ホームに大分を迎えた湘南は、前半のうちに先制するとその後も効果的に加点し、4−0の勝利を収めた。開幕8連勝、2000年に浦和が打ち立てたJ2開幕連勝記録に並んだ。
しかし先にゴールに迫ったのは大分のほうだった。ロングボールで相手の背後を狙いながら為田大貴や松本怜らがシュートに至る。湘南の守備陣の粘りもあり、惜しくも枠を捉えきれなかったが、互いに切り替えの素早い攻防が展開された。
拮抗した様相のなかで、先制点は大きかったに違いない。24分、相手ディフェンスラインの前のスペースで受けた大槻周平が潔く左足を振り抜く。「トラップが狙い通りにいったので、あとは思い切り打つだけでした。絶対に決めてやるという気持ちだった」。前節チームの6得点に乗り遅れたストライカーは、序盤から攻守にボールへの執着たくましく、そしてゴールに結んだ。
先制した湘南は、イージーミスが散見されながらもチームでカバーしあい、さらに攻勢に出た。間もなく笛が鳴ろうかという前半終了間際にも攻撃の手を緩めず、粘り強く奪ったコーナーキックから最後は遠藤航がねじ込んだ。折り返しても攻勢は止まない。トレーニングから好調を示していた岡田翔平がクロスバーを叩くなど立て続けにゴールに迫ると54分、先制の場面に次ぐ菊地俊介の縦パスから岡田がコースを狙う。「焦らずにチャンスをつくっていけばいつか入るという気持ちでやっていた」。うれしい湘南初得点は、指揮官をして「我々のスタイルはあのパス、あのプレーに象徴されている。いい得点だったと思う」と言わしめる、相手の懐を鋭く突いたアタックだった。
一方、大分の田坂和明監督は振り返っている。
「結果で言えば0−4の惨敗ですが、全然うちのチームも負けていない。じゅうぶん走っていたし、じゅうぶん戦えた。とくに後半は、ボールの動かし方や選手の距離感など、我々が今週この湘南戦に向けてやってきたことは出せたのではないかと思う。もちろん結果は0−4なので、しっかりとこの一戦を教訓にして、また我々は上に向かっていきたい」
事実、大分はその後相手を押し込み、シュートも重ねた。反面フィニッシュの精度を欠いたことは否めない。逆に湘南はセットプレーからウェリントンが仕留め、勝負を決めた。
曹貴裁監督は言う。
「攻撃も守備もやり切ろうとする選手たちの意欲は非常に高く、彼らはほんとうに素晴らしいと思います。でも、ここで足を止めるわけにはいかない。質を高めることを粛々とやっていく。一喜一憂せずに自分たちの足元を見つめながら、次の横浜FC戦に臨みたい」
記録に繋がる快進撃に胸がすく。ただ、なにより尊いのは、勝利を重ねても緩まぬ選手たちの表情だ。たとえば丸山祐市は「早い時間帯に逆に取られていたらこういう展開にはならなかった」と語り、菊池大介は「やり切る部分が足りなかった」と自身のプレーに唇を噛んだ。あるいは途中出場の宇佐美宏和は、マッチアップする相手にシュートを許すなり拳を叩きつけて悔しがった。そうした一つひとつにチーム内の切磋琢磨と目指す高みが思われる。自分たち自身に矢印を向ける彼らの日々は、これからも変わらずに続いていく。
以上
2014.04.21 Reported by 隈元大吾
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