「やっていることは間違っていない。若手を起用して、耐えて磨いて、どんどんチームに刺激を与えたい」。
前節の松本戦の試合後、ラモス瑠偉監督はこう口にした。松本戦、岐阜にとっては非常に苦しい戦いだった。アウェイのスタジアムの観衆は13,657人。圧倒的なアウェイの空気の中、前半アディショナルタイムにCBで守備の要の木谷公亮が怪我で離脱し、ゲームプランが崩れるなど、岐阜にとって不利な状況での90分間。そんな中で今季初先発となったFW遠藤純輝、MFヘニキ、DF阿部正紀、そして後半途中から投入されたMF比嘉諒人など、新加入やルーキーの選手がこの環境下でプレーをするのは、相当な負担があった。もちろん経験不足が敗戦に直結したわけではないが、苦しい試合になればなるほど、多くを求めるのは難しくなる。ゆえに結果が出なかったのは、正直厳しい現状であることを示す。
だが、冒頭のラモス監督の言葉通り、若手がこのような経験をすることは、経験値と言う面では大きなプラスになる。「夏以降が本当の勝負」とラモス監督が繰り返し言葉にしているように、ベテラン主導でスタートした『新生・FC岐阜』は、体力勝負となる夏場が一つの山場だった。そこで考え方が、『先行逃げ切り』か『我慢を先にして後に笑う』の2つある中、ラモス監督は後者を選んだ。
ゆえに今はまさに『我慢の時』。目先の結果に右往左往せず、総合的なチーム力のボトムアップを図ることを優先している。とはいえ、プロたる者やはり結果が重要で、ラモス監督も「早く連勝がしたい」とこぼすように、そこに『負けてもいい』という言葉は存在しない。毎試合全力で勝ちに行った末に、経験値を求める。
今節の試合も双方を求める試合となる。群馬は昨季、終盤まで残留争いを繰り広げたチーム。現時点での順位は岐阜が17位なのに対し、群馬は19位。勝点差は僅か1だけに、岐阜にとっては絶対に勝たなければいけない試合だ。これまでの5敗は山形、湘南、福岡、栃木、松本といずれも上位チームだった。ゆえにこの5敗は『我慢』に当てはまるが、今節は違う。木谷の離脱という大きな痛手を負ったが、この試合でこそ若手選手が結果を残し、ラモス監督の言う『刺激』をチームに与えてほしい。
CBは2通りが予想される。木谷の離脱後、CBは今季初出場となった関田寛士と阿部の組み合わせとなったが、76分の選手交代を機に、ボランチだったヘニキがCBに、関田が左サイドバックに入った。ただ、GK川口能活が「ヘニキがボランチに入ると、あの位置でつぶしてくれたり、セカンドボールを拾ってくれて、凄く助かった。CBに入るより、あの位置での貢献度は凄く高かった」と松本戦後に語ったように、ヘニキがボランチで関田と阿部のコンビが一番いいセットと考えられる。彼ら3人が守備に刺激を与え、攻撃はチャンスを与えられた遠藤や田中智大、比嘉ら若手の躍動が求められる。
対する群馬は現在4連敗中だけに、ここで連敗を止めて、悪い流れを断ち切りたい。DF夛田凌輔、MF小林竜樹、FW青木孝太と言った個人能力の高い選手がいるだけに、彼らの個性がいかにうまくかみ合うか。ここがポイントとなりそうだ。
共に中2日の強行スケジュールだが、気持ちの入った白熱したゲームを期待したい。
以上
2014.04.28 Reported by 安藤隆人
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