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【J1:第8節 仙台 vs 鳥栖】プレビュー:ロングボールとオフサイドをめぐる攻防。今季初の連勝を目指す仙台とエースが3試合連続得点中の鳥栖が激突する(14.04.19)

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開幕から苦しい時期が続いてきた仙台が、4月9日に就任したばかりの渡邉晋監督のもとで立て直しをはかっている。12日のJ1第7節横浜FM戦でようやく今季初勝利。16日のJリーグヤマザキナビスコカップ第3節鹿島戦ではミスが響いて1−2の黒星を喫してしまったが、内容面では横浜FM戦同様に手応えを得ていた。

渡邉監督は緊急事態からチームを立て直す役割を託されたところで、選手たちのメンタルコンディションを整えるために、ひとつのイメージを提示した。それが2012年の仙台だった。最終的にJ1で2位になったこの時のスタイルというと、高い位置で前後がコンパクトな布陣を組み、高い位置でボールを奪い、カウンターとサイド攻撃を中心に相手陣内でプレーする時間を増やす。裏を取られるリスクもともなうが、オフサイドトラップや素早い帰陣でカバーすることにより対応した。

渡邉監督はまずは当時を知る選手を中心に先発メンバーを組むことで、ピッチ上にこのイメージを表現することに成功。その結果が横浜FM戦の勝利だった。もちろん2012年がそうだったように、攻撃にバリエーションを加えないことには当時を越えるチームは作れない。そしてそのバリエーションを加えようとする過程で、2013年も2014年も苦しんでいた。そのことは忘れてはいけないし、原点に返るだけでは先に進むことはできない。

当然選手もスタッフも、そのことは認識している。渡邉監督は2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会による中断期間までは2012年モデルをベースとしつつ、「練習の中で攻撃のコンビネーションの細かいところを落としこみたい」と語る。立て直しとともに、発展も並行する構えだ。その過程では、試合ごとに修正点を見出すことも少なからずあるだろう。

J1第8節鳥栖戦はここまでの仙台の過程をもう一度頭に入れると、勝負の駆け引きが面白くなる。鳥栖のスタイルも併せて考えれば、ロングボールとオフサイドをめぐる攻防が見どころのひとつになりそうだ。

仙台は鹿島戦で前線の赤嶺真吾にロングボールを当ててから攻撃を展開する形を多用したが、「ロングボールで相手を下げさせてからも、もっとクサビのパスやサイドへの揺さぶりをしたかった」(富田晋伍)、「まだまだコンビネーションで崩す形が足りなかった」(武藤雄樹)という課題が残った。鳥栖は長身GK林彰洋を筆頭に空中戦に対応できる選手が守備陣に多く、単調な放りこみだけでは跳ね返されてしまう。攻撃のバリエーションを増やすことは長期的な課題でもあるが、「ピッチ内の選手たちでも、もっと足下でつなげるときの判断力を高めたい」(梁勇基)というように実戦での解決を図りたい。負傷から復帰するウイルソンや、鹿島戦で活躍した武藤や佐々木勇人が、攻撃の幅を広げるキーマンとなりうる。

また、仙台が前線から激しくプレッシャーをかけたときに、鳥栖がそれを回避するために精度の高いロングボールを多用することも予想される。そうなったときの落下点における対応もポイントだ。高い位置に布陣を敷きたい仙台でも、ロングボールによってラインを下げざるを得なくなることも想定する必要がある。また、現在リーグ戦3試合連続でゴール中の豊田陽平は空中戦も得意だが、オフサイドにかからず相手の裏を取ることが可能だ。2012年に仙台と鳥栖がリーグ戦で対戦したときには、2戦とも豊田が仙台最終ラインとの駆け引きを制してゴールを決めている。彼に中盤から適確な中・長距離パスを送る藤田直之や高橋義希にも、ベストな状態でボールを蹴らせないことが仙台には必要だ。

今季ホーム初勝利を目指す仙台は、難敵・鳥栖相手に駆け引きを制することができるか。

以上

2014.04.18 Reported by 板垣晴朗
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