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【J1:第3節 神戸 vs F東京】レポート:“マルキ”の神戸加入後初ゴールが今季初勝利の呼び水に。F東京は2倍のシュートを放ちながら今季初黒星を喫した(14.03.16)

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ノエビアスタジアムに試合終了のホイッスルが響いた瞬間、神戸の安達亮監督は両手の拳を天へ突き上げた。スコアは2−1。F東京の猛攻を全員でしのぎ切った末に訪れたJ1復帰後初勝利。スローガン「一致団結」を絵に描いたようなしびれる展開が、さらに喜びを倍増させたのかも知れない。

とはいえ、前半はF東京のペースだった。神戸は開始すぐのFKからペドロ ジュニオールが先制点を叩き込んだかに見えたが、これがオフサイドの判定。その後、5分ほどは神戸がボランチのチョン ウヨンを起点にショートパスで攻撃の形を作ったものの、徐々にF東京のハイプレスが機能し始める。エドゥー、渡邉千真、武藤嘉紀が積極的に神戸のセンターバック増川隆洋や岩波拓也らにプレスをかけ、センターバック間の横パスをインターセプトする場面も見られた。
10分過ぎには、中央のエドゥーが左サイドの渡邉へパスをつなぎ、決定的なシーンも。また、32分頃には太田宏介のCKから最後は高橋秀人がミドルシュートに持ち込む。40分過ぎにはエドゥーのスルーパスで武藤が相手DF裏へと抜け出し、GKと1対1に。42分過ぎには右サイドバックの徳永悠平からエドゥーを経由し、最後は渡邉がシュートするなど怒濤の攻めを見せた。数字だけでサッカーは語れないとはいえ、この前半に関して言えば、神戸4、F東京9というシュート数が示す通りの展開だった。

後半の立ち上がりもF東京の勢いは続いた。マッシモ フィッカデンティ監督が「前半よりも少し高い位置でプレスをかけるように指示をしました」と話すように、相手陣地でボールを奪いながら試合を優位に進めていく。だが、このハイプレスが結果的に裏目に出てしまうからサッカーはおもしろい。
神戸の安達監督は後半に向けた指示をこう話す。「相手の3ボランチが前に圧力を掛けてきていたので、そこを1つ飛ばしでかいくぐるようにパスを繋ごう」。この共通意識が見事にハマったのが52分の得点シーンだった。

センターバックの岩波から左サイドの松村亮へ美しいロングフィードが入ると、松村がカットインドリブルを仕掛けた。これをF東京の徳永と東慶悟が後ろに戻りながら対応。松村の細かいステップに手を焼き、東がたまらずGKへパスを戻した。それを神戸のペドロ ジュニオールが奪い、マルキーニョスの加入後初ゴールをお膳立てした。マルキーニョスは試合後にこのシーンをこう振り返っている。
「ペドロがうまく相手のバックパスを読んで取ってくれた。彼に声を掛けると、僕の方にパスを送ってくれた。それを決めることができて良かったと思うし、ゲームのシチュエーションを考えると先制点が大事だった。それを自分が取れたことは良かったと思う」

この先制点を機に流れをぐっと引き戻した神戸は、62分に中央で松村のスルーパスを受けた森岡亮太が左足を振り抜いて今季初ゴール。5分後の67分にはF東京のエドゥーに1点を返されたものの、その後の猛攻をしのいだ神戸が勝点3を手中に収めた。

今節の神戸は、ボランチのシンプリシオとエースの小川慶治朗を欠く布陣で挑んでいた。内容的には前の2試合に比べれば見劣りする部分もあったが、このメンバーで勝点3を奪えたことは実は大きな意味を持っている。マルキーニョスの試合後のコメントからもそれはうかがえる。
「今日の神戸はそれほど良くはなかった。ただ重要な勝点3を取れた。今までいい試合をしてもゴールを取れずに勝ち切れなかったが、今日は勝つことができた。これからの安定感を考えれば、今日の勝点3は良かったと思う」。つまり、誰がピッチに立っても今季の神戸は同じサッカーができることを証明した訳である。
安達監督は試合後にこう述べている。「今、チームでやっていることがだいぶ浸透してきている。グループ間で作業(連携)を進めていく中で、今日の試合で新しく入った選手がもう少し時間をかけてプレーをすれば、田中(英雄)も橋本(英郎)も充分に機能すると思う。だから、シンプリシオの欠場をものすごく大きな穴だとは思わない。誰が出ても(同じサッカーが)できる自信もありますし、できることなら“ベストメンバー”という言葉を使わなくて済むような1年にしたい」。長丁場のリーグ戦を見据えると、この今季初勝利は意味合いの深いものになったと言えるかもしれない。

逆に優勢に試合を進めながら黒星を喫したF東京は、太田が「まだ3試合と考え、最初にこういう苦しい思いをしておけば、あの時の経験が良かったと思えるようになる、いや、そう思えるようにしていかないといけない」と話すように、自分たちを信じて前へ進むしかない。悲観する内容では全くない。

以上


2014.03.16 Reported by 白井邦彦
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