今季からのネーミングライツ契約により、大阪長居スタジアムは、ヤンマースタジアム長居という名称に変更。そのこけら落としの試合として開催されるのが、2シーズンぶりとなる大阪ダービー、C大阪とG大阪の一戦だ。一般販売のチケットは、試合10日前にあたる4月2日には完売。キンチョウスタジアムではなく、長居でのホームゲームとしては、極めて異例なことだ。それほどまでに注目を集める伝統の一戦は、互いのプライドをかけた勝負になることは間違いない。
ただし、ここまでの両者は、決して流れがいいわけではない。順位こそ5位につけているC大阪だが、最近公式戦3試合では2分1敗と勝ちきれず。J1リーグ戦とACLの試合を戦い続け、すでに10試合を消化する過密日程のなか、「1試合通してよかった試合がまだない」(山口蛍)というのが現状だ。対するG大阪は、さらに深刻だ。リーグ戦では1勝2分3敗と、J1に復帰した新シーズンでは苦しい船出となり、まだ序盤とはいえ、J2降格圏内でもある16位と低迷。本来持ち味としていた攻撃力も、わずか3得点と、影を潜めている。互いにとって、チーム再生のきっかけをつかみたいところ、それがこの大阪ダービーになるだろう。
「ただ、G大阪は決して悪くはない。結果が出ていないだけだから」と、分析したうえで、相手を警戒するのは、高橋大輔コーチ。そう、彼は2011年度のACLラウンド16、G大阪との大一番(1−0)で、値千金の決勝ゴールを決めた『ダービー男』の1人でもある。独特の雰囲気のなかで、「集中することだけを心がけていた」というハードワーカーは、G大阪優勢だった時代を、C大阪へと動かしたあの得点をきっかけに、C大阪のレジェンドの1人として称えられている。「(なかなか勝てなかった)タイミングと、それまでの積み上げというところでも、(その重要性は)身にしみて感じた」と、あのゴールを振り返った高橋コーチ。「逆に言うと、G大阪は、J2降格という苦い思いから、J2を経て、這い上がってきたし、ここをきっかけとしたいという思いが強いだろう。メンタル的には、G大阪のほうが、わき出るものがあるかもしれない。それでも、ウチも、チャンピオンになるという思いが強いし、そこへのエネルギーをもっともっと出していきたいから、気持ちの部分では絶対に負けられない。立ち上がりは特に大きな鍵になると思う」と述べるチームに不可欠な参謀役は、桜色の戦士とともに、12年度ホーム開幕戦(2−1で勝利)の再来を期す。
その思いは、C大阪のイレブンも同じ。「絶対に負けられない。気迫で相手を圧倒したい」と山下達也が言えば、「1番負けたくない相手」と杉本健勇も力を込める。また、2010年シーズン、川崎F時代に、初得点を含むハットトリックをG大阪戦で達成している楠神順平は、「あのときは全部うまいこと自分のところにこぼれてきた」と謙遜しつつ、「本当に大事な試合だし、初のダービーなので、試合に出られたら仕事がしたい」と内なる闘志を燃やしている。そして、昨シーズン、京都時代に開幕戦でG大阪相手にゴールを決めた安藤淳も、ここに来て調子を上げている選手の1人。「僕は初めてのダービーなので、すごく楽しみ。同じ大阪同士で戦えるダービーは貴重だし、以前はうらやましい気持ちで見ていたが、今年は自分もそこでできるチャンスがある」というマルチロールプレーヤーを含め、どの選手も戦闘態勢は整っている。「モチベーションは自然と上がってくるだろうし、今までやってきたことのすべてを出しきれるよう、自分たちの力を信じて戦うことが大事だ」とランコ ポポヴィッチ監督は、これまで取り組んできた今季のC大阪のサッカーをしっかり発揮することが、勝利へのポイントと見ている。
J1リーグ戦では、C大阪の9勝、G大阪の18勝、3つの引き分けというデータが残るが、最近3試合では1勝2分けとC大阪は負けていない。しかしながら、最も近い対戦となった2012年度、第92回天皇杯のベスト8では、純国産布陣で臨んだC大阪が、延長戦の末に1−2でG大阪に敗れている。その場所は、今回と同じ長居。ちなみに、リーグ戦で12試合ぶりにG大阪を倒した2012年の舞台も、長居だった。果たして、今回は、どちらに勝利の女神が微笑むのか。長居で歓喜の歌をとどろかせるのは、桜色のサポーターか、それとも、青黒のサポーターか。両者にとって序盤戦最大の山場が、いよいよやってくる。
以上
2014.04.11 Reported by 前田敏勝
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第7節 C大阪 vs G大阪】プレビュー:2シーズンぶりの大阪ダービー。4万人超えのヤンマースタジアム長居で開花するのは、C大阪か、それとも、G大阪か。(14.04.12)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off