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【J1:第12節 甲府 vs 浦和】城福浩監督(甲府)記者会見コメント(14.05.06)

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●城福浩監督(甲府):
「個人のレベルが非常に高く、自分たちでゲームを支配して押し切ろうとする浦和に対しては、浦和の個人の良さを出させないようなディテールにこだわった90分にしないと勝点は望めないと思っていたので、選手は意識高くやってくれたと思います。山梨からホームにかかわらず遠いところまで来てくれたサポーターに感謝したいし、浦和のサポーターにも多く来場していただいたことは、我々のクラブには助けとなるので感謝したい。そういう環境の中、選手が気持ちを入れてくれたことは感謝したい。ただ、ああいう状況の中でも自分たちが隙を突くような前線で時間を作る作り方をもっとできないと浦和のような大きいクラブから勝点を取ることは簡単ではないことを改めて思い知らされた。今シーズンは相手よりシュートが多いゲームが続いて被シュート数も一番少ないチームであったが、今日は多く打たれた印象がある。ゼロで抑えることができた点を評価して次に繋げたい」

Q:浦和は2ゲーム連続でCKから点を取っている。CKの守備で特別な指示はあったのか?
「どのチームでも警戒していますが、キックの精度の高さとゴール前に入ってくる工夫・勇気のある選手複数いるチームには一つの対策でセットプレーをおさえられることはない。押し込まれる時間が長ければいくら対策をしたとしてもやはりあの精度の高さでは抑えきれるものではない。押し込まれるにしてもゴール前に張り付かず、もっと前からアグレッシブに奪いに行くのと、しっかりとペナの前でオーガナイズすることを意識しました。そこからのスタート。阿部が点に絡んでいることは明らかで、彼の動きの質、彼がどこを狙っているか強く意識していました」

Q:川崎F戦から中2日。クリスティアーノの動きがよくなっている印象があるが?
「どの外国人選手でもそうですが、個性を持っていて力を示したいと思っている選手がスムーズにJ1のステージで力を出せるかというと、そうではないことがほとんど。彼も時間がかかっているが、私も彼といい意味で戦っています。そういう意味では彼の良さをリスペクトしながらも彼がJ2でできてもJ1でできないのはなぜなのか、しっかりと整理して貰いながら、強く言いながら最終的に彼が得点を取るのかアシストするかは別にして攻撃のキーマンとなってくれないとこのチームは難しいと思うので継続していきたい。今日の90分の前半はあまり良くなかった、後半に少し彼の持ち味を出そうとしてくれた。いいところをもっと長い時間出せるようにしたい。細かい部分は言いにくいが、どこでエネルギーを使うかですね。いつ彼自身が頑張るのか、いつ筋力的にフルパワーを使うのか、キックのよさをどこで出すのか、エリアとシチュエーションを整理しないとJ1はやりたい放題やらせてくれるステージではない」

Q:素晴らしいディフェンスを見せて貰った。質問はこれとは全然違いますが、ポゼッションとはどういう戦術的な意味がある現象ですか?
「(先に会見をやる)ペトロヴィッチさんの会見が終わって移動される方がいて、ここに残っている方は僕にとって大事な方なので丁寧に答えたいと思います(笑)。ポゼッションとはブロックの外でやるのも、中に入っていくのもポゼッションで、最終的には相手の最終ラインに影響を及ぼさないと有効なポゼッションにはならない。同じポゼッションという単語を使っていいのか分からないですが、最終ラインに影響を及ぼして初めて68メートルに穴が開くわけで、そこを突いていく動き、パス、ドリブルが出てくるという意味ではブロックの外でやるポゼッションとブロックの中でやるポゼッションは同じポゼッションでも意味合いが違う。押し込めば押し込むほど全部が成功すわけではなく、相手に奪われることも増える。相手に奪われた時に、今日で言うと我々の方が奪う立場で、浦和が奪われた。我々の陣地近くでそういうシーンが多かったと思いますが、そこに余裕が無くなれば無くなるほど奪った相手が余裕の無いプレーをすると、そこで奪い返すことが一番のビッグチャンスになっている。そこでのショートカウンターにポゼッションの意味がある。ポゼッションをやりきって30本のパスを繋いでゴールを奪えるのは年間に何回しかない。奪われても奪い返してパス2〜3本で決着をつけるのが今のサッカーシーンで本来のポゼッションの姿だと思っています」

Q:あれだけ持たれると選手は疲れる。最後集中力を切らさないでやったのは凄いが、この点について話してください。
「おっしゃるとおりで、引いて我々が奪った時、攻撃までの技術や判断がぶれたりすることはある。走るべきところで走ることをやめたりもある。ブロックの外でやっているのはやらせているのではなく、やられればやられるほど我々は振られる。リアクションでポジションを取り直さなければならない。そうじゃないとブロックの中に入れられる。その努力はボールを持っている側よりも何割かは多くのエネルギーを使っているはずなので、その時間を減らすイコール我々の攻撃の質を上げていくということなのでそこのせめぎあいはある」

Q:ブロックの外で回されるのはショートカウンターの大チャンス?
「ブロックの中でも外でも繋ぎ上げてようやくへろへろになって奪った相手のボールをもう1回奪い返したのを本来のポゼッションに置けるショートカウンターと思うので、あれくらい振られた後でショートカウンターをやるのは相当精度が高くないと難しい。もっと相手を制限してマイボールになった時にカウンターをやれなかった時に、呼吸を整えるようなポゼッションのレベルを上げて相手の揺さぶる時間を増やしていかないといけないと思います」

Q:国立でのJリーグで最後の会見をする監督になりましたが、今日の試合以外での思い出は?
「高校時代は弱いチームで、早慶戦くらいしか国立でプレーしたことはないですが、サッカーをやっている以上、国立でプレーすることは夢で、イメージしながら砂埃のグラウンドで練習していました。
サッカーのイベントとしては最後の2チームとしてここで戦えるのは光栄だし、何より僕らにとって成功裏に導くためには甲府に勝点をもたらせることが必要。サッカー界にとってはどっちが勝ってもイベントとして成功かもしれませんが、甲府のホーム開催に尽力してくれた方々に勝点をもたらせてこその成功なので感慨にふけるよりも今日を成功に終わらせたいという思いでした」

以上
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