春の天気は不安定で長続きしないというが、ここ最近の大分は週末に雨が続き、平日は天気の良い日が続いている。本日（４月16日）も練習場はポカポカ陽気に包まれ、前節（第７節）・札幌戦で４試合ぶりに勝利したこともありなんだか和やかであった。

練習後のクールダウンでピッチ周辺を走る選手も気持ち良さそう。そんなのんびりしたサッカー風景にぴったりというか、異質というか、２人の豪快なおばちゃんの登場で、練習場が笑いの劇場と化す。聞くところによるとこの２人、毎週、大分の名物『吉野鶏めし』を必ず６パック持って来て、前節の得点者と私的ＭＩＰに差し入れするのだそうだ。また丁寧にも、できたご飯に混ぜるだけの『吉野鶏めしの素』と一緒にプレゼントするらしい。

この日まず、ターゲットいやノミネートされたのが武田洋平。「武田選手、ちょいこっち来よ。あんたんおかげで試合に勝てた…（略）、いい顔しちょんな、役者みたいやわ…（略）」と関西出身の武田も後ずさりするマシンガントークの餌食（？）となりながらも、例のブツを受け取る。

次は「あんなスゲーのは見たことねー」シュートを決めた末吉隼也。練習を終えるや否や「末吉選手、こっち、こっち」と呼び止められ、「よー頑張っちくれた。お腹減っちょんやろがえ。これ食べよ」と半ば強引に渡される。試合中はどんなプレスも回避し、試合をコントロールする末吉であっても、おばちゃんの圧倒的なパワーになす術なく「あ、ありがとうございます」とその場を後にした。

これでエンジンがかかったおばちゃんは、次のターゲットに狙いを定めていた。そんな２人の視線をヒリヒリと感じた高木和道は、自ら歩み寄り「うわー、めっちゃお腹すいてたんです」と気の効いたコメントで、「あんしは大きな体をしちょんけど品がある。守りを安心して見れるわ」とおばちゃんの評価をぐーんと上げる。そこからおばちゃんの漫談が延々と続き、合い間に私的ＭＩＰ賞が田中輝希、阪田章裕の手に渡った。

そんなこんなで、「あと１つは監督にあげないけん。監督は帰るん遅せんやろ。遅くまで仕事しよんち言いよったし、腹ごしらえせな」と、監督室に突撃訪問する勢いで消えて行ったのである。
大分のおばちゃん恐るべし、と感じた春のうららかな午後でした。

ちなみに『吉野鶏めし』は、料理漫画『美味しんぼ』にも紹介されたこともある大分の伝統の郷土料理です。

以上

2014.04.16 Reported by 柚野真也