１月に行われた新加入選手会見の場で、自身のキャラクターを聞かれた染矢一樹選手は、「関西人なんですけど、そのわりにはおもしろいこと言えないです」と答えた。月日は流れて３月も半ばを過ぎたある日、竹田忠嗣選手の口からこんな言葉が。「染矢が会見の時、『自分は関西人なのにおもしろくない』って言ったじゃないですか。あれ、関西人なりのフリかなって思ってたんです。でもマジでくそおもんないです」。関西の人は話しかけると何か１つは笑いを入れて返してくるのが通常。これまでの経験からそう考えていた竹田選手にとって、染矢選手のキャラクターは想定外だったようだ。

染矢選手に直接聞いてみると、「いつもあいつ（竹田）、俺がしゃべってるのをジロジロ見て、その後、『おもろないな』って言うんです。俺的には結構、おもしろいこと言ったつもりなんですけど。さっきも『なんで俺、こんなにいじられるんやろ』ってみんなの前で言ったら、『そりゃそうやろ』って。俺、三村（真）にもめっちゃいじられるんです」。

たいへんそうな染矢選手。ところで文頭の会見時の言葉には続きがある。「自分は真面目に頑張って、おもしろいことは久保（裕一）に任せたいと思います」。では第４節、初スタメンでゴールを決めた久保選手は、クラブハウス内を湧かせまくっているのだろうか。竹田選手によると、「これがまためっちゃおもしろくない。荒ちゃん（荒田智之）からいつも『すべってるよ』って言われてるのに、認めずにゴリゴリ来るんです。周りを和ませようとしてくれてるんですけど、荒ちゃんに『おい、周り見てみろ』って言われてますよ」。染矢選手も久保選手については、「あいつは勢いだけです。僕、ロッカーが隣なんですけど、うるさいんですよ」と手厳しい。みんな久保選手が大好きなくせに。

昨季のこの時期は荒田智之選手がいじられていた記憶がある。今季の荒田選手がいじる側にいることも新発見だが、竹田選手に新加入選手総評を聞いてみると、「片山瑛一は真面目な好青年で、思っていたとおり。ショーマ（鎌田翔雅）もめちゃ好青年です。調子に乗ってふざけても生意気な絡みをしてこないので、印象そのままじゃないですか」。つまり、チーム全員からマスコットのようにいじられ、かわいがられる田中奏一以来の逸材は…「まだ出てこないです。ソーイチ（田中）はみんなにいろいろいじられてる方が生きるのに、今、誰にもいじられていない状態に満足してる。僕も最近は何も注意しないので、うるさい先輩が何も言ってこないって思ってるはず。でもちょっと、そっとしておきすぎてるかもしれないですね」。

チーム内の笑わせ力、そして勢力図については今後も順次お届けいたします。

以上

2014.03.24 Reported by 尾原千明