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【J2:第10節 湘南 vs 京都】曹貴裁監督(湘南)記者会見コメント(14.04.29)

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●曹貴裁監督(湘南):
「お疲れ様でした。今日は祝日のナイトゲームということで、明日から多分お子さんが学校に行くと思うんですけど、なかなかそういう時間も難しい中で、たくさんのサポーターに来てもらって勝てたことは良かったと思います。ただ、前半は守備とかトランジションの部分で、我々が大事にしていることはほぼパーフェクトにできていたんですけど、アタックが独奏になってしまって、オーケストラにならなかったという風に思っています。その話を選手たちにもハーフタイムにしました。ハーフタイムが明けたワンプレー目がオーケストラでつながってコーナーを取って、遠藤の得点を引き出したと。やっぱり彼らの良い所というのは、組織の中の一人の選手としてプレーすることではなくて、個人と個人がチームを忘れないで、ワンタッチでボールをつなげるとか、ファーストディフェンダーのプレッシャーで後ろが奪うとか、それしかやってないので、そのことで開始1分で点を取れる実力があるのに、それを前半45分、それこそ最後の2点目は前半初めて出たパターンだったんですが、2回のシーンで2点取れる力があるんだったら、それを10回も20回も続けてくれたほうが僕の中では良いと思っています。選手も、今日は勝ちましたけれども、僕が言う前にそういう思いを持っているなと感じたので、あえてここで言うようなことではないんですけれども、10連勝したことは本当に彼らを讃えたいし、本当に真摯にサッカーに取り組む中で、よく成長してくれているなと思います。ただその反面、我々は何を目指すのかと、どうなるのかと、目の前の試合に勝てばそれでいいのかという話じゃまったくないので、そういう所ではまた課題も残りましたし、次に向けてエネルギーを充電して、本当にいい試合をしたいと思います。僕はやったことないですけれども、オーケストラは、一人が目立とうと思ったら、多分良い音楽にならないと思っていて、指揮者がいて、その指揮者の言うとおりに楽器を弾いたって多分良くなくて、やっぱり自分がそのパートを担う上で本当にみんなと協調しながらハーモニーを奏でないと良いコンサートには多分ならないと思うんですよね。前半は守備の部分は良いコンサートだったかもしれないですけど、攻撃の部分は非常にそういう所が多かったかなと、もちろんピッチの状態とか、相手の陣形とかありますけども、彼らの力であれば、もうちょっとハーモニーを見たかったなという風に思います。勝ってそういう風に言うのも贅沢な所もありますし、勝とうが引き分けようが負けようが同じような気持ちだったんですけど、そういう風に今は正直に思います」

Q:前節の前半もそうだと思うが、そんなによくない内容でも点が取れている。我慢して取り返す。逆に言えば、よくないなかでよく我慢してゲームを進めているという受け取り方もあると思うが
「監督1年目ならそういうコメントになると思うが、彼らの力、やれることは僕のなかでいちばん分かっているつもりなので。もちろん全部悪いわけじゃないですよ。2点目のかたちとか(丸山)祐市の1点目のフリーキックとか練習の賜物なんですが、どっちをフォーカスするかというだけで、点が入ればそれでいいのかという話でもないし。ただ今日はディフェンスと切り替えのことはほぼ相手のストロングは抑えました。それが土台にあるから0失点で点が入ったということだと思います。そこは3トップのファーストディフェンスも悪くなかったし、ボランチとサイドハーフ、3バック、GKの連動は、ちょっと最後、あいつらもなんていうかもうちょっと行きたいみたいな感じが出ちゃって前と後ろが分離したようなところがありましたが、ゲームのなかで抑えなければいけないところは抑えていたと思います。とくに大黒選手に対するケアはどのチームもやると思うが、それについてもチャレンジとカバーを繰り返すことは、そういうなかでも冷静さを失わないでやってくれたかなと思いますが、我々は守備を第一に考えているチームでは間違いなくないので、それが攻撃の第一歩でやはりハーモニーを奏でられないといけないなとは思っています」

Q:終盤とくに選手交代が終わったあとの試合の流れは京都のほうに行ったかと思うが、この試合に勝つことだけを考えたわけではない采配だったのか
「いえ、もちろん勝つために采配のカードを切ったつもりです。前を2枚、アウトサイドを1枚代えたが、いつも言いますが、僕はほんとうに、どの選手がいないとこのサッカーができないとか、この選手がいないと無理だと思っているわけじゃないので、リーグ戦を通じていろんなかたちがあってよくて。今日はカジ(梶川)と祐也(中村)とチャミ(宇佐美)が入りましたが、そのなかでたしかに噛み合わせとしてディフェンスに回る時間が長くなり、彼らのコンビネーションはすこし見られなかったかなというのはありますが、この試合に勝つということと次の試合に向けて一辺倒にならないコンビネーションはチームのなかにあったほうがよくて。ウェリントンに梶のプレーをしろといっても無理だし梶にウェリントンのプレーをしろと言っても無理なので、そこは次節に向けても含めていちばんいいカードを僕のなかで切ったつもりです。とくに悪かったとは思っていません」

Q:オーケストラについて、ハーモニーを奏でられなかったいちばんの原因は?
「ボールを取られたら取り返すエネルギーが、自分たちがパッと切り替えて1回で奪ってしまったら簡単に奪えると思って次のプレーも簡単に奪えたからもっといいことしてやろうという空気が残るというか。逆にボールを奪われたあとにJ1だと返ってこないので、返ってこないなかでプレスしてもう1回奪い返すと、せっかく奪ったんだから、AからB、BからC、CからDと流れる空気ってグラウンドのなかに落ちている。だからその意味では、決してサボってたとか緩かったとかやる気がないとかそういう話では全然なくて、ピッチの状態はもちろんありましたが、簡単にボールを奪い返せたことが逆に攻撃のスムーズさを失くしたというか、ビデオを見てみないと分からないが、そんなふうに思います。決して難しくしようとかチームと違うことをしようとかそんなんじゃないですよ。でも一人ひとりの意識のなかで、ワンテンポ、0.5テンポ遅いから繋がらないとか、0.5テンポ速くプレーしないからAからBの、Cの飛び出しが活きないとか、そういう場面がたくさんありましたよね」

以上
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