ゴールデンウィークに突入し、Ｊリーグも試合続きの忙しい時期に入った。前節の９節を皮切りに、ここから週２回のペースで５連戦を戦う。どのチームも総力戦が予想されるだけに選手層の厚さも問われることになりそうだ。

ガンバ大阪はその初戦、アウェイでの川崎フロンターレ戦で先行される苦しい展開もMF遠藤保仁のゴールで追いつくしぶとさを見せたが、アディショナルタイムに決勝点を許し黒星。それに対して柏は同じく点の獲り合いとなった一戦を、後半アディショナルタイムにFW田中順也の決勝弾が決まって劇的に白星を引き寄せる、という対照的な結果となった。もちろん『白星』がもたらす効果を考えれば、柏がその勢いのままに万博記念競技場に乗り込んでくることは間違いないが、「連戦だからこそ、結果を引きずらないことが大事」ともガンバ大阪のMF遠藤保仁は言う。特に今節は、前節から中２日と試合の間隔も短いことから、コンディションはもちろん、メンタル面でしっかり切り替えて挑めるかも大事な要素となるはずだ。

ガンバ大阪のスタメンは大幅に代わることはなさそう。ただし、川崎Ｆ戦で脳しんとうにより途中交代となったDFオ・ジェソクはＪリーグ指針に基づいて段階的プログラムを経ての復帰となるため今節は欠場。ちなみにそのDFオは大事に至らなかったようで、28日の練習を別メニュー調整した後「全然、大丈夫でした。皆さんにご心配いただいて感謝しています」と元気な顔を見せた。話を戻そう。その右サイドバックはケガにより離脱中の本職のDF米倉恒貴、DF加地亮に続いてDFオも離脱となったため、本職の選手が不在の状況にある。川崎Ｆ戦ではDFオが交代となった後、ボランチを預かっていたDF今野泰幸が入ったが今節は誰が対応するのか現時点では未定。長谷川監督によれば「DFかボランチの選手で対応することになりますが、誰がやっても本職のサイドバックのような攻撃力はそこまで期待できないと思うので、そのあたりは左サイドバックで調子を上げている藤春に頑張ってもらえればと思います」とのこと。試合直前まで頭を悩ませて最終メンバーを決定することになりそうだ。

注目は前節、途中出場ながら今季初出場を果たしたMF宇佐美貴史。開幕10日前に左足首を痛めてから離脱となっていたが、そのケガも完治しようやくピッチへ。長谷川監督によれば「まだ復帰して間もないことを考えれば、相手が元気なうちは潰される可能性もある。そう考えても相手が少し緩んだ時間帯に力を発揮してもらえれば」と話しており、先発出場はなさそうが、短い時間の中でも前線で宇佐美らしい動きが発揮されれば間違いなく攻撃は活性化され、それに伴いゴールの匂いも漂うはずだ。
「ここまでの試合を振り返っても、いい感じでボールが回っていても、コンビネーションがうまく使い切れずに点が取れていないシーンも多かったですからね。強引に突破したり、相手のDFを１枚、2枚、３枚とはがす力が必要だと感じていたからこそ、その部分の役割を自分が出きればと思っていた。柏戦はどういう使われ方をするかはわからないけれど、コンディション的には先発でいける状態にある。とにかく与えられた時間の中で、結果を残したいし、チームとしても連敗だけは絶対に避けたいので、ホームで結果を残したいと思う（宇佐美貴史）」

対する柏は先にも書いた通り、前節をドラマチックな逆転劇で締めくくりこの連戦を白星発進となった。離脱中のレアンドロ・ドミンゲスに続きFWレアンドロも8節の横浜FM戦で右ハムストリングの肉離れを負い離脱中と、主軸を欠いての戦いを強いられた中で、「前半から組織を崩さず、高いクオリティで戦うことができたし、失点後も組織を重んじながらゲームを進めることができた（ネルシーニョ監督）」ことはもちろん、『結果』を出せた事実は、何よりもチームにとって大きな自信として備わったはず。チームとしては、その勢いを繋げるべく、今季初のリーグ戦連勝を目指して万博に乗り込んでくることだろう。

注目は前節２ゴールのFW田中順也。浦和戦後には「連勝を重ねないと順位は上がらないけど逆に連勝すればすっと順位は上がる。チーム一丸となってやっていきたい」と話しており、そのためにも、『得点』への欲も高い強いはず。チームの『連勝』のみならず、チームを勢いづける彼自身の『連発』にも期待したい。

以上

2014.04.28 Reported by 高村美砂