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【J2:第5節 北九州 vs 讃岐】プレビュー:壁を打ち砕く「チャレンジ」を見せつけよ。下位脱出狙う気勢、上回るのは北九州か、讃岐か。 (14.03.30)

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開幕からの4試合、北九州も讃岐もスコアを見れば厳しい戦いが続いている。手応えを得ている部分はあるものの、前節の試合で両チームが喫したような試合開始直後の失点がゲーム作りを難しくさせ、結果として少ない得点、多い失点という事態を招いてきた。それでも失点を嫌って引いてしまうことは試合の魅力を失わせてしまう。良くも悪くも突きどころのあるチームが当たる今節、得点へ向けて「チャレンジ」する姿勢を期待したい。

讃岐は松本山雅と対戦した前節、キックオフ直後のパスミスから失点。その後もミスが続いてあわせて5失点を喫した。後半になるとチャンスは増え、少ないタッチ数から決定機を作ることもできていたが、脚が止まりかけていたことは否めない。出鼻をくじかなければもっと走り切れていたのではないかと思えるだけに、ゲームには緊張感を持って入りたい。

1年半ほど前の話になるが、2012年9月の天皇杯2回戦、当時JFLの讃岐はJ1鳥栖と対戦し1−0で勝利を手にしている。この試合で讃岐が見せたスタイルは、『走るサッカー』の代名詞的存在となっている鳥栖と比べても遜色なく、全員が連動して動き、豊富な運動量で鳥栖に走り勝った。当時から指揮を執る北野誠監督(讃岐)は「うちは前から行くしかないので、そういうところの気持ちを忘れるな」と指示していたが、まさにその言葉の通りだった。J2昇格後もそのスタイルは決して変わっているわけではない。前節は3失点で前半を折り返しているが、「前半0−3の時にそのまま終えるのか、1点でも取りに行きたいかというと、僕は後者の方を選んだ」と北野監督。結実しなかったとはいえ、その得点へのパッションが90分間持続すればJリーグ初勝利を手にすることは難しいストーリーではない。

北九州も前節の札幌戦では立て続けに3失点し、勝点1を奪うこともできなかった。ミスからの失点は讃岐に似ているが、攻撃面では対照的。試合を通じたシュートはわずかに6本で、厳しい言及をすれば0−3の中で一矢報いる野心の火が消えていたようにさえ映った。
ただこの試合はカンフル剤になった。ケガから復帰した内藤洋平(北九州)は 「失点の一つで苦しくしているということをもっとチームに伝えないといけない」と頼もしい。柱谷幸一監督(北九州)は守備から入ることをスタイルとしているだけにプランが崩れるような序盤の失点は避けたいところであるし、攻撃意欲を埋没させることはさらに避けたい。経験のある選手が積極的にピッチ上で役割を果たすことで、チームの状態は着実に上向いていくはずだ。

今週、北九州は全体練習後にオフェンス陣がコンビネーション面を中心に確認作業を繰り返した。現状では2トップの個の力に頼っていたり、セカンドボールが拾えずにリトライできなかったりと課題が露呈しているものの、練習の成果として組織として崩すシーンは出てくるだろう。「奪ったボールを早くシュートまで持って行く。(讃岐が)引いてもアイデアを持って得点したい」と柱谷監督。攻撃的なサイドバックの田中優毅(北九州)も「しっかり守備から入る」としながらも「キャンプ(の練習試合)を見てもがむしゃらに来るので、自分としては力を脱いて自分のやることをやる」と話し、アシストやゴールに絡みたい構えだ。実際にサイドバックが顔を出す場面が増えてくれば攻撃の厚みや選択肢は増える。田中らサイドバックの攻撃参加を追い風にゴールへと繋げていきたい。

ゲームの立ち上がりの失点で躓いた試合から1週間。双方がゲームの入り方に慎重になるのはやむを得ないし、実際にそうなる可能性はある。ただチャレンジを欠いたままでゴールは奪えず、どこで攻撃に梶を切るのか、ゲームのターニングポイントをどこに見出すか、指揮官の采配とピッチ上の選手の動きはこの試合の注目点だ。ウィークポイントとも言えるミスを待つのではなく、リスク覚悟でミスを誘うくらいの積極的なサッカーを仕掛けることは、結果に繋がろうとそうでなかろうとも前向きに未来を開く一里塚になる。

なお、サッカーとは離れるが、本稿執筆時(3月28日)において北九州市は桜が一気に咲き始めた。本城陸上競技場周辺はソメイヨシノのほかに、開花時期が遅れるものの八重桜や、緑色の花が咲く珍しいギョイコウという桜も植わっていて季節の花を愛でるのも楽しい。3月26日に取材をした際、散歩をしていた方から八重桜についても「今年は早い」という話を聞くことができた。まだつぼみ段階ではあるもののもしかしたら数輪の花を見ることができるかもしれない。八重桜はスタジアムグルメのブース周辺に、ギョイコウはアウェイ側ゲートのそばに数本ある。サッカー観戦のお供に桜も思い出に刻んでいただければと願う。

以上

2014.03.29 Reported by 上田真之介
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