岡山は前節、北九州に0−3で敗れた。第7節の東京V戦でなんとか掴み取った勝利を次に繋ぎ、新たなる段階に進もうと臨んだゲームで許した失点と敗北。勢いを出そうとするたび失点を重ねてしまうことになったこの消化しきれない結果に、今週、チームは現実的に向き合った。急造の最終ラインだけのせいには出来ない失点を見つめ、改善されつつある攻撃面も同様に見つめ直した。「ボールを動かせるようになっていることは間違いないと思うし、主導権を握ることも以前より出来ていると思う」と林容平。
岡山は4月に入って最終ラインに怪我人が続出した。植田龍仁朗、近藤徹志に続いて、最終ライン中央でDFラインをコントロールしていた竹田忠嗣が、北九州戦の前日練習で負傷。この非常事態からポジティブな材料を拾うとするなら、「ボランチにボールが集まり、そこから攻撃のリズムが生まれること」と千明聖典。千明が「非常にやりやすいコンビ」と言う上田康太が、中盤のボールの預け所となり、前線への配球からチャンスを作り出している。それ以外にも、ワイドを起点とするクロスの数は北九州戦で飛躍的に増え、残る課題はフィニッシュの精度、という状態までは来ている。
迎える札幌は、開幕戦から上位に上がったチームと対戦してきた。磐田、山形、湘南、北九州、京都、松本、大分、群馬と戦って4勝2分2敗という成績だ。しかし札幌も怪我人が続き、4−2−3−1のトップでプレーし今季6試合で3ゴールを決めていた絶対的エースの内村圭宏が第6節・松本戦で途中交代。左SBの上原慎也が第7節・大分戦で肉離れを起こして戦線を離脱している。しかし代わってトップに入ったのが昨年まで神戸でプレーしていた都倉賢、左SBがテクニックのある松本怜大と、選手層の厚さで戦力は保たれている。前田俊介のゴールで勝利した前節・群馬戦では、群馬のアグレッシブな仕掛けを受けながらも、一瞬の隙を逃さずきっちりと決めきる勝負強さを見せた。
岡山の選手にとって気になる札幌の選手は、「やはり前田」という意見が多い。「高校の時に見て衝撃的だった。天才も天才」(林)。「とにかく捉まえづらい」(千明)。身長187cmのポストプレーヤー・都倉をサポートし、裏を狙う前田、そして上原の不在で前線への意識を高めている右SBの日高拓磨、豊富な経験から的確な判断とテクニックのある砂川誠ら、総合的に高さも経験も気配りもある選手が揃っている。ここまでの8試合で8得点と、顔ぶれからすればゴールが少ない感もあるが、失点が「5」と湘南に次ぐ少なさ。統制のとれたラインコントロール、絶対的な存在感を発揮するGK李昊乗ら守備面の手堅さが今季の札幌の特徴でもある。
この試合が、GW5連戦のスタートとなる。「DFに関しては『乗り切る』という表現になるが、アタッカー陣は皆調子がいい」と岡山・影山雅永監督。岡山も札幌も、ともに残るメンバーでタフに、サッカーの楽しさを見せながら戦う姿を見せて欲しい。昨年4月のホームKankoスタジアムでの札幌戦では、荒田智之、田中奏一、竹田忠嗣がゴールを決めた。あの時の輝きを取り戻すためにも、今回はスタジアム全体が円陣となって岡山の窮地を救いたい。そしてそれぞれが今季のチームの次なる段階に進む糸口を掴めるゲームを見せて欲しい。
以上
2014.04.25 Reported by 尾原千明
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