に泣く(14.05.07)

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クラブワースト記録タイの7連敗は目前に迫っていた。掲げられたアディショナルタイムは4分。時計は93分を回り、いつ試合終了の笛が吹かれてもおかしくない状況。崖っぷちまで追い詰められたチームを救ったのは、途中出場の大津燿誠だった。94分、渾身のヘッドがゴールへ吸い込まれると、沈黙を続けていたスタジアムは一気に沸いた。「絶対にゴールを決めたかった」(大津)。C大阪U-18出身の18歳ルーキーが救世主となった瞬間だった。


6連敗中の群馬はセンターバックに青木良太を起用し連敗阻止を図る。対する山形は前節・富山戦と同じメンバーで今季初の連勝を狙う。両チームとも置かれた状況は違えども、勝点3が要求されるゲーム。群馬は山形を返り討ちにすべくピッチに立ったが、立ち上がりから守備陣形がハマらずに山形へ主導権を譲ってしまう。「アンカー周辺にディエゴがふらふらしていて対応が遅れてしまった」(小柳逹司)。

群馬が修正に手間取る間にスコアが動く。27分、ペナルティーアーク左でボールを受けたディエゴをフリーにすると、左足から強烈なミドルを見舞われて失点を喫する。「多くのボールが自分のところへ入ってきていたのでプレーしやすかった」(ディエゴ)。ディエゴが危険な選手だというのは周知の事実。バイタルでフリーにすれば、いつかはやられる。失点は必然の結果だったと言える。秋葉忠宏監督は「ラインが上げられずにコンパクトな戦いができなかった」と悔やんだ。

だが群馬は屈しなかった。前半途中から山形の攻撃を食い止めると、後半はポゼッションを支配し反撃に転じていく。指揮官は、野崎桂太、横山翔平、大津燿誠の若手急先鋒を次々と投入、前線に厚みを加えていく。ゲーム終盤は3バックを4バックへと変更、中盤をダイヤモンドにして山形を追い詰めていく。それが結実したのは、山形がボールキープに入った後半アディショナルタイムだった。
自陣深くでボールを奪った群馬は坂井洋平が左サイドを駆け上がる瀬川和樹へとフィード。ドリブルで突き進んだ瀬川がゴール前へクロスを配給する。それにヘッドで合わせたのは大津だった。ニアへのカットインでゴールネットを揺らした18歳のストライカーは「めちゃめちゃうれしい。チームが苦しい状況だったので、なんとかしたかった」とJ初ゴールを喜んだ。大津は昨夜、選手寮でヒーローインタビューの練習を繰り返したというが、ポジティブ志向がゴールを呼び込んだ。

山形はアディショナルタイムで失点し、今季初の連勝を逸した。後半は群馬にポゼッションこそ譲ったが4−4−2のブロックで群馬の攻撃をしのいでいただけに、アディショナルタイムの失点が悔やまれる。GK清水健太は「なぜあの時間帯に後ろ向きの守備をしなければいけなかったのか」と話したが、カウンターを受けた失点シーンを検証する必要がある。
今季4度目の連勝チャレンジを逃した山形だが、結果はドローで最低限の戦果は得ている。ディエゴのコンデションがさらに上がってくれば、上位追撃がみえてくる。

クラブワーストタイの7連敗が濃厚だった群馬は、土壇場で同点に追いつき連敗を止めた。勝点3を奪うことはできなかったが、クラブの危機を救うドローだ。得点を決めた大津、アシストを記録した瀬川、闘志を見せた野崎ら若い選手がチームの活力となった。彼らはまだ決して一流の選手ではないが、泥臭く戦い抜く魂を備えている。それこそがピッチ上に欠けていたものだ。苦しい状況が続くチームだが、荒野でも新しい芽が育ってきた。19位群馬は、この勝点1を糧に初夏の攻勢をかけなければならない。

以上

2014.05.07 Reported by 伊藤寿学
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