今季序盤こそつまずいた川崎Fだが、気がつけば3連勝で勝点を10に伸ばし4位に浮上。まだシーズンは始まったばかりで、上も下も詰まった状態だが昨季の事を考えれば悪くない(昨季は第6節終了時点で勝点は3しかなかった)。好調の理由は、攻守のバランスがとれているという点。風間八宏監督就任後の川崎Fは、内容で上回りながらも決定機を決めきれず、数少ない相手チームのチャンスで失点するという試合を繰り返してきた。それが今では、内容の良さをしっかりと結果に繋げることができている。ただ、まだ改善の余地はある。
例えば風間監督は、ボール支配率と結果との両方で圧倒した前節の徳島戦について「(試合を)コントロールできていた」と評価。その一方で「サッカーのスタイルはだいぶ構築されてきているけど、その中でも足でやるものだからミスはある。そのミスを『仕方ない』と許すのか。『まだできるでしょ』とやるのか。どっちかというと『まだできるでしょ』というほうだと思う」と述べ、選手たちのさらなる進化を求めている。
初先発したF東京戦での活躍以降、チームの連勝と共に試合出場数を増やしてきた森谷賢太郎も「去年とかもそうですが、いい時もあれば、その次の時にころっと負けて、どうしたんだろうということもある。個人的にもそうですが、今はいいサッカーを続けられていても、もしダメだった時にどんな試合ができるのかは重要かなと思います」と話し、状況に対する適応力の必要性を述べている。
直近のリーグ戦3試合で、9得点無失点と数字上は好調さがうかがえる試合結果ではあるが、まだまだ改善が必要だとの認識を持ち、そういうチーム状態の中で連勝を積み重ねていることになる。「勝って兜の緒を締めよ」のことわざを地で行く川崎Fに油断はない。
そんな川崎Fが対戦する柏は、入念な対策によって相手チームの特徴を消そうとする一方、試合の流れによって果断な選手交代采配を行うネルシーニョ監督の試合運びで勝ち星を積み上げてきたチームだ。この柏について山本真希は「いい選手が揃ってますし、手堅い、勝負強いというイメージがあります」と話すが、実際にレアンドロ・ドミンゲスや工藤壮人、田中順也といったアタッカー陣に今季から新加入のレアンドロが加わり、強烈な攻撃力を実現している。また湘南からボランチのハン・グギョンに加え、川崎F戦で結果を出してきた高山薫が加入しており、警戒が必要であろう。
前節のC大阪戦では、3バックの最終ラインに対し、守備時には左右のウィングバックがポジションを下げてゴール前を5枚で固め、枚数を掛けてC大阪の攻撃をしのいでいた。ただ、それでも柿谷曜一朗や長谷川アーリアジャスールの突破を許す場面も見られていた。
その点、川崎Fは様々な形の得点パターンを習得しつつあり、どれか1つの攻撃パターンを防ぐということに意味はない。ただ、この試合に向けて対策が取られているはずで、その点については中村憲剛も「対策を練る点については、Jリーグでもトップクラスだと思っている」と覚悟を見せる。ただ「やりたいことをやらせてくれない相手に、今までやってきたことができれば本当に自信にはなると思う。そういう(自分たちのサッカーを確認する)試合になると思います」と話す。
内容の良さを結果に結びつけて連勝を重ねている川崎Fの懸念事項は、ケガ人が出始めている点だ。日本代表候補合宿を辞退せざるを得なかった小林悠に加え、徳島戦でレナトと森島康仁とが新たに負傷して戦線離脱を余儀なくされている。
そうしたチーム事情について中村は「(連携面で)影響はある」と断言。ただし「けど、やるしかないからね」と語気を強めた。ケガ人については大久保嘉人も「(だからといって)やり方は変えないし、このまま行きたい。行かないといけないという気持ちはあります。ケガ人は出ていますが、これだけケガ人がおる中でチームが勝てれば自信にもなるし、(代わりに出る)ほかの選手たちにも自信になる。(勝てれば)かなり大きいと思いますね」と意気込んでみせた。
3−6−1のシステムを採用する柏は、両ウィングバックの上下動と、1トップ2シャドーの前線3枚との連携が攻撃時の鍵を握りそうで、新たな布陣で試合に臨む川崎Fとすればこの攻撃をどう止めるのかが戦況を左右する鍵となる。
様々な戦い方の相手との対戦にあっても、自らのサッカーの基本を変えずに勝ってきた川崎Fにとって、この試合は強さを証明するための試金石となる一戦となりそうだ。
以上
2014.04.10 Reported by 江藤高志
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