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【J1:第7節 C大阪 vs G大阪】レポート:フォルラン2発! 阿部2発! J1リーグ戦で31度目の大阪ダービーは、互いに譲らず、2-2のドロー(14.04.13)

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名前が新たに『ヤンマースタジアム長居』として生まれ変わった舞台での、こけら落としの一戦となったC大阪とG大阪の、J1リーグ戦で31度目となる大阪ダービー。チケットが1週間前には完売、4万2723人というダービー史上最多、長居での歴代3位となる大観衆を集めた一戦は、2シーズンぶりとなったこの試合を待ち望んでいたC大阪、G大阪、両サポーターの熱気も充満し、「ダービーにふさわしい試合だった」(C大阪、ランコ ポポヴィッチ監督)、「最後まで勝点3を目指して戦って、非常にすばらしいゲームができた」(G大阪、長谷川健太監督)と、両指揮官も振り返るような、見応えのある攻防が繰り広げられた。

そこで序盤にラッシュをかけたのは、ホームのC大阪。今季リーグ戦でいまだにゴールから見放されている桜色のエース柿谷曜一朗が、その鬱憤を晴らそうと自らのドリブルでの持ち出しから果敢にミドルシュートを放ち、G大阪ゴールを脅かす。その直後にも、コーナーキックのこぼれ球を、今度は生え抜きキャプテン・山口蛍がダイレクトで右足を振り抜き、強烈なシュートを枠内に放つが、どちらもG大阪の今季の正守護神・東口順昭に阻まれる。それでも、1プレー1プレーが魅力あふれる攻防だった。

その後も、我慢の時間を続けるG大阪に対して、南野拓実、杉本健勇がシュートを放つなど攻勢を続けたC大阪。この姿勢が報われたのは、21分。ゴールの扉をこじ開けたのは、桜色の10番フォルランだった。ウルグアイ代表のストライカーが起点となった攻撃で、山口と柿谷のコンビネーションから中央突破を試みる。そして、山口のポストプレーをペナルティーエリア中央で受けたフォルランは、1トラップから素早いタイミングで右足シュート。これが見事に決まった。ワールドカップでも活躍するなど、大舞台に強い千両役者の一撃に、スタジアムはC大阪サポーターをはじめとする大観衆からの割れんばかりの大歓声に包まれ、一気にムードは桜色一色になった。

しかし、これは大阪ダービー。そして、昨シーズンこそJ2での舞台を強いられたものの、過去にいくつものタイトルを獲得するなど、大阪の雄を自認してきたG大阪も黙ってはいなかった。
流れが変わったのは、アクシデントから。G大阪の主軸の1人、今野泰幸が負傷交代を強いられ、この試合で前線にポジションを構えていた遠藤保仁がボランチに下がり、FW佐藤晃大が新たに送り込まれたが、この布陣変更で、逆にC大阪が混乱。「相手にちょっとリズムを作られてしまった」(山口)。すると42分、G大阪のフリーキックで、ゴール前に送られたボールをクリアしようとしたC大阪GKキム ジンヒョンとDF山下達也が交錯。そのこぼれ球に反応したのが、G大阪MF阿部浩之だった。「いつもコーナーキックやセットプレーのこぼれ球を狙っていた」という13番は、左足を一閃。これが見事にゴールに突き刺さった。この瞬間、青黒サポーターも狂喜乱舞。前半のうちに、試合を振り出しに戻すことに成功した。

後半を迎えても、流れはG大阪。「あの時間帯、バタバタしてしまったことは、私もピッチのなかで感じていた」とゴイコ カチャルも言うように、C大阪はミスが目立ち、序盤のような攻勢が影を潜める。すると、その間隙を突いたのは、またも青黒の13番、167cmのワンダーボーイだった。53分、C大阪のボランチ長谷川アーリアジャスールのマークをはね飛ばした阿部は、中央から思い切りのいい右足ミドルシュートを炸裂させ、再びゴールネットを揺らした。G大阪の意地が、この時点ではC大阪を上回っていた。

そこで、動いたのは、C大阪のランコ ポポヴィッチ監督。59分、なんと絶対的な正守護神キム ジンヒョンをベンチに下げるという決断を下す。「集中の部分で欠けていたと思った。あそこで彼を代えて、逆に彼を守るというメッセージも、私からはあった」という闘将は、移籍後初出場となるベテランGK武田博行をピッチに送り込み、立て直しを図る。

C大阪に若干、不穏な空気も流れかけていたが、そのムードを一掃したのは、この試合で輝きを放った10番だった。62分に得たフリーキックにて、レフェリーのホイッスルが吹かれた瞬間、すぐに動作を起こしたのがフォルランだ。「ちょっと準備ができていなくて、その状況で入れられた」と言うのはG大阪GK東口。相手の隙を見逃さず、練習で見せていたものと同じように、右足で直接決めきった。
これで再び試合をイーブンに戻し、流れを呼び込んだC大阪。終盤にはピンチもあったが、GK武田の好守もあり、得点は許さず。永井龍、楠神順平と、攻撃のカードを投入し勝ち越しを狙ったが、こちらも最後までゴールにはいたらず。結局2−2のドローに終わり、勝点1を分け合った。

試合後の双方の反応は対照的だった。G大阪サポーターは、拍手でイレブンの健闘を称えていた。「選手たちは本当に勇気を持って最後まで戦ってくれた。勝点1に終わったが、今後の試合のきっかけにしたいゲーム、また、していかなければいけないゲーム」と長谷川監督も語るように、G大阪としてはこのダービーから反攻態勢を取りたいところだ。
逆にC大阪サポーターは、追い付いたとはいえホームでのダービーで勝ちきれなかったことに対して、ブーイングを送った。「全く下を向く内容ではなかった」と言うポポヴィッチ監督は「ブーイングするのは、サポーターの皆さんの自由。ただ、結果だけではなくて、そういったサッカーを見る目を身につけていただきたい」と述べていたが、C大阪としては各国代表がずらりと並び、G大阪に負けない陣容が整ったなかでのダービーで、しかも状況もC大阪が上位、G大阪が下位という形だっただけに、『時代はC大阪』というのを名実共に示すチャンスだった。だからこそ、C大阪サポーターの反応もわからないわけではない。『内容よりも、結果』、そうよく言われるダービーマッチ。相手をリスペクトしなければいけないとはいえ、C大阪としてはやはり勝利が欲しかっただけに、この悔しさは今後に活かすしかない。

以上

2014.04.13 Reported by 前田敏勝
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