先の見えない不安と戦いながらもその時を乗り越え、ギラギラした男が、“栃木の魂”が戻ってきた。
今季初出場の機会は、地元の愛媛で巡って来た。栃木は1対0とリードしながらも、追う愛媛の攻勢に遭い、青息吐息だった。そこで、阪倉裕二監督は菅和範をピッチに送り出したのだ。「気持ちが入っていた」という菅は、その言葉通りすんなり試合に溶け込んだ。ペナルティーエリア内での攻防では、元栃木の西岡大輝との肉弾戦を制し、危険なエリアからボールを弾き出した。
「3分間の出場だったけど、自分のところにボールが来ていた。準備しておいて良かったし、ゲームを終わらせることができてホッとしました」
実はクラブのみならず、菅自身も小学生の時からニンスタでは勝ったことがなく、「愛媛(ニンスタ)で勝つことが1つの目標だった」そうだ。出場時間こそ短かったが、与えられた役割を忠実にこなし、鬼門突破に貢献した。
左サイドバックのファーストチョイスと目された菅だが、シーズン当初に負傷して早々に離脱。ケガは思うように回復せず、復帰見込みだった宮崎キャンプでは「ぶり返した」。思っていた以上に長引いて、良くなったかと思えば、次の日にはまた痛みが襲ってくる。そんなことが繰り返された。
チームを最優先する菅だが、リハビリ期間は「悪い状態に戻したくなかったので、言い方は悪いかもしれないけどチームよりも自分の体のことを考えていた」。懸命のリハビリが実り、「サッカー選手らしいところへ戻ってきた」のは、3月の末だった。そこから1カ月、トレーナーなどの力を借りて感覚と体をピッチに立てる状態に戻し、ようやく第10節・愛媛戦で自分が輝ける舞台に立った。
「うーん、苦しかった…ですね。ケガをしないことがベストですけど、ケガをしたことでいろいろと経験ができました。今回のことで間違いなく選手としての幅が広がったと思います。プレー面以外でも(ケガでの経験を)還元したいですね」
もがき苦しんだ日々をそう語った菅は、本格的にレギュラー争いに加わるつもりだ。
「有給休暇は使い切った、もう十分ですよ!ここから頑張ります。県民の歌を、ホームで歌いましょうよ」
エンジン全開の背番号14は3連敗中のホームで躍動し、サポーターに歓喜を届ける気概に満ち満ちている。
以上
2014.05.01 Reported by 大塚秀毅
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